Terje Geweltのクリスチャン・ジェイコブとのデュエット3部作はとても評判がよく2人を凄い人気ものにした感がありますが、内容も伴っていますから不思議ではありません。
エンリコ・ピエラヌンツェとはずいぶんと凄いパートナーを選んでいるので、このアルバムが出ることを知ってときはかなり驚きました。RESONANT MUCICのDag Arnesenトリオとかで儲けたものをつぎ込んで、望むトリオ・ユニットを作った感じです。
共演暦もあり、きっとアルバム作りたかったのでしょう、とても心のこもったアルバムです。
ショップにはあることがわかっていながら、いけない日が続いていて感想も聞くととても聴きたくなりました。
今年2回目のショップでやっと手に入れました。
1曲目、意外とおとなしくはじまるテーマ、すぐにベースのソロになるあたり、Terjeのアルバムなのです。しかしその中から湧き上がるようなピエラヌンツェのソロがすばらしい。この曲、ピエラヌンツェの作曲で、Geweltにすばらしプレゼントのように思います。
次の曲がタイトル曲の“Oslo”で落ち着いたトラデショナアルな響き、これがピエラヌンツェのピアノと演りたいGeweltじゃないでしょうか。
ひとつひとつ、今日したことをたどる余裕があるような、ひとつひとつが大切な人のためになっているかを確かめるような演奏で、Geweltになってきました。
3曲目、Geweletが熱演していてピエラヌンツィの懐を借りるところはありますが、普段以上のがんばり、ドラムスのKjellbergが的を得たようなタイムキープです。
4曲目ゆったりしたテーマで一気に夜のイメージ、とてもいい感じの出だしです。
シングルトーンを強調したピエラヌンツィのソロは落ち着いた雰囲気を作ります。
6曲目、ピエラヌンツィのクラシカルなテーマ、ひとつのテーマに聴く人はどう反応しますかと問いかけるような展開、このようなことがプロのミュージシャンの思いでしょか、このごろ特に思いますが、演奏しているJAZZメンはこちらがどのように感じているかを気にしていること、そして感想はとてもいいアドバイスだということです。
この曲とは離れてしまいましたが、そんなことを考えさせる演奏です。
7曲目ラース・ヤンソンに通じるようなハーモニー、曲としては小品の感じが続きますが、そこが人肌のようなぬくもりを感じます。
8曲目ベースのソロで始り、ピエラヌンツィのピアノが鳴った途端にその違いというかピエラヌンツィの凄さが浮き彫りになります。
3曲続く組曲小品は真ん中の10曲目がとても美しい。
オスロで録音された、Terje Geweltらしい優しさと、ピエエラヌンツェのGeweltに寄り添いながらも彼らしい品格、シュベリの驚くほどの心配り、3人の音楽がまとまったぬくもりが心地よいアルバムでした。
OSLO / TERJE GEWELT
Terje Gewelt(b)
Enrico Pieranunzi(p)
Anders Kjellberg(ds)
1.Blue Waltz
2.Oslo
3.Playtime
4.North Prospect
5.World of Wonders
6.Suspension Points
7.Small Country
8.Snowlake
9.Trio Suite Part 1
10.Trio Suite Part 2
11.Trio Suite Part 3
12.Homecomig