『劇場版 モノノ怪 唐傘』
監督:中村健治
声の出演: 神谷浩史,黒沢ともよ,悠木碧,花澤香菜,小山茉美,戸松遥,日笠陽,甲斐田裕子,
ゆかな,和多田美咲,平塚紗依,梶裕貴,福山潤,細見大輔,入野自由,津田健次郎他
封切り日に109シネマズ大阪エキスポシティにて。
フジテレビの深夜アニメ枠“ノイタミナ”で放映されていたホラーアニメの劇場版なのだそうです。
最近の作品かと思ったらテレビ放映は2007年のことで、2022年に小説化。
昨年には舞台化もされたというのですから、相当人気があったのでしょう。
私はまったく知らずにこの劇場版がお初。何ですか、この摩訶不思議な世界は。めっちゃ気に入りました。
ところで、声優に疎い私の数少ない「声を聴くだけで誰かわかる人」のひとりが神谷浩史。
そして声でわかると言いつつ、いつも櫻井孝宏とどっちがどっちだかわからなくなるんです。
声がわからなくなるのではなくて、不倫で問題になった人がどっちだったっけって(笑)。
本作を観はじめたときも、あれって神谷さんだっけ、あんな話題になっても普通に出演できるんだと思いましたが、
櫻井さんのほうでしたね。神谷さん、すみません。(^^;
と思って続けてウィキを読んでいたら、うおっ、この“モノノ怪”シリーズの役は、
不倫発覚前までは櫻井さんだったのか。櫻井さん降板後、神谷さんになったのですね。へーっ。
で、櫻井さんの後任である神谷さんが声を務めるのは謎の男“薬売り”。
シリーズは1話ごとのオムニバス形式になっているようで、それぞれに主人公がいます。
何千人という女が勤める江戸城大奥に女中として採用されたアサとカメ。
初出勤当日、七つ口(通用口)で偶然出会ったふたりだったが、
仕事ができて物怖じもしないアサをドジなところのあるカメが慕う形で親しくなる。
男子禁制の大奥の様子を窺い、中に入ろうとする怪しげな薬売り。
入れてなるものかと警備係の坂下が押し止めようとすると、
気にもしていない素振りのまま、薬売りはしばらく居座り続ける。
大奥では正室がこのたび出産したことに伴い、儀式の段取りが進められているが、
本来は2カ月前に執りおこなわれていたはずのものが延期されたのはなぜなのか。
訝る侍たちにすっきりとした説明は無し。
実は大奥はモノノ怪に憑かれており、それを払うためにやってきた薬売りは……。
序盤、いや、中盤以降もカメが結構ウザいんですよ。
アサもカメも器量好しですが、アサは有能で思いやりもあるのに対し、
カメは自分が器量以外に取り柄がないのをわかっていてアサに頼りっきりのうえに、
いずれ「お手つき」になって華やかな毎日を送ることを夢見ています。
勝手に歩き回って寝間にまで入ろうとする。かなり腹立たしい(笑)。
嫉妬が蠢く大奥の様子も面白く、何よりも絵に魅了されます。
襖が次々と開き、閉じてゆくさまなど、ちょっと今までに見たことのないアニメで、
目がチカチカしそうなのに、虜になって目が離せない。
近世の日本をモチーフにしているということで、絵も近世の画家(←リンク先は近代の画家ですが)を想像してみたり。
あと何作でも劇場版を製作して公開してほしいです。