『あつい胸さわぎ』
監督:まつむらしんご
出演:吉田美月喜,常盤貴子,前田敦子,奥平大兼,三浦誠己,
佐藤緋美,矢柴俊博,春田純一,恵水流生他
109シネマズ大阪エキスポシティで『BTS: Yet To Come in Cinemas』を観たあと、
帰る方向とは違うイオンシネマ茨木に向かい、
スタバで1時間つぶして本を1冊読み終えてから本作を鑑賞。
今年2度目の“おひとりさま”かと思いきや、予告編が始まってから3人来場。
客はたった4人で鑑賞することになりましたが、すごく心に残る作品でした。
武藤千夏(吉田美月喜)は大学生になったばかり。
父親を早くに亡くし、母親の昭子(常盤貴子)と二人暮らし。
昭子と同じ職場で働く花内透子(前田敦子)は良き相談相手だが、
子どもの頃から想いを寄せている川柳光輝(奥平大兼)のことは言えない。
大学の健康診断でひっかかった千夏が昭子に付き添われて精密検査に行くと、
まさかの乳がんとの診断。
今まで誰ともつきあったことがない、誰にも触られたことのない乳房なのに、
医者(矢柴俊博)から触られてなんだかショック。
ステージは低く、手術も急がないそうだが不安でいっぱい。
娘が乳がんとのことで落ち着かない昭子は、
職場に係長としてやってきた木村基晴(三浦誠己)と親しくなる。
誰にも相談しないつもりが、つい木村には打ち明けてしまい……。
生まれは関東、育ちは関西の常盤貴子がポンポンしゃべる関西弁が気持ちいい。
つまらないオヤジギャグで職場に溶け込もうとする木村に、
「それだけ毎日スベりまくっていてよう心折れませんね」と呆れるシーンにはふきました。
木村と昭子がいい感じにつきあいはじめると思ったらそうじゃなくて、その裏切られ感も○。
登場人物のひとりひとりが悩みを抱えていて、共感できたりできなかったり。
共感できずともそれぞれの心の裡を探りたくなります。
何よりよかったのは、佐藤緋美演じるター坊。
知的障害を持つ彼に、いつもいつもは優しくできない千夏。
「おっぱいなくなったらどうしよう」と悩む彼女に、崇が差し出した一枚の紙。
このシーンには泣きました。100点満点を付けたいぐらい。
エキスポシティで映画を観て、茨木まで行ってもう1本って、
さすがにこのハシゴはしんどすぎるでしょと思ったけれど、観に行ってよかった。