夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『はたらく細胞』

2024年12月23日 | 映画(は行)
『はたらく細胞』
監督:武内英樹
出演:永野芽郁,佐藤健,芦田愛菜,山本耕史,仲里依紗,松本若菜,染谷将太,板垣李光人,加藤諒,加藤清史郎,
   マイカ・ピュ,深田恭子,片岡愛之助,新納慎也,小沢真珠,鶴見辰吾,光石研,Fukase,阿部サダヲ他
 
キノシネマ心斎橋で『市民捜査官ドッキ』鑑賞後、シアタス心斎橋へ移動して。
 
原作、知りません。
『月刊少年シリウス』自体知らんけど、そこに2015年から6年間に渡って連載されていた清水茜の大ヒット漫画なのだそうです。
武内英樹監督がこんな錚々たるメンバーで実写映画化したらヒットは確約されている。
 
医学部入学を目指す高校生の漆崎日胡(にこ)(芦田愛菜)は父親の茂(阿部サダヲ)と2人暮らし。
母親を早くに亡くして以来、日胡は健康的な生活を心がけ、父親の体調も気にかけているが、
茂自身は酒もタバコも好きで食べ物に気を配ることもなく、不摂生な日々を送っている。
父親の健康診断の結果を見た日胡は、一刻も早く病院で診てもらうよう茂にきつく声をかける。
 
ところがある日倒れたのは日胡のほう。
憧れの新先輩(加藤清史郎)とデートにこぎつけ、新から交際を申し込まれて有頂天になってからまもない日のこと。
急性骨髄性白血病との診断結果に恐れおののく日胡を茂と新は懸命に励ます。
 
そんな日胡の体内では、赤血球(永野芽郁)、白血球(佐藤健)、キラーT細胞(山本耕史)、
NK細胞(仲里依紗)、マクロファージ(松本若菜)、ヘルパーT細胞(染谷将太)らが奮闘。
しかし白血球に憧れつつ白血球になれなかったバグり白血球(Fukase)が暴れ出して……。
 
期待していたほどには面白くなかったというのが正直なところ。
まぁこのキャストですから、それだけでも面白いんですけれど。
 
あっちは精子の擬人化ですが、いずれにせよ人体内であたふたするそれらの描写から懐かしく思い出す。
 
お腹が痛くなると体内ではどんなことが起こっているのか。
肛門を開門するとかしないとか、赤血球は踏ん張らないと便と共に放出されてしまうとか、面白いですよね。
癌患者が抗がん剤の投与や放射線治療を受けているときの体内はどうなっているのかもわかります。
そうか、の体内でもこんなことが起きていたんだよねと思うとなんともいえない気分に。
治らなかったからって、その人の細胞が弱かったとか、あきらめが早かったとは思いたくない。
だって、あんなに泣き言ひとつ言わずに、「いつかいい方法が出てくるかもしれないから」と笑っていたのですから。
 
たぶん、そんなこともあって、楽しむだけではいられなかったように思います。
頑張りが足りなかったわけじゃない。天命だったのかなと思います。

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『市民捜査官ドッキ』

2024年12月23日 | 映画(さ行)
『市民捜査官ドッキ』(英題:Citizen of a Kind)
監督:パク・ヨンジュ
出演:ラ・ミラン,コンミョン,ヨム・ヘラン,チャン・ユンジュ,アン・ウンジン,
   イ・ジュスン,ソンヒョク,キム・ユルホ,パク・ビョンウン,イ・ムセン,他
 
アメ村のビッグステップ4階で18年間営業していたシネマート心斎橋が10月末に閉館。
大阪で韓国作品を多く上映してくれる劇場といえばここでした。
 
そうと知らなかった頃、ロビーに入ると女性客でごった返していることがあり、
何事かと思ったらチャン・グンソク主演の映画の公開日だったらしく。
チャン・グンソクが誰かも知らなかった私は、そんなに人気がある人なの!?と驚いたおぼえがあります。
また、オッサン客で混み合っていた日はドニー・イェン主演の“イップ・マン”シリーズ何作目かの公開日でした。
『1987、ある闘いの真実』(2017)を観たときは立ち見まで出ていたのを思い出します。
 
そんなふうだったから、シネマート心斎橋がテアトルグループ傘下となったときにまず驚きました。
だけど、映画業界の事情なんて私は知る由もないし、客はよく入っているから潰れることはないよねって。
ところが今夏に10月閉館のニュースが流れてきてショックを受ける。
 
と、とても寂しい思いをしていたら、12月13日にキノシネマ心斎橋として新装オープン。
ロビーや客席は当然綺麗になっていますが、トイレの扉を開けると便器はそのままでなんか嬉しい(笑)。
思えばシネマート心斎橋の前はパラダイスシネマ、そしてパラダイススクエアの時代もあったわけで、これが4代目。
経営者が木下グループに替わり、今後どうなるのかわかりませんが、
少なくとも映画のラインナップはこれまでを踏襲しているように見えます。
 
というわけで、キノシネマ心斎橋にて記念すべき初めての鑑賞は本作を。
2016年に起きた実話を基にしたフィクションで、めちゃめちゃ面白いです。
 
幼い娘と息子を抱えるシングルマザーのドッキはクリーニング店を経営していたが火事に遭う。
店も家も失い、保険は利かず、何もかも焼けて無一文に。
融資を受けようと銀行に相談に行くも取り合ってもらえず、途方に暮れていたところ、
銀行員ソンを名乗る男性から融資を受けられる方法があるとの電話を受ける。
藁にもすがる思いで今後の手はずを聞いて従っていたところ、途中から連絡が途絶えてしまう。
 
銀行に乗り込み、ソンを出してくれと言うと、そこに現れたのは女性銀行員。
男性のソンはいない、お客様に送金を依頼することはないと聞き、振り込め詐欺に遭ったことに気づく。
手付金だ手数料だ、書類の準備に金がかかるなどと言われて振り込んだ総額は3200万ウォン(約340万円)。
警察に駆け込むと、刑事のパクが一応は話を聴いてくれたものの、
追跡は無理だから高い授業料だと思ってあきらめるように言われただけ。
 
このまま泣き寝入りするわけにはいかない。
絶対に金を取り返すと誓うドッキのもとへある日あのソンから電話がかかってくる。
軟禁状態に置かれていると言うソンは、ドッキに通報を頼むが、
ソン自身、どこに連れて来られているのかわからないらしく……。
 
ドッキ役にラ・ミラン、ソンことジェミン役に『エクストリーム・ジョブ』(2019)のコンミョン。←カワイイ。
ドッキの友人で共に犯人を追跡するはめになるボンリムには、見るだけでワラけるヨム・ヘラン
同じく友人のスクジャ役にチャン・ユンジュ。ボンリムの妹エリム役にアン・ウンジン。←カワイイ。
刑事パクを演じているのがパク・ビョンウンと、楽しいこと間違いなしのキャスト。
 
警察は何億円規模かの詐欺事件を追っているから、ドッキの340万円はどうでもいい。
だけど子どもたちを保育園に預けるお金もなくてパート先のロッカー室で寝泊まりするドッキは、
虐待を疑われて子どもたちを連れて行かれてしまって、とても諦められる金額ではありません。
 
ジェミンはジェミンで本当はいい奴。ちょっと楽して稼ごうと思ったら、こんなことになってしまった。
携帯も金もすべて取り上げられて錠の付いた牢屋のような部屋に同様の若者たちと軟禁され、
もしも逃げ出そうとすれば拷問は当然。殺されてしまった者がいることも知っています。
やってくる若者は最初は旅行気分なんですね。地獄が待っているとも知らずに次々とやってくる。
 
世間でも話題の振り込め詐欺の組織ってどうなっているのかと思ったら、こういうことなのか。
元締めを捕まえるために青島まで行ったドッキさんのモデル、ちゃんといらっしゃるそうで、凄いです。
 
とても楽しいサスペンスコメディ。オススメです。

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