夜な夜なシネマ

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『ジョゼと虎と魚たち』

2021年11月09日 | 映画(さ行)
『ジョゼと虎と魚たち』(英題:Josee)
監督:キム・ジョングァン
出演:ハン・ジミン,ナム・ジュヒョク,ホ・ジン,パク・イェジン,チョ・ボクレ,
   イ・ソンウク,イ・ソヒ,キム・グムスン,チャン・セウォン ,ユン・ヘリ他
 
シネ・リーブル梅田にて、『TOVE/トーベ』の次に。
 
原作はご存じ、田辺聖子の同名小説。
2003年に池脇千鶴妻夫木聡の共演で映画化され、
2020年には中川大志清原果耶が声を担当するアニメ版も公開されました。
それが韓国でリメイクされたという。
予告編が良かったので、これは観に行かなくちゃと思いました。
だから、本作がこの日の本命です。
 
機械工学を専攻する大学生のヨンソク(ナム・ジュヒョク)は、
ある日、路上で転倒して動けなくなっている車椅子の女性(ハン・ジミン)を助ける。
車椅子が壊れていたため、近所の店で金を払ってリヤカーを借り、
赤の他人であるその女性を家まで送り届けたのに、
彼女を迎えた老婆からはあらぬ疑いをかけられ、当の彼女も愛想がなさ過ぎる。
退散しようとするヨンソクに、「ごはんを食べて行って」と彼女が声をかける。
 
老婆が回収してくる廃品に囲まれてふたりで暮らしているらしい。
フランソワーズ・サガンの小説の登場人物の名前ジョゼを名乗る彼女のことが気になり、
それからちょくちょくジョゼを訪ねるヨンソクだったが……。
 
アニメ版の大学生・恒夫はやたら好青年でした。
本作の大学生・ヨンソクはオリジナルに倣い、とても女性にだらしない。
既婚の女性教授といい仲になり、部屋に泊まるのは普通。
モテるのをいいことに、可愛い子に誘われればホイホイついていくような男です。
 
対するジョゼはオリジナルやアニメ版ほど気が強くはない。
いえ、気は強いのですが、口数が少ないゆえに暴言も控えめ。
そして池脇千鶴よりもずいぶんと可愛い。千鶴さん、すみません。(^^;
 
オープニングの風吹く路地の情景がこのうえなく美しく、
心を鷲掴みにされたものの、全体的には単調でいささか退屈。
 
憐れんだだけとは言わないけれど、彼女の面倒を見るためにそばにいたところで、
職もなければこの恋が続くわけはありません。
無理でしょと思ったとおりに恋は終わり、それぞれ想い出を胸に生きてゆく。
 
ひきこもっていたジョゼが車の免許を取る。前向きなのはいいけどね。
なんだかだいぶ物足りん。
ナム・ジュヒョクのファン限定でどうぞ。

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