マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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手向山八幡宮御田植祭

2007年03月11日 07時36分31秒 | 奈良市へ
東大寺の鎮守さんとして崇められている手向山八幡宮。

豊作を祈願して節分の日に行なわれる御田植祭は中世にまで遡る歴史をもち、田主と地方との掛け合いがある能楽の形式をとる格調高い祭りです。

同神社には江戸時代後期の様子を描いた絵巻物が伝わり現代でもほとんど変わらずに続けられています。

昼前、御田植祭の一行は田に見立てた神社拝殿に向うお渡りから始まります。

到着すると社殿下で水口祭が行われます。

社殿までの通路を水路に見立てて両側に松とお札を立て、籾種と切り餅、大豆を並べ小さなシンバルのようなヒョウシ(チャンポンとも呼ばれる)と鼓を打ち水口を清めます。

そのあと拝殿で「お日柄が良いのでこれから鍬始めをする」と口上が始まり苗代田を耕す所作が行なわれます。

打ち出の小鼓とめでたい言葉で耕す所作。

耕した土から古酒の香りがぱぁーっとしたという米作りを言葉で締めくくります。

次に牛の面を頭に付けた牛童が登場します。

田主はカラスキを引いた牛を引き連れて所作をしながら拝殿を回ります。

牛はモウー、モウーと鳴き声をあげていきます。

続いて苗代田の種まきの所作。

豊作や福を呼ぶ「福種桶」を手に持って「福の種を撒こうよ」と謡い四方に籾種を撒きます。

そして田主が四方から早乙女を招きいれて口上を述べ、四人の早乙女は稲苗に見立てた松苗を供えます。

最期に田主は扇を取り出し能楽調の格調高い口上を詠みあげ田植祭を終えます。

儀式の後はお楽しみの福豆の授与。私も私もと福を授かる手が伸びていきます。

(H19. 2. 3 Kiss Digtal N撮影)