
このアルバムを買ったのは随分前になります。そしてもちろんピエラヌンティの魅力という意味ではとても楽しんだのですが、なかなか記事にはできませんでした。
記事を書いたのが2月ごろで、それでもなぜかしっくりこないで、下書きの状態で取ってありました。もはや引き出しの奥の使いかけのエンピツみたいに、触らない状態になってしまいました。
タイミングが狂ってしまった一枚です。ところで、このアルバム自体、どうもタイミングが狂っているようで、そこが気持ちよいUPにもつながりませんでした。(言い訳ですが)
ここで表現されている音楽が、ピエラヌンティの音楽だと思いながら、なぜいまさらながら2004年の演奏がと思ってしまいます。
そうなると、このアルバムの硬質な響きも、マーク・ジョンソンやジョイ・バロンのドラムスがこれまでに比べても素晴らしいと思っても素直に喜べません。
ピエラヌンツィのこの音、ここでは2004年の物であるのです。
JAZZの演奏は、極上の物でありながらも、はかなくも、次から次へと消えていくものです。
CDアルバムはそれを一葉に残してくれたものとして、その一葉を美しく大切なものと思っています。
そして、その一葉を残すことにある寂しさも感じるのです。
このピエラヌンツィの演奏が素晴らしいとは素直に思うのですが、今それを大きく喜びと感じるかというとそうでもないのです。
今、あふれ出たフレーズを聴いて、そのプレーヤーに触れるのがJAZZ聴きの本意でありましょう。
ピエレヌンツィを感じるであれば、今のときをはずさず出して欲しかったと思います。
3曲目“As Never Before”の懐の広いハーモニーの広がりや4曲目“Castle Of Solitude”のピアノからベースのソロに移る静謐な感じもちろん大好きです。
ふだんなら(タイミングが外れていなえれば)お薦めと言い切ってしまうアルバムであります。
そんなことで、タイミングを外れた記事は、もう一度手を加えて、でもやはりずれているのです。
この写真もタイミングが少し外れました。会社の車を止めているところの横に少し前に咲いていた花ですが、このごろ良くわからない花が多いのです。

DREAM DANCE / enrico pieranunzi
Enrico Pieranunzi (p)
Marc Johnson (b)
Joey Bzfon (d)
1.End Of Diversions
2.No-Nonsense
3.As Never Before
4.Castle Of Solitude
5.Peu De Chose
6.Nippono Ya-Oke
7.Pseudoscope
8.Dream Dance
9.Five Plus Five