マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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上吐田のとんど組み

2013年05月25日 08時52分22秒 | 川西町へ
川西町の上吐田でとんどが行われる15日。

前日は宮十人衆や五人衆が集まって公民館の公園でとんど組みをする。

吐田地区の竹林に出かけて伐採してきた竹は数台の車に積み込んで運んだ。

氏神さんの春日神社に飾っていた門松なども焼き納める。

地区住民たちも家で飾った正月の注連縄を持ってくる。

春日神社の行事を執行するのは春日講の人たち。

宮十人衆と五人衆である。

とんども年中行事に含まれていることから講中のトーヤが施主。

マツリも勤めるトーヤである。

春日神社の年中行事には3月の春祭り、9月の八朔や秋のマツリ、新嘗祭などがある。

行事を主に勤めるのが宮十人衆で、五人衆はモチ搗きや注連縄作りをする手伝いの役目だという。

講中は終身制。

宮十人衆の上には寺十人と呼ばれる長老たちがいるそうだ。

亡くなるとか身体の不都合で引退宣言を認められて欠員が生じたときに宮十人衆。

五人衆が繰りあがる。

宮十人衆の最長老は講長、二番手を副講長と呼ぶ。

一般的に一老、二老と呼ばれている宮座があるが、上吐田では春日講と組織であるゆえ講長の呼称である。

とんど組みは5本から7本ぐらいに束ねた青竹を心棒にして土台を作る。

針金で強く縛って緩まないようにする。

それを数人がかりでとんどの場に足を広げる。

さらに固定して倒れないようにする。

内部に神さんに奉った注連縄や門松飾りを入れる。

心棒の周りに枯れた竹を斜めに立て掛ける。

高さは5m以上にもなったとんど組み。

歪んでいるかも知れないと全体を俯瞰して視るカントク。

こっちやあっちに竹挿しを指図する。

竹は上下を逆にして挿し込むように入れていく。

葉付きの笹竹も同じように逆さに入れる。

こうすれば枝が食い込んで落ちない。

工夫を凝らした竹挿しだ。

ほぼ出来上がりに近づけば崩れないように周り全体を針金で縛る。

およそ1時間でとんど組みを終えた講中。

明日は雨になるやもしれないからと藁束を置くことは止めにした。

かつてのとんど場は春日神社境内であった。

協議されて吐田北を流れる大和川の堰堤に移した時期もあった。

ところが西風に煽られて危険な状態になった。

そのようなことがあった上吐田のとんど場は公民館の公園に移した。

ここであれば風があっても大丈夫だと云うが強風が吹き荒れる日となれ順延するそうだ。

ただし、その場合は「赤口」までに執行すると話す。

(H25. 2.14 SB932SH撮影)