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4月は初年度野遊び自然観察会の第一回目。
例年とおりの観察コースは県立大和民俗公園から矢田丘陵の里山を散策する。
この日に参加した親子さんは1組。
平成18年度よりボランティア団体を組織化してスタートした野遊びサポート。
それまでは大和郡山市立少年自然の家事業で行っていた。
専属の先生が退職されることになりボランティア団体を設立して再スタートした。
初回に参加する親子は多い。
例年そうだが今年は極端に少ない。
参加された1組はM家。
一番下の子供は赤ちゃんだったころからずっと参加している。
何年か経つうちに逞しくなった。
スタッフは15人。
参加者よりも数倍多い。
なんとなく下見会のようだと皆が云う。
これまでの出欠受付は少年自然の家ロビーで行っていたが、今年度より指定管理者制度で民間に委託されて名称は里山の駅風とんぼになった。
市外の人にも利用できるようなったが、料金体系は市内・市外に区分け。
若干の差があるが格安で利用できる。
利用者に迷惑をかけるわけにもいかないので駐車場に集合することにした。
春に必ず咲き具合を確かめる花がある。
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ウワミズザクラだ。
花が咲いたときのウワミズザクラはカシワモチの香がする。
この日までは天候不順。
寒い日が続いたせいなのか蕾ふくらむ状況であった。
枯れかけの樹木にキクラゲがあった。
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ここは奈良県立大和民俗公園。
初回の一歩は西入口から入る。
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園内のツツジが咲き始めていた。
園外から聞こえてくるカエルの声。
主はシュレーゲルアオガエルだ。
この声を聴くころは田作りが忙しくなる。
樹木下で観察する花はいろいろある。
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目についた黄色い花はヘビイチゴ。
拡大したら小さな虫がいた。
オシベ・メシベの蜜を探していると思われる虫であるが名前は知らない。
樹上で鳴いている野鳥。
ニュウナイスズメにシジュウカラ。
ウグイスやコゲラの声も聞こえる。
コゲラは目と鼻の先で動き回っていた。
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この場で咲いていた桜はカスミザクラ。
花つきは例年と同じように思える。
今回より孫さんを連れてきた野鳥専門の先生。
久しぶりにお顔を拝見する。
「今日は一般参加」だと云われるがそうならないところが先生である。
こっちにウワミズザクラが咲いていると教えてくださる。
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駐車場のウワミズザクラはまだ蕾ふくらむだが、ここではほぼ満開。
気持ちよさそうに羽根を広げるように咲いていた。
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この場の向こう側にもカスミザクラが咲いていた。
若葉とともに咲く桜は乙女のように見える可愛さだ。
コバノミツバツツジも咲いていたが、先行する観察者はいち早く茅葺屋根の旧八重川家・旧岩本家に向かっていたので追いかける。
シジュウカラに混じってエナガも飛び交う。
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旧家屋外に咲いていた白い花はシロヤマブキ。
葉っぱはヤマブキだが花色が白の4枚花弁。
一般的なヤマブキは5枚花弁である。
自生地は限られているようで絶滅危惧種に挙げられている。
シロヤマブキは秋に実をつける。
春ともなれば真っ黒になった実。
ポロポロと毀れる。
秋にタネを植えておけば芽がよく出るらしい。
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旧八重川家の壁に唐箕がある。
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ドウダンツツジの背景に写し込んだ。
隣の旧岩本家には竃がある。
毎日ではないと思うが火をくべて動態保存をしている。
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顔馴染みの職員さんの作業を撮らせてもらった旧岩本家。
屋内より眺める透けた障子の佇まい。
宇陀・東山集落のモノトーンが美しい。
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ここより少し歩けば吉野集落の旧前坊家が建つ。
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直線的な旧家を入れて散り始めのサクラを配置した。
旧木村家の床下にはアリジゴクがいる。
すり鉢状の地獄が何個もある。
先生の孫さんは興味をもったようだ。
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木村家には懐かしい足踏みのカラウスがある。
藁製の蓑(みの)も架けていた。
竹で編んだ帽子は三度笠だろう。
観察というよりも旧家佇まいの撮影ばかりしていた。
旧前坊家を離れたところに桜の花が咲いている。
宝くじ協会が寄贈された枝垂桜が咲き誇る。
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そのなかに色合いが異なる桜が咲いていた。
白っぽいだがそうでもない。
薄い緑色染まる八重桜が判るだろうか。
八重桜はオシベが変化したものだと先生は話す。
この桜の名は御衣黄(ぎょいこう)。
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南入口から入ったところに町屋集落がある。
旧鹿沼家横にもあれば、旧臼井家の裏にも1本の御衣黄がある。
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どちらかと云えば旧前坊家横にある御衣黄のほうが美しいように思えたのでいろんな角度からとらえてみた。
ベニシジミを発見した子供たち。
駆け寄ってそろりそろりと捕虫網で採取した。
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「お兄ちゃん、優しくしてね」と肩を寄せる妹。
観察したら逃がしてあげる。
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しばらく歩けば純正のスミレが咲いていた。
その近くでシロバナカラスノエンドウを探してみる。
場はメタセコイヤがあるところだ。
この樹の下にいっぱいあったシロバナカラスノエンドウが見つからない。
数年前に見かけたがそのときは僅かにあった。
それより以前はもっと多かった。
消滅したのだろうかと先生方とともに探してみたら見つかった。
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一つ見つかれば付近に数本のシロバナカラスノエンドウが見つかった。
突然変異で白くなったシロバナカラスノエンドウは多年生でなく、タネを飛ばして子孫を残す。
タネの飛ぶ方向は西へ西へと移動していたのだ。
大和民俗公園の北入口に出くわすエイリアン。
エイリアンが誕生し、開いた口のように見える。
これは何だ。
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トベラの実が弾けてそう見えた。
公園を抜けて田園を歩く。
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農作業をしていた男性Tさんが真新しい農業機械を見せてくださった。
Tさんが住まいする地区は東村。
正月初めに行われるツナウチを取材させていただいたことがある。
Tさんが説明してくださった畦塗り機械はトラクターに接続したものだ。
ヤンマー、クボタ、ヰセキ、三菱などの農機具メーカー製ではなくサードメーカーの小橋工業製。
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機械の名前はその名もずばりの「あぜぬり機」。
製品名は「ダイナーリバース」である。
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回転する耕うん爪が畑土を起こしながら回転する円盤と軸で畦を成形する機械だと話してくれた。
体力は要るし、時間もかかる畦塗りが「ラクラクできるようになったらもう戻れないという。年寄りには最適な道具になるだろう」と話していた。
小橋工業以外にニプロやササキが同様の「あぜぬり機」など多種多様の農業機械を製造している。
今後はこのような機械化が各地に広まっていくであろう。
ここら辺りはイノシシが出没する。
土の中にあるタケノコを見つけて食べるイノシシ。
掘り起こすのはいちばん美味しい時期を狙って掘り起こす。
イノシシは「高級嗜好や」と話していた。
いつもの場所を通り過ぎて大和田に抜ける道を行く。
下見に拝見したオオタカは見られなかったがカワセミの鳴き声が聞こえたと先導者が伝える。
姿は見られないがどうやら小さな池にいたようだ。
すぐ傍は電機製品などガラクタ廃棄物が捨てられている。
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何年も前からこのような状況であるが、向こう側の切り立った崖地にカワセミの巣があるとH先生が指をさした。
双眼鏡で覗いてみるが見つからない小さな円状の巣穴。
長い嘴で突いて穴を開ける。
穴の長さは1mぐらいになると話す。
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ニュウナイスズメがざわめく春の季節。
カワラヒワは飛んでいる。
ホオジロやモズ、ウグイスが盛んに囀っていた。
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原野で飛び交うトノボを採取する子供たち。
そっと近づいて捕虫網で捕ったトンボは3月ころから出現するシオヤトンボだった。
緩やかな田園を歩いていく。
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全面ではないが畦道などに天に向かって咲くレンゲがあった。
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この付近はアリアケスミレが咲いている。
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わずかであるが真正のセミレも咲いていた。
少し早いがここら辺りで昼食を摂る。
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シートを広げて腰を落とす。
長閑な田園を見ながら食べるこの日の昼食はカップラーメン。
以前も食べたことのあるエースコックのスーパーカップ1.5倍・濃コクとんこつのカドメン。
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ボトルに入れていたお湯を注いで3分間待つ。
とんこつの香が鼻につく。
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食欲をそそる香りに釣られて麺をもちあげる。
ガッツリいただくカドメンは噛み応えがいい。
食感は好きなほうだ。
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その場にはヒメスミレも咲いていた。
真下の田はレンゲ畑。
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春を感じながらラーメンをすする。
食事を済ませた子供たちは走っていく。
何かを見つけたようだが腰は動かない。
座り込んだら立ち上がるのもおっくうになる春日和。
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のっそり腰を上げて戻りの工程。
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小花の黄色い花が咲いていた。
サルトリイバラの花芽だ。
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田園を下ったら白い花が咲いていた。
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それはナシの花。
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実をつける時期は観察会外れ。
未だに見たことがないが、持ち主は存知している東村住民のNさん。
ここは「コグチ」とも呼ぶ「コグリ」の地。
「コグチ」を充てる漢字は「虎口」。
木戸があったという「コグチ」の地には川があった。
上流の池から流れる川であった。
その川は今でも流れているが道の下。
山を崩して新道を造った。
この地は大阪枚岡に抜ける道で、暗峠(くらがりとうげ)に続いていた。
向こう側が見えない山を縫うようにあった細い道であった。
山は切り取られて開放された。
道筋はぐるりとえぐる状況になし、見通しがよくなったが道の様子はよく判る。
ナシが咲く上は小高い山。
そこから敵が来るのを監視していた戦略上の要地。
郡山城下町に敵が寄せてくるのを視ていたと話していたことを思い出す。
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その付近にはタチツボスミレが咲いていた。
さらに下った花後のミズナ畑。
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そこにシロチョウが群がるように飛んでいた。
留まることもせずに飛び回るシロチョウは七匹。
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一列になることもある。
メスを追いかけるオスチョウ軍団のように思えた。
ここからは村から矢田坐久志玉比古神社へ向かう畑道の参道を抜けて集落にたどり着く。
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薹立する菜の花の向こう側には蔵が見える。
前ボケした菜の花の向こう側が美しい土蔵。
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逆も撮らせてもらった。
子供たちは菜の花に群がる目当ての昆虫を捕虫網で捕っていた。
さらに下った民家にモクレンが咲いていた。
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淡いクリーム色の黄モクレンは交配種。
いろんな品種があるようだ。
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このころに小粒の花を咲かせるアオキ。
四つの白はオシベ。
これで見分けるアオキは雌雄別株。
雌花はこの場になかった。
観察を終えた4時間後。
出発地の里山の駅<風とんぼ>に戻ってきた。
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すぐ傍の田はレンゲが一面に咲いていた。
おそらく休耕田に替えたのであろう。
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イノシシに荒らされないように柵を設置している。
柵に入ることはできないが、昆虫捕りに夢中な子供たちは虫を追いかけるかのように土手を走り回っていた。
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遠くから聞こえてきたキジの鳴き声。
毎年、この場から聞こえる鳴き声だ。
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今では当地の住民のように思える野の鳥であるキジ。
キジも鳴かずば・・・営巣地はそっとしておいてほしい。
(H27. 4.12 EOS40D撮影)
例年とおりの観察コースは県立大和民俗公園から矢田丘陵の里山を散策する。
この日に参加した親子さんは1組。
平成18年度よりボランティア団体を組織化してスタートした野遊びサポート。
それまでは大和郡山市立少年自然の家事業で行っていた。
専属の先生が退職されることになりボランティア団体を設立して再スタートした。
初回に参加する親子は多い。
例年そうだが今年は極端に少ない。
参加された1組はM家。
一番下の子供は赤ちゃんだったころからずっと参加している。
何年か経つうちに逞しくなった。
スタッフは15人。
参加者よりも数倍多い。
なんとなく下見会のようだと皆が云う。
これまでの出欠受付は少年自然の家ロビーで行っていたが、今年度より指定管理者制度で民間に委託されて名称は里山の駅風とんぼになった。
市外の人にも利用できるようなったが、料金体系は市内・市外に区分け。
若干の差があるが格安で利用できる。
利用者に迷惑をかけるわけにもいかないので駐車場に集合することにした。
春に必ず咲き具合を確かめる花がある。
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ウワミズザクラだ。
花が咲いたときのウワミズザクラはカシワモチの香がする。
この日までは天候不順。
寒い日が続いたせいなのか蕾ふくらむ状況であった。
枯れかけの樹木にキクラゲがあった。
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ここは奈良県立大和民俗公園。
初回の一歩は西入口から入る。
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園内のツツジが咲き始めていた。
園外から聞こえてくるカエルの声。
主はシュレーゲルアオガエルだ。
この声を聴くころは田作りが忙しくなる。
樹木下で観察する花はいろいろある。
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目についた黄色い花はヘビイチゴ。
拡大したら小さな虫がいた。
オシベ・メシベの蜜を探していると思われる虫であるが名前は知らない。
樹上で鳴いている野鳥。
ニュウナイスズメにシジュウカラ。
ウグイスやコゲラの声も聞こえる。
コゲラは目と鼻の先で動き回っていた。
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この場で咲いていた桜はカスミザクラ。
花つきは例年と同じように思える。
今回より孫さんを連れてきた野鳥専門の先生。
久しぶりにお顔を拝見する。
「今日は一般参加」だと云われるがそうならないところが先生である。
こっちにウワミズザクラが咲いていると教えてくださる。
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駐車場のウワミズザクラはまだ蕾ふくらむだが、ここではほぼ満開。
気持ちよさそうに羽根を広げるように咲いていた。
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この場の向こう側にもカスミザクラが咲いていた。
若葉とともに咲く桜は乙女のように見える可愛さだ。
コバノミツバツツジも咲いていたが、先行する観察者はいち早く茅葺屋根の旧八重川家・旧岩本家に向かっていたので追いかける。
シジュウカラに混じってエナガも飛び交う。
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旧家屋外に咲いていた白い花はシロヤマブキ。
葉っぱはヤマブキだが花色が白の4枚花弁。
一般的なヤマブキは5枚花弁である。
自生地は限られているようで絶滅危惧種に挙げられている。
シロヤマブキは秋に実をつける。
春ともなれば真っ黒になった実。
ポロポロと毀れる。
秋にタネを植えておけば芽がよく出るらしい。
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旧八重川家の壁に唐箕がある。
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ドウダンツツジの背景に写し込んだ。
隣の旧岩本家には竃がある。
毎日ではないと思うが火をくべて動態保存をしている。
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顔馴染みの職員さんの作業を撮らせてもらった旧岩本家。
屋内より眺める透けた障子の佇まい。
宇陀・東山集落のモノトーンが美しい。
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ここより少し歩けば吉野集落の旧前坊家が建つ。
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直線的な旧家を入れて散り始めのサクラを配置した。
旧木村家の床下にはアリジゴクがいる。
すり鉢状の地獄が何個もある。
先生の孫さんは興味をもったようだ。
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木村家には懐かしい足踏みのカラウスがある。
藁製の蓑(みの)も架けていた。
竹で編んだ帽子は三度笠だろう。
観察というよりも旧家佇まいの撮影ばかりしていた。
旧前坊家を離れたところに桜の花が咲いている。
宝くじ協会が寄贈された枝垂桜が咲き誇る。
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そのなかに色合いが異なる桜が咲いていた。
白っぽいだがそうでもない。
薄い緑色染まる八重桜が判るだろうか。
八重桜はオシベが変化したものだと先生は話す。
この桜の名は御衣黄(ぎょいこう)。
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南入口から入ったところに町屋集落がある。
旧鹿沼家横にもあれば、旧臼井家の裏にも1本の御衣黄がある。
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どちらかと云えば旧前坊家横にある御衣黄のほうが美しいように思えたのでいろんな角度からとらえてみた。
ベニシジミを発見した子供たち。
駆け寄ってそろりそろりと捕虫網で採取した。
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「お兄ちゃん、優しくしてね」と肩を寄せる妹。
観察したら逃がしてあげる。
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しばらく歩けば純正のスミレが咲いていた。
その近くでシロバナカラスノエンドウを探してみる。
場はメタセコイヤがあるところだ。
この樹の下にいっぱいあったシロバナカラスノエンドウが見つからない。
数年前に見かけたがそのときは僅かにあった。
それより以前はもっと多かった。
消滅したのだろうかと先生方とともに探してみたら見つかった。
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一つ見つかれば付近に数本のシロバナカラスノエンドウが見つかった。
突然変異で白くなったシロバナカラスノエンドウは多年生でなく、タネを飛ばして子孫を残す。
タネの飛ぶ方向は西へ西へと移動していたのだ。
大和民俗公園の北入口に出くわすエイリアン。
エイリアンが誕生し、開いた口のように見える。
これは何だ。
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トベラの実が弾けてそう見えた。
公園を抜けて田園を歩く。
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農作業をしていた男性Tさんが真新しい農業機械を見せてくださった。
Tさんが住まいする地区は東村。
正月初めに行われるツナウチを取材させていただいたことがある。
Tさんが説明してくださった畦塗り機械はトラクターに接続したものだ。
ヤンマー、クボタ、ヰセキ、三菱などの農機具メーカー製ではなくサードメーカーの小橋工業製。
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機械の名前はその名もずばりの「あぜぬり機」。
製品名は「ダイナーリバース」である。
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回転する耕うん爪が畑土を起こしながら回転する円盤と軸で畦を成形する機械だと話してくれた。
体力は要るし、時間もかかる畦塗りが「ラクラクできるようになったらもう戻れないという。年寄りには最適な道具になるだろう」と話していた。
小橋工業以外にニプロやササキが同様の「あぜぬり機」など多種多様の農業機械を製造している。
今後はこのような機械化が各地に広まっていくであろう。
ここら辺りはイノシシが出没する。
土の中にあるタケノコを見つけて食べるイノシシ。
掘り起こすのはいちばん美味しい時期を狙って掘り起こす。
イノシシは「高級嗜好や」と話していた。
いつもの場所を通り過ぎて大和田に抜ける道を行く。
下見に拝見したオオタカは見られなかったがカワセミの鳴き声が聞こえたと先導者が伝える。
姿は見られないがどうやら小さな池にいたようだ。
すぐ傍は電機製品などガラクタ廃棄物が捨てられている。
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何年も前からこのような状況であるが、向こう側の切り立った崖地にカワセミの巣があるとH先生が指をさした。
双眼鏡で覗いてみるが見つからない小さな円状の巣穴。
長い嘴で突いて穴を開ける。
穴の長さは1mぐらいになると話す。
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ニュウナイスズメがざわめく春の季節。
カワラヒワは飛んでいる。
ホオジロやモズ、ウグイスが盛んに囀っていた。
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原野で飛び交うトノボを採取する子供たち。
そっと近づいて捕虫網で捕ったトンボは3月ころから出現するシオヤトンボだった。
緩やかな田園を歩いていく。
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全面ではないが畦道などに天に向かって咲くレンゲがあった。
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この付近はアリアケスミレが咲いている。
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わずかであるが真正のセミレも咲いていた。
少し早いがここら辺りで昼食を摂る。
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シートを広げて腰を落とす。
長閑な田園を見ながら食べるこの日の昼食はカップラーメン。
以前も食べたことのあるエースコックのスーパーカップ1.5倍・濃コクとんこつのカドメン。
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ボトルに入れていたお湯を注いで3分間待つ。
とんこつの香が鼻につく。
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食欲をそそる香りに釣られて麺をもちあげる。
ガッツリいただくカドメンは噛み応えがいい。
食感は好きなほうだ。
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その場にはヒメスミレも咲いていた。
真下の田はレンゲ畑。
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春を感じながらラーメンをすする。
食事を済ませた子供たちは走っていく。
何かを見つけたようだが腰は動かない。
座り込んだら立ち上がるのもおっくうになる春日和。
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のっそり腰を上げて戻りの工程。
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小花の黄色い花が咲いていた。
サルトリイバラの花芽だ。
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田園を下ったら白い花が咲いていた。
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それはナシの花。
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実をつける時期は観察会外れ。
未だに見たことがないが、持ち主は存知している東村住民のNさん。
ここは「コグチ」とも呼ぶ「コグリ」の地。
「コグチ」を充てる漢字は「虎口」。
木戸があったという「コグチ」の地には川があった。
上流の池から流れる川であった。
その川は今でも流れているが道の下。
山を崩して新道を造った。
この地は大阪枚岡に抜ける道で、暗峠(くらがりとうげ)に続いていた。
向こう側が見えない山を縫うようにあった細い道であった。
山は切り取られて開放された。
道筋はぐるりとえぐる状況になし、見通しがよくなったが道の様子はよく判る。
ナシが咲く上は小高い山。
そこから敵が来るのを監視していた戦略上の要地。
郡山城下町に敵が寄せてくるのを視ていたと話していたことを思い出す。
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その付近にはタチツボスミレが咲いていた。
さらに下った花後のミズナ畑。
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そこにシロチョウが群がるように飛んでいた。
留まることもせずに飛び回るシロチョウは七匹。
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一列になることもある。
メスを追いかけるオスチョウ軍団のように思えた。
ここからは村から矢田坐久志玉比古神社へ向かう畑道の参道を抜けて集落にたどり着く。
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薹立する菜の花の向こう側には蔵が見える。
前ボケした菜の花の向こう側が美しい土蔵。
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逆も撮らせてもらった。
子供たちは菜の花に群がる目当ての昆虫を捕虫網で捕っていた。
さらに下った民家にモクレンが咲いていた。
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淡いクリーム色の黄モクレンは交配種。
いろんな品種があるようだ。
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このころに小粒の花を咲かせるアオキ。
四つの白はオシベ。
これで見分けるアオキは雌雄別株。
雌花はこの場になかった。
観察を終えた4時間後。
出発地の里山の駅<風とんぼ>に戻ってきた。
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すぐ傍の田はレンゲが一面に咲いていた。
おそらく休耕田に替えたのであろう。
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イノシシに荒らされないように柵を設置している。
柵に入ることはできないが、昆虫捕りに夢中な子供たちは虫を追いかけるかのように土手を走り回っていた。
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遠くから聞こえてきたキジの鳴き声。
毎年、この場から聞こえる鳴き声だ。
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今では当地の住民のように思える野の鳥であるキジ。
キジも鳴かずば・・・営巣地はそっとしておいてほしい。
(H27. 4.12 EOS40D撮影)