マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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第四回入江泰吉記念写真賞受賞作 紡ぎ音から

2023年02月14日 07時24分04秒 | しゃしん
第四回ならPHOTOCONTEST受賞作品展がはじまった。

会場は、入江泰吉記念奈良市写真美術館。

見たい作品は、知人の小豆澤ヒロさんがとらえた新薬師寺に、毎年行われている3枚組の「おたいまつ」情景。

なるほどの作品に感服。

その勢いもあってか、入場した第四回入江泰吉記念写真賞作品「紡ぎ音(※つむぎね)」」に見惚れる。

作者は、岩波友紀氏。

前日にトークがあったようだが、私は「第23回こおりやま歴史フォーラム-町家礼讃-古民家および歴史的町並みの保存と活用を巡って」の講演会場に居た。

ご本人の生の声を聴きたかったが・・・

奈良市がアップした記事

自己紹介に「がれきが散乱している町の中を、山車を動かす人たち。その姿に神聖なものまで感じ心を動かされた反面、身内を亡くし、 家を失い、生活もままならないときに、どうして“祭り”をするのだろうかという疑問が湧きあがった。“復興”を目指して頑張る姿。
そんな簡単なヒロイズムだけでは片付けられないものがあるのではないだろうか。その奥にあるものを、知りたくなった。(作品ステートメントより抜粋)」と、ある。

第四回入江泰吉記念写真賞作品は、編集されて一冊の本になった。

福島県猪苗代町に移住し、撮り続けた7年間

総数81枚の作品点数がものをいう。

多くの情景に、どれもこれも圧倒される。

写真の一部が一般公開されているが、全体像は見えない。

一枚、一枚丁寧に拝見させてもらった「紡ぎ音(※つむぎね)」。

モノクロであるが、写真展資料は、今も大切に残している。



撮影地は、岩手県、宮城県、福島県。

甚大な被害を受けた東日本大震災地域である。

センセーショナルな映像を、どう感じるか。

その当時を、どう思い起こすのか。

今の表情もとらえておくのも写真家の意義ではないだろうか。

祭りに限らず、日々の暮らしに生きてきたすべてが民俗。

そういう見地からみれば、その後も撮り続けるのも使命ではないだろうか。

氏は、拠点を福島県に移し、その後の記録も後世に伝える役目を担っているのだろう。

手元に写真展会場でいただいた資料がある。

「撮影した祭礼、民俗芸能」を記した撮影地マップから、拾っておく。

岩手県は、普代村(1祭礼)、田野畑村(1祭礼)、山田町(7祭礼)、大槌町(9祭礼)、釜石市(7祭礼)、大船渡市(10祭礼)、陸前高田市(4祭礼)。

宮城県は、気仙沼市(5祭礼)、南三陸町(7祭礼)、女川町(2祭礼)、石巻市(12祭礼)、東松島市(2祭礼)。

福島県は相馬市(4祭礼)、南相馬市(6祭礼)、浪江町(5祭礼)、飯館市(2祭礼)、双葉町(5祭礼)、大熊町(1祭礼)、富岡町(2祭礼)、葛尾市(1祭礼)、川内村(4祭礼)、いわき市(9祭礼)である。

実弟次男が住んでいる町がある。

ある年、次男家を訪ね、周辺の有名観光地も拝見。

名所旧跡に美味しい食事を味わった宮城県。

奈良県葛城に奉納された鬼剣舞取材から20年来のお付き合いしている知人が住む岩手県大船渡の町もある。

大方、50年以上も前に訪れた相馬の馬追い。

中学生時代の同級生とともに大型フェリー・レンタルカーを利用してやってきた福島県。

いわき市に転勤されたカメラのキタムラ奈良南店の副店長。

また、コロナ禍になってから我が家の食卓を豊にしてくれる漁業の町々もある。

撮影地をこうしてみると、地域の情景が走馬灯のように浮かんでくる。

(R3. 2.21 SB805SH撮影)