『ハニーボーイ』(原題:Honey Boy)
監督:アルマ・ハレル
出演:ルーカス・ヘッジズ,ノア・ジュープ,シャイア・ラブーフ,
FKAツイッグス,ローラ・サン・ジャコモ,クリフトン・コリンズ・Jr.他
シネ・リーブル梅田にて。
エンドロールが回りはじめてから、
本作の脚本を担当したのが父親役のシャイア・ラブーフであることを知りました。
へ〜っ、あの人、脚本を書けるんやと感心していたら、
なんと本作はシャイア・ラブーフの自伝的作品とのこと。
しかもアルコール依存症だった彼が治療の一環として綴ったのがこの脚本。
映画化することなんて考えもせずに書いたのに、
その出来に目を見張ったアルマ・ハレル監督が映画化を申し出たそうな。
ハリウッドスターのオーティスは、飲酒運転で事故を起こす。
アルコールによるトラブルを起こすのは3度目だったため、更生施設送りに。
PTSDの兆候ありとの診断を受けるが、オーティスには心当たりがない。
カウンセラーから過去を振り返れば原因がわかるかもしれないと言われ、
子ども時代の記憶をたどろうとするのだが……。
飲酒運転を起こした現在のオーティスを演じるのはルーカス・ヘッジズ。
最近ものすごい売れっ子。ちょっと問題のある青年を演じるとピカイチ。
『スリー・ビルボード』(2017)、『ベン・イズ・バック』(2018)などなど、
どの彼もいいけれど、イチオシは『ある少年の告白』(2018)だなぁ。
彼が回顧するのは、人気子役だった12歳の頃のこと。
その時代のオーティスを演じるノア・ジュープの可愛いことと言ったら。
カワイイ顔してハードなアクションもこなすから鍛えていて、
わりとたくましい体つき、で、タバコも吸っちゃう。
『クワイエット・プレイス』(2018)や『フォードvsフェラーリ』(2019)でも
愛くるしいことこのうえない息子を演じています。
そんな彼がステージパパ、ジェームズと暮らした辛い時代。
この癇癪持ちで暴力的で前科者のジェームス役がシャイア・ラブーフ。
彼自身の生い立ちを描いているのだと思うとより感慨深い。
母親と暮らすこともできるのに、自分が稼いで一緒にいてやらないと、
父親はますます駄目になってしまうと思い込む。これもやっぱり共依存。
ハリウッドの子役スターが真っ当に育つのって本当に大変なことなのですね。
シャイアはまだ30代半ばに差しかかったばかり。
いい役者なので、今後は酒に溺れることなく歩んでいってほしい。
非常に良い作品でした。