JAZZ最中

考えてみればJAZZばかり聞いてきた。いまもJAZZ最中。

トレーンのカードを作った Mostly Coltrane /Steve kuhn

2009-07-15 22:45:19 | 聞いてますCDおすすめ


blogのお仲間のほとんどの方が記事にしているアルバムを少し遅れて買いました。
面白いのは私もそうだったのですが、多くの人が一瞬躊躇しているところと、その後にほっとしているところです。
これがコルトレーンへのトリビュートでなかったらたぶん買わなかったと思っています。もちろん今は手に入れてよかった、よかったの状態になっています。
なぜ躊躇したかというと、ロヴァーノのユレユレテナーに硬質キューンのピアノでアルバム一枚を演奏されたらと危惧するわけですが、それはまるでありませんでした。
1曲目、実に美しい始りかたで、私は持っているLPの「エクスプレッション」に続いているかのように聴き始めました。
2曲目、モーダルな曲になると、Joey Baronのドラムスが、エルビン・ジョーンズとラシッド・アリをあわせたような感じで凄く良い。ジョン・コルトレーンへ捧げている演奏と実感します。
4曲目はコルトレーンのサックスが聞こえてきそうな、しかしピアノトリオの演奏です。
コルトレーンの変遷についてはよく解っているわけで、いろいろな形の演奏がカードのように並べられます。
キューンのピアノもマッコイ風だったり、フラナガン風だったり、ロヴァーノもそれに合わせて変わります。ドラムスとベースは逆に一環して今風その塩梅が良い組み合わせです。
いろいろなコルトレーンのカードをキューンが並べているようです。
6曲目、静かなスピリチュアルな演奏で7曲目はスローバラッド、ちょっと古いカード風です。
8曲目“Like Sonny ”も古めの感じですが、この演奏はコルトレーンまで回路が行きません。
10曲目、11曲目は最晩年の曲、キューンがガシガシ弾く曲とスピリチュアルなフリーインプロの演奏ですが、結構統制がとれていて聴きやすい、ECMらしいとこかもしれません。
12曲目がソプラノサックスをくすめて素朴にしたような音色の木管楽器で、この曲とても個性的な演奏で、キューンがコルトレーンと一緒だったら、こう弾くだろうと思います。
最後がピアノソロの“Trance”でどのような経緯で再演したのかわかりませんが、キューンが代表曲を入れることでこのアルバムの重要性をあらわしたのでしょうか。
一枚一枚のカードを眺めると、それぞれにキューンの思いが込められているようなさすがに、キューン、上手いECMを選んで、素敵なアルバムを作りました。

Mostly Coltrane /Steve kuhn

Steve Kuhn (p)
Joe Lovano (ts, tarogato )
David Finck (b)
Joey Baron (ds)

1.Welcome
2.Song of Praise
3.Crescent
4.I Want To Talk About You
5.The Night Has a Thousand Eyes
6.Living Space
7.Central Park West
8.Like Sonny
9.With Gratitude
10.Configuration
11. Jimmy’s Mode
12.Spiritual
13.Trance

コメント (8)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする