『Our Friend/アワー・フレンド』(原題:Our Friend)
監督:ガブリエラ・カウパースウェイト
出演:ジェイソン・シーゲル,ダコタ・ジョンソン,ケイシー・アフレック,
チェリー・ジョーンズ,ジェイク・オーウェン,グウェンドリン・クリスティー他
イオンシネマ茨木にて。
私事ですが、このたび2歳下の弟が癌の宣告を受けました。
普通に元気で、ちょっと腹部に鈍痛があるからと病院に行ったらまさかの。
私の両親は共に91歳で健在。
弟とはいつも「お父さんとお母さんのほうが私らより長生きしそうやな」と話していたので、シャレにならん。
冗談ちゃうで、しっかり治して私と一緒に両親を見送ってや!と思っています。
そんなときに本作を観てしまいました。
原作は2015年にエスクァイア誌に掲載された、
マシュー・ティーグによる記事“The Friend: Love Is Not a Big Enough Word”。
監督は本作が長編2作目のガブリエラ・カウパースウェイト。
ジャーナリストのマットは、ニューヨーク・タイムズ紙から引き抜かれ、
戦場記者さながらにあちこちを飛び回るようになる。
妻は舞台女優のニコル。まだ幼く可愛い娘が2人いる。
小さな新聞社にいた頃は、思い通りの仕事でないとはいえ穏やかな日々を送っていたが、
タイムズ紙に就職してからというもの、マットが家にいることが激減。
ニコルも子どもたちも不満を募らせて、家庭は崩壊寸前。
そんな折、ニコルが末期癌を宣告される。
マットは妻の看病と娘たちの世話に追われるようになり、心身共に限界寸前。
そこへやってきたのは、マットとニコルの親友であるデイン。
ほんの数週間住み込んで夫婦を助ける予定だったが帰るに帰れず、
デインは一家のサポートをしつづけるのだが……。
こんないい人、います!?
自分にも彼女がいるというのに、その彼女を置いて親友夫婦のもとへ。
夫婦に代わって家事全般なんでも引き受け、もちろん子どもたちの世話もする。
報酬をもらっているわけでもなく、ここまでできるものかと驚きます。
ティーグ家が住まう町がちょっと特殊な感じなのは気になるような。
ニコルが町のリーダー的存在で、癌告知前の彼女はイベントを仕切っていました。
町全体がまるでひとつの家族のようで、だからニコルが病に冒されたとき、
近所中の人が差し入れを持って訪れる。
「村」を想像して、こんなところに越してきたら大変だろうと思わなくもない。
無論、溶け込むことができればこれ以上心強いものはないのでしょうけれど。
そんな近所の住民たちも、ニコルの病状が進むにつれて
彼女を見るのが辛いのかなんなのか、ティーグ家を遠ざけるようになります。
しかしデインだけはずっと変わりません。
デイン役のジェイソン・シーゲル、マット役のケイシー・アフレック、
ニコル役のダコタ・ジョンソン、彼女の最期を看取る看護師フェイス役のチェリー・ジョーンズ、
みんなよかったです。
本当に死期が近づいたらどうすればいいのか。
自分では延命は望まないと思うけれど、家族だったらどうすればいいのでしょう。
何が最善かなんて、わかりそうにない。