マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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笛吹神社御田植祭

2007年03月16日 08時26分20秒 | 葛城市へ
葛城市笛吹に鎮座する葛木坐火雷(かつらきにいますほのいかづち)神社は正式名よりも通称笛吹神社で親しまれています。

11日の午後、農業が始まる前に大字氏子らが神社に集まります。

社務所で着装された二人の田男と牛役は地区の方が年回りで交替されます。

御田植祭事に先立って宮司、氏子ら全員が並び記念撮影したのち、宮司を先頭に田男と牛が揃って拝殿まで渡御。

着座されると参拝者が見守るなか厳粛に祈年祭神事が執り行われます。

最前列に腰掛けた御田植祭主役の牛は神妙に祝詞を聞いています。

神事を終えると前日に作られた紅白のモチは餅撒き場へ移動し、タネが膨らんでいる杉苗は四方竹で囲み田に見立てた下の境内に運びこまれ、御田植祭主役の田男と牛役がやってきます。

宮司による祓え、祝詞奏上、切麻(きりぬさ)で田が清められるといよいよ御田植祭が始まります。

まずは田男が「ふろ鍬」と呼ばれる先端の部分を黒く塗った木製の鍬を使い土地を耕す仕草をします。

続いて後ろから牛を操り馬鍬(マンガン)を引いて土を細かく砕き田を耕す作業を演じます。

そのあと田男が鋤で畦を整えています。

最後に宮司と田男が稲苗に見立てた杉葉の苗を植えて終わります。

杉苗は実が多く着いたものほど豊作といわれているので四方竹を外す前から訪れた参拝者らは争って拾います。

一連の祭事を終えると紅白餅の裏に印があれば景品と交換できるというオマケつきの趣向の御供モチ撒きが行われます。

餅を拾う氏子の中を牛が暴れ回るのですが、大役を終えた牛男は気をつけないと蹴飛ばしそうだったと汗をぬぐう。

(H19. 2.11 Kiss Digtal N撮影)