『チューズ・オア・ダイ:恐怖のサバイバルゲーム』(原題:Choose or Die)
監督:トビー・ミーキンズ
出演:アイオラ・エヴァンズ,エイサ・バターフィールド,エディ・マーサン,ロバート・イングランド,
ライアン・ゲイジ,ケイト・フリートウッド,アンジェラ・グリフィン,ジョー・ボランド他
4月15日に配信開始になったばかりのNetflixオリジナル作品です。
副題からしてB級以上は望めません(笑)。
ホラーなんて観るつもりはなかったのに、しつこくオススメに出てくるからなんとなく。
観はじめてビックリ、エディ・マーサンが出ているではないですか。
なるほど、アメリカ作品だと思ったらイギリス作品なのですね。
そのエディ・マーサンの家庭不和のシーンから始まります。
中年男性ハルの家。キッチンで妻と息子が口喧嘩している。
ありがちな親子喧嘩だが、やがて妻の不満の矛先はハルへ。
ハルは家族の話になどいっさい耳を傾けず、毎日自室にひきこもってはレトロゲームに没頭。
その夜も“CURS>R”(呪者)という1980年代のゲームをインストールしてプレイを開始。
ただのゲームに過ぎなかったはずなのに、画面越しのやりとりがなんだかおかしい。
たとえば聖杯をもうひとつどうだと尋ねられ、受け取ることにすると、
いつのまにか机の上に缶飲料が増えている。
後ろを見ろと言われて振り返ると、画面には「ひっかかった!」の文字。
やがて「死」か「舌」かを選ぶように言われて後者を選ぶと、キッチンから絶叫が聞こえる。
ハルが駆けつけると、そこには血まみれの包丁を携えた妻と、舌を切り取られた息子の姿が。
3カ月後、女子大生のケイラは、コンピュータオタクの友人アイザックが所有するレトロゲームに興味を示す。
そのゲームこそあの“CURS>R”だったが、そんなことはアイザックもケイラも知らない。
ドラッグに溺れる母親と二人暮らしで、学費を稼がねばならないケイラは、
レトロゲームの賞金が何十年後であっても支払われる可能性があることをアイザックから聞き、
“CURS>R”で試してみようと考えるのだが……。
画面に表示されるメッセージに従い、簡単なコマンドを打ち込む。
画像は伴わずに文字だけで進行するこういうゲームをテキストアドベンチャーというのですね。
それすら知らなかった私ですが、何十年も前のゲームを思い出して楽しそう。
冒頭はそう思えたのですが、なんとも中途半端。
“Choose or Die”、つまり「選ぶか死ぬか」。そう問われた後に考える瞬間すらない。
選んだらどうなるのか考える時間ぐらいほしいじゃないですか。
たとえば、リメイク版の『CUBE 一度入ったら、最後』(2021)はつまらなかったけど、
オリジナルはとても面白かった『CUBE』(1997)みたいに。
二者択一を求められるシチュエーションスリラーなのに、択一に面白みがないのは駄目でしょ。
レトロゲームの面白さとしても“ジュマンジ”シリーズのほうが圧倒的に上。
ホラーとしてもイマイチで、どう評価してよいものやら。
『リング』(1998)みたいに画面から出てきてくれたらビビッたかも。それじゃ二番煎じか。
御年72歳のロバート・イングランドはホラー映画で活躍する俳優。
見どころは彼が彼自身の役で登場しているところぐらいでしょうか。
ちなみに、かつての人気ヒップホップグループ“Run-D.M.C.”はケイラに鼻で笑われていました。(^^;