マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
すべての写真、文は著作権がありますので無断転載はお断りします。

続、夜支布山口神社入り衆

2006年12月07日 22時04分04秒 | 奈良市(東部)へ
ガクニンは一人の鼓、三人の太鼓、編木を持つクサトリで構成されます。

侍烏帽子を被り、下り藤紋の浅黄色の素襖を身につけ襟に扇を挿して草履を履きます。

注目されるのは牛のハナガイ(ハナギとも)と呼ぶ藁を芯にして作られた三角の形をしたもの。

上部は紺色、下部は白紙で巻いたものに、紺と白の紙垂れを付けています。

廻り明神と前廻り明神であった笛吹きが並び、笛の合図で、太鼓役は太鼓を打ちながら、鼓と編木を持つ者の周囲を左に三回ぐるぐる回ります。

一周回る度に笛がヒューっと吹かれます。

クサトリ役はその間、中腰で編木を手前に向けて裏返し、手を左右に振って草を刈り取る所作をします。

三周すると笛をヒュヒュヒューと吹き止めの合図をします。

すると、クサトリ役はフワァーと声を掛けハナガイを外し、左に半回転して虫払いを行います。

田の草取り所作はこれを三回繰り返します。

同神社への出発前、頭屋宅の前庭で田の草取りのお披露目演技。

所作が見事に演じるられたガクニンに、拝見していた親類らは拍手喝さいです。

(H18.10.15 Kiss Digtal N撮影)

夜支布山口神社入り衆

2006年12月07日 21時59分08秒 | 奈良市(東部)へ
奈良市大柳生の夜支布山口神社は、巨岩を背後に控えた立磐神社が本来の神野宮で、山口神社は上出から移されたものといわれています。

宮本あるいは座衆と呼称されていましたが現在は宮座敬神講となり村座化されています。

垣内の男子は数え15歳になると宵宮日に頭屋や二十人衆の前で座入りが行われ座入帳に記載されます。

終身制の二十人衆のなかでも上位八人が八人衆と呼ばれ、いわゆる宮年寄り衆で同神社の年間祭祀を司り営みます。

この二十人衆のうち年長者から順に一年交替で頭屋となり、廻り明神と呼ばれる神霊を自宅に祀る習俗が続けられています。

この廻り明神の祭りにあたるのが10月の秋祭り。

親類一同が手伝いに集まり、朝から八人のガクニンと呼ばれる入り衆を呼んで、舟盛りなどの豪華な食事でもてなします。

食事を終えた入り衆は前廻り明神から指導されて「田の草取り(ガクウチとも呼称される)」と呼ばれる田楽舞の練習が始まります。

(H18.10.15 Kiss Digtal N撮影)