
マティアス・アルゴットソンのスパイス・オブ・ライフから出した前作「In Copenhagen 」はベースのJesper BodilsenとドラムスのEd Thigpenの素晴らしいサポートがあって、美しくコーディネートされたセンス良いアルバムでした。
http://blog.goo.ne.jp/monakasm/m/200710
ですから躊躇なく拾いましたが、今作は自国スウェーデンから出す初リーダーアルバムで、スウェーデンの古い曲と、それらに影響されたようなオリジナルが組み合わさった落ち着いたアルバムです。
1曲目、重たいベースのリズムに哀愁あるピアノメロディ、そこに多重でオルガンの音が口笛みたいに重なって、これいい出だしです。
2曲目はクラシカルなピアノとベースの絡み合い。
3曲目は4ビートでMJQのミルト・ジャクソンやジョン・ルイスを思わせるジャジーな響きの小唄。
4曲目はゲストのMagnus Lindgrenのクラリネットがすんなりと吹いてしまう小品。
5曲目、少し沈んだクラシカルなピアノで始り、イン・リズムになると重いベースのリズムにパーカッシブなドラムス、その上をピアノがブルージーにソロすると、ベース、ドラムスもあわせて強調され、このサウンド作り、スウェーデンの大いなる損失、E・スヴェイソンの影があるのでないでしょうか。
6曲目はオルガンでの演奏、パイプオルガンのような響きの古い民謡。
7曲目、再び4ビートのピアノはやはりJ・ルイスの和声を思わせますが、そういえばルイスを感じる人たちって結構います。
8曲目、バックのオルガンの音が効いた小品。
10曲目、4ビートのオルガンは、美しい風景のダーナラ地方の小さな村レンネースをうたったそうで、12月の北欧の村の中を歩いて、一つ一つの家の窓の明るさにぬくもりを感じる様です。
11曲目美しいピアノのメロディ、ゆったりとした終りです。
少し長いインターバルを置いて、クラシックの小品でしょうか、短いけどピアノソロが隠されていて、北欧の街から素敵なプレゼントが届いた様です。
曲が少し短く纏まって、迫力とか尖がりはありませんが、12月しみじみと心がぬくもってくるアルバムです。
New Traditions / Mathias Algotsson
Mathias Algotsson(p,org)
Fredrik Jonsson(b)
Kristian Lind(b)
Calle Rasmusson(ds,per)
special guest:
Magnus Lindgren(cl)
2009年スウェーデン-ストックホルムのOAL Studio録音(Inside Music原盤)
1.Allt Under Himmelens Faste
2.Dans
3.Fmoll
4.Valse Petit
5.God Afton Om Ni Hemma Ar
6.Limu Limu Lima
7.Neapolitan
8.Dmollberg
9.Inga Rikedomar Har Jag Haft
10.Visa Fran Ronnas
11.Life