マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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初成り御供のモロッコインゲン

2017年01月24日 09時26分04秒 | 民俗あれこれ(初成編)
廃屋になっていた農小屋を撮っていたときのことだ。

下から軽トラが登ってきた。

地蔵堂下の三叉路でUターンを仕掛けたドライバーさんはほっかむりをしていた老婦人。

切り返す度に「危ない」と思わず声が出てしまう。

バック運転が心もとない。

困っている人をそのままにしてけば崖下に落ちる可能性があると思って誘導する。

ハンドルきってアクセル。

バックもこうしてハンドルきりをすると伝える。

何度も、何度も前進、後進切り返し。

なんとか切り抜けた軽トラに積んでいたインゲンマメが気になった。

停車した処はご婦人が住まいする家。

若いもんと同居生活をしているそうだ。

昭和11年生まれのN婦人はいつも畑にでるようだ。

気になったのは収穫されたインゲンマメである。

先ほど拝見した地蔵堂境内に建つ庚申さんにお供えがあった。

それがインゲンマメだったのだ。

もしかとして、と思って声をかけたらNさんが供えたものだった。

インゲンマメはモロッコインゲン。

最近は市場によくでるようになっているらしい。

フライパンで炒めて玉子とじしたらとても美味しいという。

どっさりあるから持って帰りと云われて袋詰めしてくれた。



さらに伺った庚申さんにお供え。

前月の6月12日に訪れたときにもお供えがあった。

それは万願寺トウガラシだった。

お聞きした結果は、それもNさんが供えたもの。

栽培した野菜の初成りにはいつもこうして庚申さんに備えているという。

初穂で稔りの稲穂になるが、婦人が供える野菜の初成りも初穂の在り方。

収穫に感謝して農の神さんに初穂をするということだ。

できれば初穂の姿を撮りたいがいつになるやらわからない豊作を願う在り方に感動した日であった。

(H28. 7.10 EOS40D撮影)