夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『愛のまなざしを』

2021年11月19日 | 映画(あ行)
『愛のまなざしを』
監督:万田邦敏
出演:仲村トオル,杉野希妃,斎藤工,中村ゆり,藤原大祐,
   万田祐介,松林うらら,ベンガル,森口瑤子,片桐はいり他
 
テアトル梅田にて3本ハシゴの2本目。
 
万田邦敏監督って失礼ながら知らないなぁと思ったけれど、
小池栄子豊川悦司共演の『接吻』(2006)の監督でした。
製作委員会のメンバーの中にはENBUゼミナールの名前もありました。
 
精神科医の滝沢貴志(仲村トオル)は6年前に妻の薫(中村ゆり)を亡くした。
自身が患者を診る立場であるにもかかわらず、
妻の幻影に囚われて精神安定剤を手放せない日々を送っている。
 
そんなとき、彼の前に現れたのは水野綾子(杉野希妃)という患者。
貴志の苦しみに気づいた綾子は、自分が貴志の支えになることを望み、
治療が終わるや否や、貴志の恋人の座におさまる。
 
一人息子の祐樹(藤原大祐)の世話を薫の両親に任せっぱなしだった貴志は、
義両親に綾子の存在を明かし、再婚したいと思っていることを告げる。
もちろん祐樹を引き取るつもりでいたところ、
薫の弟である内山茂(斎藤工)から連絡が入り、
祐樹が貴志についていくつもりがないと茂に訴えていると知り……。

人の気を惹くために嘘ばかりつく女と、それを見抜けない精神科医。
まったく退屈はしませんでしたが、なんたらサスペンス劇場みたいな気がしなくもない。
自分を見てほしくて嘘しか言わない女と、それに惑わされる男。
最初から彼女が嘘つきであることを見抜いて誘惑に乗らなかった茂はエライけど、
貴志が情けなすぎて嫌になるほどです。
いちばん安心して見ていられたのは、クリニックの受付を務める池田さん(片桐はいり)かな(笑)。

綾子がどうしてこんなふうに嘘だらけの自分を作り上げるようになったのか、
その辺りの描写がほぼないから、ただのサイコに見えてしまいます。
友情出演の森口瑤子が綾子の身内を演じていますが、
訪ねてきた茂に戸惑いの表情を見せるだけで、何があったのかはわかりません。
綾子の妹(松林うらら)に至っては、昔から綾子の嘘のせいで迷惑を被っていたらしく、
その怒りの様子を見ると気の毒なほどだけど、もう少し説明がほしい。
 
人生いつも嘘をついてきた女と、無意識に妻を虐げてきた男の末路はどうなるか。
やっぱり女は怖いのです。

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