『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』(原題:The French Dispatch of the Liberty, Kansas Evening Sun)
監督:ウェス・アンダーソン
出演:ベニチオ・デル・トロ,ティルダ・スウィントン,レア・セドゥ,フランシス・マクドーマンド,
ティモシー・シャラメ,ジェフリー・ライト,ビル・マーレイ,オーウェン・ウィルソン他
声の出演:アンジェリカ・ヒューストン
109シネマズ大阪エキスポシティにて、仕事帰りに観ました。
前週金曜日が公開初日だった作品の中でいちばん観たかった作品です。
出演俳優の誰も上記から外したくないほど面白い役者ばかり。
挙げた以外にも錚々たる顔ぶれが並んでいます。曲者だらけ。
そして何よりもいちばん曲者なのはウェス・アンダーソン監督。
実話が基なのかと勘違いさせられてしまうような楽しい構成。
1925年に創刊された雑誌『フレンチ・ディスパッチ』。
これは、アメリカの新聞『ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン』の別冊雑誌で、
フランスのとある町に編集部があり、世界50カ国に50万人の読者を持っている。
1975年、創刊者で名物編集長のアーサーが急逝。
遺言に従って雑誌は廃刊することになるのだが……。
これすべて、架空の町の架空の雑誌のお話です。
架空の話ではありますが、実在する雑誌『ザ・ニューヨーカー』にインスパイアされているらしい。
編集長役にビル・マーレイ。
彼のもとでユニークな記事を書き続けてきたジャーナリストたちをオーウェン・ウィルソン、
風刺漫画家の役にはジェイソン・シュワルツマン。
ベニチオ・デル・トロ演じる服役中の前衛芸術家のヌードモデルが
一糸まとわぬ姿を披露しているうえに、このシーンにもユーモアたっぷり。
フランシス・マクドーマンド演じるジャーナリストが書く記事は学生運動の話で、
ティモシー・シャラメ扮する学生とベッドの上での会話があり、
おばばと若者の絡みは見とうないと思いましたが、幸いそのシーンはなくてホッ(笑)。
楽しかったはずなのですけれど、これまでの同監督作品は一切眠くならなかったのに、
本作ではところどころ睡魔に襲われたのは何故でしょう。
ウキウキするような色使いは絵本を見ているようで、音楽の使い方も楽しい。
映画というよりはアートというほうがふさわしいかもしれません。
遊び心は満点だけど、ウェス・アンダーソン監督を知らない人にはお薦めしづらい。
美術を学ぶ学生とかなら楽しめそう。
とにかく、変な監督に変な出演者たちです。