夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『スペース・プレイヤーズ』

2021年09月20日 | 映画(さ行)
『スペース・プレイヤーズ』(原題:Space Jam: A New Legacy)
監督:マルコム・D・リー
出演:レブロン・ジェームズ,ドン・チードル,セドリック・ジョー,
   ソネクア・マーティン=グリーン,クリス・デイヴィス他
声の出演:楠大典,津田健次郎,山崎智史,鷄冠井美智子,土田大,杉村憲司他
 
近所のシネコンでは吹替版の上映しかなく、
もう観なくていいかなと思っていたのですけれど、
少なくとも週に3回は劇場に行かないと寂しくて、
ほかに観るものもないし、まぁこれでえっかなと。
109シネマズ箕面にて。
 
NBAのスーパースター、マイケル・ジョーダンが主演した『SPACE JAM/スペース・ジャム』(1996)の続編。
今回は現在ロサンゼルス・レイカーズでプレーしているレブロン・ジェームズ主演。
彼の憧れの選手がマイケル・ジョーダンで、背番号も同じ“23”なのだそうです。
監督はマルコム・D・リー、共演がドン・チードルと来れば、面白そうではあります。
 
バスケットボールの一流プレイヤー、レブロン・ジェームズはには3人の子どもがいる。
長男ダリウス、次男ドムを共に自分と同じくプレイヤーに育てたいが、
ドムはバスケよりもゲーム作りに夢中。
ドムが開発中のバスケゲームはかなり面白いもののようだが、レブロンは話を聞こうともしない。
 
ある日、映画会社ワーナー・ブラザーズからプレゼンに招待されたレブロンは、ドムも連れてゆく。
レブロンをメインキャラクターにした映像作品を商品化したいようだが、
バスケ選手である自分がそれとは関係のないキャラクターになっていて気にくわない。
とっとと帰ろうとするレブロンに反抗し、ドムは社内をうろうろ。
 
そうこうしているうちに地下の巨大サーバールームに入室したレブロンとジェームズは、
映画の人気キャラクターたちが存在するバーチャルワールドに吸い込まれてしまう。
すると、その世界の支配を目論むAI(人工知能)のアルGがドムを人質に取り、
息子を返してほしければ最強のバスケ・チームと対決して勝利しろと言う。
 
もし負ければ、レブロン親子もバーチャルワールドから出られなくなるばかりか、
観戦するためにバーチャルワールドにやってきた人々も皆、ここから出られなくなる。
 息子を取り返し、人々を元の世界に戻すため、e-スポーツバトルで戦うことになるが……。
 
レブロンをよく知っていないと眠りこけそうになります。なりました(笑)。
バスケの試合が面白ければ大丈夫だったと思うのですが、バスケじゃないですもんね。
何でもありのゲームの中の話だから、普通のバスケの試合を観られるわけじゃない。
 
出てくるキャラクターにうんと馴染みがあればそれはそれは楽しいでしょう。
でもバッグス・バニー率いる“ルーニー・テューンズ”のことも知らんし。
唯一興奮したのは、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(2015)が出てきたところぐらい。
あ、あと、マイケル・ジョーダンを連れてきた!と思いきや、
やってきたのはマイケル・B・ジョーダンだったのには笑いました。
私はマイケル・ジョーダンよりマイケル・B・ジョーダンのほうが断然好きですから、これは嬉しい。
 
字幕版で観られたらもうちょっと楽しめたかも。
ポイントを使ってタダで観たからいいんですけど。

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『モンタナの目撃者』

2021年09月19日 | 映画(ま行)
『モンタナの目撃者』(原題:Those Who Wish Me Dead)
監督:テイラー・シェリダン
出演:アンジェリーナ・ジョリー,ニコラス・ホルト,フィン・リトル,エイダン・ギレン,
   メディナ・センゴア,タイラー・ペリー,ジェイク・ウェバー,ジョン・バーンサル他
 
109シネマズ箕面にて。
 
アンジェリーナ・ジョリーを見るのは久しぶりなような。
プラピとの別れ話だったり、監督作の『不屈の男 アンブロークン』(2014)が反日映画と言われたりで、
すっかり印象が悪くなってしまったけれど、こうして見るとやっぱり上手いし美しい。
魔女みたいな役よりも、私はこんな普通の人間役の彼女のほうが好きです。
 
監督はテイラー・シェリダン『ウインド・リバー』(2017)がとてもよかった。
本作の私の中での目玉は、主演のアンジーではなくて悪役2人。
エイダン・ギレンはあの『ボヘミアン・ラプソディ』(2018)のプロデューサー、ジョン・リード役だった彼。
そして子役から着々と成長していつのまにか30歳を過ぎたニコラス・ホルト
ニコラス・ホルトの悪役って、今までにありましたかね。私の記憶にはない。さてその悪役ぶりはいかに。
 
アメリカ・モンタナ州パーク郡。
森林消防隊員のハンナはチームのスター的存在だが、
ある消火活動時に判断ミスを犯して犠牲者を出したことが心の傷となっている。
左遷の意味合いで、森林を見渡す火の見櫓での監視業務に就かされる。
 
一方、法廷会計士のオーウェンは、自分がとんでもない事件に巻き込まれたことを知る。
汚職を告発しようとした検事の家でガス爆発が起き、一家は全員死亡。
これは間違いなく殺人。その検事に雇われていた自分も消されるに決まっている。
オーウェンはひとり息子のコナーを連れ、逃走を図る。
 
オーウェンが目指すのは、義弟の保安官イーサンとその妻アリソンが暮らすモンタナ州。
道中、オーウェンは息子に手紙を託し、もしも自分の身に何かがあったときは、
信頼できる人を探してこの手紙を渡し、テレビ局を呼べと言われる。
 
懸念通り、待ち伏せしていた2人組に襲われ、オーウェンは死亡。
その前に父親から逃がされたコナーは、森の中を小川に沿ってひた走る。
ちょうど火の見櫓が落雷に見舞われ、脱出したハンナと遭遇するのだが……。
 
最初のガス爆発の音がド迫力で、座席から飛び上がりました(笑)。
 
エイダン・ギレンとニコラス・ホルトが悪いのなんのって。
妊婦のアリソンまで殺されたら見ていられないと思いましたが、
母ちゃんになる人は強いんです。ナメとったらアカンでぇ。
 
悪役がコナーを捕らえるまで時間稼ぎをしようと山に火をつけたものだから、
大火事のなかでハンナとコナーが逃げるはめになります。
コナー役のフィン・リトルの可愛いことと言ったら。
ちょっとポチャっとしていてクルクル巻き毛。
目の前で父親を殺され、でもなんとか父親の遺言を守ろうと涙をこらえて走り続ける。
そりゃもうもらい泣き。健気な姿がたまりません。
 
シェリダン監督はジョン・バーンサルがお気に入りなのか、本作ではイーサン役。
『ウインド・リバー』でも大事な役を任されていて、たいてい脇役だけれど印象に残る人です。
 
いったいどんな汚職だったのか、暗殺者2人は誰の依頼で動いているのか、
その上司もどういう立場の人なのか、詳細は省かれているのが不満と言えば不満。
けれどそこを詳しく描写されて上映時間がだらだら長くなるよりは、
あっさりと終わってよかったのかもしれません。
燃える森林の中で必死の逃走をするハンナとコナーを見る作品だから。
そして、正義は勝つんだと言ってくれる作品ですもんね。

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『その日、カレーライスができるまで』

2021年09月18日 | 映画(さ行)
『その日、カレーライスができるまで』
監督:清水康彦
出演:リリー・フランキー,中村羽叶
声の出演:吉田照美,岡田ロビン翔子,黄栄珠,福田信昭,神野三鈴
 
シネ・リーブル梅田にて2本ハシゴの2本目。
 
52分の中編作品で、『HOME FIGHT』という短編作品と併映。
これは斎藤工らが立ち上げたリモート映画製作プロジェクト“TOKYO TELEWORK FILM”の作品で、
『その日、カレーライスができるまで』と同じ清水康彦が監督。
登場人物は伊藤沙莉大水洋介のみ、兄妹役のこのふたりがリモートトーク。
これがめっぽう面白かった。タイトルの「ホームファイト」、なるほどです。
ところで、役者でないときの斎藤工は齊藤工名義なのですね。知らなんだ。
 
さて、『その日、カレーライスができるまで』はリリー・フランキー一人芝居
キャストに挙がっている中村羽叶(うきょう)は、回想シーンに登場する男の子。
声の出演はラジオ番組だったり電話だったり。
私はあまり馴染みがないけれど、吉田照美と聞いておおっ!と思う人は多いかもしれませんね。
岡田ロビン翔子も知らなかったけど、山寺宏一の奥様なのだそうで。
えーっ、山寺宏一って60歳やのに、岡田ロビン翔子って28歳やん!
山寺さん、アンタも若い子が好きなんかとどうでもよいことを嘆く。すみません。(^^;
 
リリー・フランキーの役どころは、幼い息子を亡くし、
それをきっかけに妻にも去られてしまった男。
3日後は妻の誕生日。妻の誕生日にはいつもカレーライスを食べることになっていた。
カレーはその日に食べるよりも3日目がいちばん美味しいから、
男は3日後に食べるカレーをつくるのにいそしみます。
 
息子の写真に語りかけ、楽しかった日々を思い出し、
妻が戻ってきてくれやしないかとカレーをつくる姿は哀しくて、
子どもを亡くした経験のある人は耐えられないのではと思うほど。
 
部屋に流れるのがテレビの音ではなくてラジオの音だというのがいいなぁ。
住んでいるのも瀟洒なマンションとかではなくて、古アパートの雰囲気。
でもモノがごちゃごちゃしていなくて、こざっぱり。
窓から外を見るラストシーンが好きでした。
 
コロナ禍で思うように映画を制作できない去年今年、まだまだ続く。
こんな作品がつくられるのは嬉しいものです。

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『アナザーラウンド』

2021年09月17日 | 映画(あ行)
『アナザーラウンド』(原題:Druk)
監督:トマス・ヴィンターベア
出演:マッツ・ミケルセン,トマス・ボー・ラーセン,マグヌス・ミラン,ラース・ランゼ,
   マリア・ボネヴィー,ヘリーヌ・ラインゴー・ノイマン,スーセ・ウォルド他
 
シネ・リーブル梅田にて、2本ハシゴの1本目。
 
デンマーク/スウェーデン/オランダ作品。
監督はデンマーク出身のトマス・ヴィンターベア
ラース・フォン・トリアー監督と“ドグマ95”を始めたことで知られている人です。
 
本作は第93回アカデミー賞に監督賞と国際長編映画賞でノミネートされ、
監督賞は『ノマドランド』のクロエ・ジャオが受賞、本作は後者を受賞しました。
同賞には『少年の君』もノミネートされていたのですね。
 
賞がどうこうなんてどうでもいいんです。
そんなことよりも、「血中アルコール濃度を0.05%に保つとどうなるか」が気になって仕方ない(笑)。
酒飲みだったらみんな結果を聞きたくなる実験だと思いませんか。
 
デンマークって、16歳から飲酒可能なのだそうです。
冒頭から「マジか」と言いたくなるようなシーン。
高校生がチームを組み、酒瓶1ケースを抱えて湖の周りを飲みながら走るというレース。
途中でもしも全員同時に吐いたらタイム追加の罰。
レースが終われば残った酒瓶を持って電車に乗り、ほかの客たちに振る舞ったりも。すげぇ。(^o^)
 
そんな愉快な高校に勤める歴史教師のマーティン。
さぞ楽しいはずが、マーティンの授業はいたって退屈。
行ったり来たりする話に途中退出する生徒までいて、
保護者からこの教師で大学進学が叶うのかと学校に苦情が来るほど。
家に帰れば妻は最近夜勤ばかりでろくに会話もなく、
子どもたちもマーティンのことをまるで無視。
 
不安を口にできるのは、同僚の教師3人、トミーとニコライとピーターだけ。
ある日、ノルウェー人の哲学者フィン・スコルドゥールが唱えた説が話題にのぼる。
「血中アルコール濃度を0.05%に保てば、仕事の効率が上がり、意欲も向上する」。
この説は真実なのだろうか。
 
いずれも酒好きの4人は、この説を実証しようと考える。
ヘミングウェイが夜8時以降は飲まずに執筆していたことに倣い、
4人も勤務中のみ飲酒し、夜8時以降と土日は飲酒禁止。
血中アルコール濃度は0.05%を保ち、飲酒が心と言動に及ぼす影響を確認する。
 
トップバッターとしてこの説の証明に臨んだマーティンは、
多少呂律が回らなくなりながらもジョークでかわす。
それまでの授業と打って変わったように盛り上がって生徒は大喜び。
帰宅してもほどよく陽気なマーティンに妻子は嬉しそう。
 
音楽や心理学、サッカーのコーチを担当するほかの面々も飲酒の効果あり。
喜ぶ4人だったが、次第に酒量が増えて行って……。
 
酒飲みにしか鑑賞を勧めにくい作品と言えます(笑)。
もちろん、酒好きの私は「あるある」なところいっぱいでよくわかる。
それでも「いやいや、これはあかんやろ」なところもいっぱいだから、
酒飲みに嫌な思いをさせられたことのある人は絶対ムリだ(笑)。
 
酒を少し飲んで、緊張が解けて、心がゆったりする。
言えなかったことを言えたり、やれなかったことをやれたり。
でも時に、酒のせいで単に鈍感になっていることもある。
だから、言ってはいけないことを言ってしまったりもする。
このバランスはとても難しくて、人々の酒ゆえの失敗はきっとなくならない。
命を落とすことだってあるのです。
 
自分の酒量を正しく知って、人に迷惑はかけない。
自分も楽しく、その場にいる人もみんな楽しく、
今日よかったね、また飲みたいねと言えるような飲み方をしたいですね。
飲み方についてあらためて考えようと思える作品です。
 
ところで私、主演のマッツ・ミケルセンがかなり好きなんです。
今後も楽しみ♪

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脱ステロイドのこと。

2021年09月16日 | ほぼ非映画(アトピー)
巷で脱ステロイドのことが話題になっていると昨日知りました。
“ザ!世界仰天ニュース”で脱ステを好意的に取り上げたせいで炎上しているとのこと。
先週だったか、友人からチラリとそのことは聞いたのですが、
まさか鶴瓶中居くんの番組だとは夢にも思わず。
エライことやってしもたんやなぁと苦笑いしてしまいました。
 
私はその番組を観ていないので、どんな取り上げられ方だったのかわかりません。
Yahoo!ニュースとコメントを見て想像するのみ。
ゴールデンタイムに安易(ではないのかもしれないけれど)に取り上げていいネタではないですよねぇ。
 
かくいう私が脱ステに挑んだのは2013年のことでした。
最初はステロイドを止めて、ワセリンで保湿していましたが、
快方に向かっているかのように見えてまた逆戻り。
これで「乾燥ガビガビ療法」なる方法を知り、脱保湿もすることに。
 
ここから私の地獄の戦いが始まります。
襲い来る痒みと痛み。それに耐えて耐えて耐え続ける毎日。
そりゃもう大げさではなく、死んだほうがマシだとすら思いました。
 
でも、ここまで耐えているのに、またステロイドに頼るのは嫌だ。
絶対に薬を塗るまい、保湿もするまいと自分に言い聞かせました。
手がほぼ治ったと思った後、首やお腹、脛に湿疹が出て、
掻き壊してぐちゃぐちゃになったこともあります。それでも何も塗らず。
結果、皮膚が鍛えられたのか、すべて放置で治りました。
この「放置する」「何もしない」ということが一番きついのですけれど。
 
完全に治ったと言えるまでには6年ほどかかったのではないでしょうか。
一昨年辺りまでは、たまに指から出血したりしていましたから。
脱ステ脱保湿を始めて以降、擦り傷、切り傷、虫刺され等にも何も塗りません。
虫に刺されて痒くてたまらないときは、かまわず掻きます。「ナマ掻き」は厳守(笑)。
でも治りがめちゃめちゃ早いです。跡もわりとすぐに消えます。
 
番組で脱ステロイドで完治したという人に取材していたのだとしたら、
それはやらせなどではない、本当に完治した人なのだと思います。
でも、この方法は人には決して薦められない。ものすごくつらいから。
それに、私の場合は顔に湿疹は出ていなかったから耐えられたのかもしれません。
もしも手と同じ症状が顔にも出ていたら、脱ステは断念していたと思います。
 
私の手の状態が最も酷かったとき、同僚が「そんな手になっているのに、
ご主人は家事を何も手伝ってくれないんですか。人でなし!」と、
私に代わって憤慨してくれたことがあります(笑)。
そうそう、ダンナは「可哀想やなぁ」と言うだけで、
炊事洗濯なんにもやってくれなかったけど、まぁそれでよい。
脱ステしていることに対してごちゃごちゃ言われるようなら無理でしょう。
家庭、職場、友人知人、みんなが理解して応援してくれる状況でなければ無理です。
 
もしも脱ステ脱保湿を検討していらっしゃる方がいれば、それは応援したいと思う。
ここに完治した者がおりますゆえ。
 
ほぼ完治にいたるまでの体験記についてはこちらにまとめています。
今でもカパッと上げて使っていることがよくあります。

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