『君が世界のはじまり』
監督:ふくだももこ
出演:松本穂香,中田青渚,片山友希,金子大地,甲斐翔真,小室ぺい,
板橋駿谷,山中崇,正木佐和,森下能幸,江口のりこ,古舘寛治他
前述の『もち』とハシゴ。同じくテアトル梅田にて。
『おいしい家族』(2019)のふくだももこ監督による。
主演は最近なんだか私のお気に入り、松本穂香。
めちゃめちゃブルーハーツを聴きたくなる映画。
大阪郊外の町。
高校2年生の縁(松本穂香)は学年トップの秀才で優等生、
琴子(中田青渚)は成績ビリで問題児だが、ふたりは大親友。
男を取っ替え引っ替えしている琴子だったが、
ある日、ひとり涙していたサッカー部の業平(小室ぺい)に一目惚れ。
心を入れ替え、業平一筋で行くと決める琴子。
そんな琴子にひそかに想いを寄せているのはサッカー部の主将・岡田(甲斐翔真)。
学校一の人気者でモテモテの岡田なのに、琴子はその存在さえ知らない。
縁が岡田に発破を掛けるも、岡田は尻込み。
母親が家を出て行ったのは、父親が母親の仕事を奪ったからだと考えている。
家事を完璧にこなし、いくら純が無視しても食事をつくりつづける父親。
家に帰りたくなくてショッピングモールで時間をつぶしていると、
東京からの転校生・伊尾(金子大地)を見かけて後を追うのだが……。
大好きです、この映画。
さして珍しくもない青春群像劇なのですけれど、重さがちょうどいい。
みんな表向きは明るく平和で「普通」。
でも、精神疾患のある父親の面倒を見ていたり、
好きな人に好きと言えない事情があったり、それぞれ悩みは尽きない。
業平の事情を知ってしまったとき、気まずい空気が流れそうなのに、
縁は「業平くん、ごはん食べた?」と自宅へ招きます。
このときを含め、本作ではお好み焼きが重要。
青春って、苦いよね。辛いよね。
でも大人になって振り返ったら、笑えることも多いはず。