JAZZ最中

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新たな美しい記憶  A REMARK YOU MADE / Jonas Knutsson

2009-12-17 22:48:21 | 聞いてますCDおすすめ


ウエザー・リポートやジャコ・パストリアスのトリヴュート・アルバムとなると冷静さを失う傾向がありますが、ジョー・ザヴィヌルも同じことで、しょうがないよねと自分を許しながらひろいました。
リーダーのサックスの人を知りませんが、ピアノはなんとアンダース・パーション、ちょっと驚きましたがこのピアノ好きです。

http://blog.goo.ne.jp/monakasm/d/20070123

このサックスのリーダーのところで弾いているのですね、既に3作アルバム参加しているようですが、ザヴィヌルとなると、どのようでしょう。
1曲目、“お前のしるし”をこれまでよりもゆったりと始めて、メロディーをバリトンみたいに聴こえますが、たぶんバスクラでしょう、実にゆったりと吹いて、アンダーシュ・パーシュンのソロもとぎすまされた音、ウェザーのサウンドが形を整えてとても安定して聴こえます。
このようにゆったりと聴く“お前のしるし”あったでしょうか。
持ち替えたソプラノ・サックスも美しい。
次が“BLACK MARKET”はパン・ドラムスをバックに、アフリカ語の歌声で始まり、ボナみたいに聴こえていると、懐かしいベースラインとあのメロディ、パーシュの音が少し濡れたように美しく響きます。
サックスがメロディを吹きますが、音がとても綺麗、ウエザーを美しく再現してっくれているようです。
ピアノも美しい音でそこに続きます。
4曲目、このサックス知りませんでしたが、実に美しい、ザヴィヌルを好きだったと言うことが、素直に伝わってくるソプラノ演奏です。
5曲目、あの“バードランド”をどう演奏するか興味深深ですが、これがバップフレージングでかっこよくスタート、いつものメロディのあとのあのショーターのソプラノソロの部分はテナーのこれもバップテイスト充分なかっこいいソロ、パーシュンのピアノの音をバックにかっこいいこと、本家とマンハッタンについでかっこいいのではと思ってしまいます。
前半に馴染みの曲が並びすぎて、後半は少しさびしいですが、7曲目このサックス奏者、いくつサックスを吹くのでしょうか、ここではアルトのようなのですが、どれもそれぞれ良い音で驚きです。
8曲目“MIDNIGHT MOOD”はアルトで甘いフレーズのバラッド、ウエザーやザヴィヌルのトリビュート・アルバムと思うと、そしてこのジャケットだと、色物みたいにとらわれますが、これがまるで違う、この曲のベースソロだって凄いし、ザヴィヌルの音楽を自分たちで捉えなおして再表現した素晴らしいアルバムだと思うのです。
ザヴィヌルの音楽は素晴らしい、でもそれをもう一度自分で再表現していることが素晴らしい、当時のあの記憶を別の視点で新たに表現されると、その記憶がまた別の美しさを持ってくるように、うれしくなるのです。
9曲目、ソプラノで“MAN IN THE GREEN SHIRT”をストレートに吹くと、ザヴィヌルが好きで、ウエザーが好きで、そしてそれを好きだった人の音楽がとてもよく解るのです。

A REMARK YOU MADE / Jonas Knutsson
Memories of Joe Zawinul

JONAS KNUTSSON(sax)
ANDERS PERSSON(p)
RAFAEL SIDA(per)
CLAS LASSBO(b)

1. A REMARKE YOU MADE
2. BLACK MARKET
3. DREAM CLOCK
4. BADIA/BOOGIE WOOGIE WALTZ
5. BIRDLAND
6. MANY CHURCHES
7. YOUNG AND FINE
8. MIDNIGHT MOOD
9. MAN IN THE GREEN SHIRT
10. FIVE SHORT STORIES
コメント
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