マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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南之庄国津神社結鎮

2007年03月18日 07時44分31秒 | 奈良市(旧都祁村)へ
奈良市都祁南之庄の国津神社では古くから連綿と継承されている結鎮祭が行われています。

国津神社の氏子が一座となり結鎮頭家は毎年各戸を順番に回ります。

早朝に頭家宅に集まった社宮守、古老、歓楽寺の住職によって結鎮祭典の弓矢や鬼的が作られていきます。

いも木の弓や御幣は柔らかい素材のコシアブラの木を使います。

皮を剥いだ丸木の両端と真ん中に切り込みを入れて墨で線を入れられたもので他所では見られない弓。

細縄を紡いで弦を張ると出来上がり。

め竹の矢は先に羽をはさんで七本作ります。

鬼的は柔らかい新芽の栗の木とめ竹で編み白紙をはりつけてオモテ面に「鬼」、ウラ面に「叶」と住職が墨書されます。

一方、頭家は洗米、塩、清酒、イワシ、小豆、ゴボウ等の神饌を作ります。

なかでもキョウ膳のメインといえる三角錐に模ったニギリメシとアズキメシは立派な形。

ゴボウはタワラ型の座布団、イワシは枡型に乗せてその前にめの箸を添えて御膳供物が出来上がり。

そして祭典後に行われるくじ引きのくじが作られます。

くじは友田町の都祁水分神社渡御祭礼の役目を決めるもので、禰宜、神輿担ぎ、鼻高、村号持ちと墨書されたコヨリ。

これらの作業は明治の始めに記載された「結鎮方法目録」に沿って作られていきます。

床の間に飾り終えると頭家、社宮守、古老、住職らの直会で祭りを予祝します。

午後、国津神社にある歳徳神社神殿に神饌や弓矢、鬼的、水口祭に供えられるクリの木を供えて結鎮祭典が始まります。

住職が結鎮祭文を奏上したのちお供えしたものをひとつずつ祈祷していきます。

そして、住職が矢を射ります。はじめに「ウシトラ」の方角へ。

続いて東西南北の各方角へ。

最後に恵方の方角置いた鬼的に目掛けて矢を射り邪気を祓います。

結鎮祭典を終えると参籠所に氏子らが集まり用意したくじを頭家が手に持ち、既に決まっている五人がそれぞれ引いていきます。

神輿担ぎがいちばん大変なんじゃといい、お年を召した人が引いた場合は総代長の権限で変更することもあるそうです。

(H19. 2.20 Kiss Digtal N撮影)