JAZZ最中

考えてみればJAZZばかり聞いてきた。いまもJAZZ最中。

覚めないでいい Ojos Negros / Dino SAluzzi,Anja Lechner

2010-02-05 22:00:21 | 聞いたけどCDどちらでも


バンドネオンのディノ・サルージのアルバムはテュエリー・ラングと演ったものとか、このアルバムなどを発掘して気に入り度がましてます。
http://blog.goo.ne.jp/monakasm/d/20090808

それ以外にはECMからかなり出していて、そちらはあまり聴いていません。

チェロの音が好きで、チェロの入ったJAZZもだいぶたまりました。
聞き逃しているようなものないかなとチェックしてたら、このアルバムに当たりました。
チェエロとバンドネオン、この組み合わせ、へんな言い方ですが、ウニ、イクラ海鮮丼みたいなウオオオと声が出てしまいそうな組み合わせです。
これは聴かねばと新品で仕入れてきました。(実は去年)
そして何度もきいているのですが、どうも記事にならない。
これバンドネオンとチェロの個性にECMの個性も加わったいるのですね。
ECMが決して嫌いではないのですが、どうもすっきりと頭に入らない。
どうやらこのチェロの人のタッチが私の好みとづれている見たいです。
一つの音を管にたとえるなら、このAnjaさん真ん中のあたりが太る音で、どうも姿がはっきりしない。
これは好みの問題で、アルバム自体はとても良いと思います。
今日みたいな曇った中にいるような、もしくは、眠りの中で少しばかり意識があるのに覚醒はしない。いくらたっても眠りから覚めない、覚めてはっきりなどしないでいい。
それが狙いみたいな、ちょっと不思議なアルバムなのであります。



Ojos Negros / Dino SAluzzi,Anja Lechner

Dino SAluzzi bandoneon
Anja Lechner violoncello

1. Tango a mi padre
2. Minguito
3. Esquina
4. Duetto
5. Ojos negros
6. El titere
7. Carretas
8. Serenata
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テレビの黄金時代 / 小林信彦

2010-02-04 21:37:23 | 


とても若いころ、大好きだった植草甚一のことが、今になってとても気になり、図書館で祖植草のことを書いた評伝を借りました。
その本を受け取りに行くと、(ネットで予約)この本が返却棚にあり、あわせて借りてきました。
小林信彦の小説も、実は処分した中にありました。この本はTV番組放送が始まった1953年からのTV文化が開花していく流れを評伝したもの、植草甚一の評伝と二つ並べて読んだら面白そうな気がしました。

二つの本にはそれぞれ年譜が着いていて、植草は生まれた1908年から亡くなる1979年(年譜は1982年まで、そしてこちらのTVのは1953年から1973年までです。
植草甚一の評伝「したくないことはしない」津野海太郎著は植草の生い立ち、青春時代を主に書いていますから、年譜にすると1920年代から1950年代が主になり、TV黄金の1953年以降と多くは平行しません。
しかしここに私が(monaka)が入ってくるととても私自身は面白い。
植草甚一を大好きで、本をたくさん集めていた時代は1969年から1975年までのことです。
そして「TVの黄金時代」の年賦で私が記憶に残るTV番組は年代を入れるとこのようになりました。(スタート年)

1959年 「おとなの漫画」「ザ・ヒットパレード」「ローハイド」
1960年 「ララミー牧場」
1961年 「夢であいましょう」「シャボン玉ホリデー」
1962年 「てなもんや三度笠」
1963年 「鉄腕アトム」「三匹の侍」
1964年 「ダニー・ケイ・ショー」
1965年 「11PM」
1966年 「アンディ・ウィリアムス・ショー」
1967年 「ザ・モンキーズ」

などがあります。これ以後1969年にはコント55号があったり、「8時だよ!全員集合」などが続くのですが、あまり見なくなっています。
丁度この年から植草甚一の年譜につながっていくのです。


青年の好みの変化が連なったといえばそれまでですが、図書館で丁度同じ時にこの2冊を手に入れるということ、そしてそれが一連なりであることを教えられること、音楽でも良くあるのですが、シンクロニシティ(意味のある偶然)を感じてしまいます。

「光子の窓」や「シャボン玉ホリデー」などそれを書いていた作家などの話、登場人物がその後の都知事2人とか、永六輔、前田武彦、坂本九懐かしい人が出るので楽しく読むことが出来ます。
残念ながらドリフターズとか、コント55号の時代になると、だんだんとテレビと離れていったので、この本の後半はスルーになりました。

ここで書かれている時代の後、植草甚一に繋がるのでした。


そんなことで植草の本のなくなった今、散歩の途中でいろいろと面白いことを考える植草氏の文体に、郷愁を覚えるのであります。
JAZZを聴く途中にほかの事に考えが飛ぶmonakaは是非あの文体もあじわいたく、探してみることにしました。




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したくないことはしない 植草甚一の青春 / 津野海太郎

2010-02-03 21:40:03 | 


豆まきという行事があるのです。
そして思いしてみると実は結構ずっとやっているのです。
忌なことに反応をずっとしているのですね。

昔買った本を何年か前にかなりの数、処分しました。その時の価値感で処分しましたから今となって、なぜあの人の本を売ってしまったかと残念に思うものがあります。
新聞の書評を見ていたら、「したくないこてはしない 植草甚一の青春 / 津野海太郎 著」
があり、懐かしくなりました。
中年になってJAZZに目覚めた植草甚一が、スイングジャーナルに書く文に魅せられて大ファンになりました。
その当時の編集者が植草の生い立ちを思いをこめてつずった人物評伝です。

序章“買い物をするファンキー老人”が素晴らしい。植草甚一があの時代(1960年代終わりから70年初期)にいかなる存在であったかを、的確に、愛情をこめて語っています。
植草甚一は大好きでしたが、その時期は短く、しかしその時代を実は今、取り返したくなっています。
処分してしまった本の一部が植草甚一のもので、この評伝の著者が編集したのがまさにその本たちでした。
植草甚一をご存知ない方も多いとおもいますが、この記事は植草甚一へのトリビュート、素晴らしい第1章の素敵な部分を書き抜いても、著者である津野氏は許してくれるのではないでしょうか。氏の文は『』カッコにしました。私の文とごちゃ混ぜになります。
 
編集者として津野氏が関わった植草甚一の本は“ぼくは散歩と雑学がすき”“ワンダー
植草・甚一ランド”“雨降りだからミステリーでも勉強しよう』”“映画だけしか頭になかった』”などなど、それらをすべて持っていたのに、今は一冊もありません。
『植草甚一の人気が一気に高まったのは1960年代の後半である。きっかけとなったのは、しばらくまえから植草さんが書きついでいたジャズ・エッセイだった。』これがスイングジャーナルでの出会いだったのです。
『実は同じ連載から生まれたものがもう一つある。植草さんのトレードマークともいうべき、目的があるのか、ただあちこちフラフラ散歩しているだけみたいなモダン連綿対とも言うべき文体がそれである。』この文体をとても気に入ったわけですが、人様に書いたものを読んでもらえるようになって、あの文体もう一度しっかりと把握したくなったのです。手元に“僕は散歩と雑学がすき”のようなバイブルもないのですから、今のところどうしようもありませんが、どこかで見つけてあの感じ、取り込みたいのです。
『昭和の日本に、どうしてああいう人が生まれたのだろう。もしふしぎというなら、そのことこそが第一ふしぎでないか。』
『植草さんは何も変わっていない。だからこそ、それなのになぜ、と友人たちがあっけにとられているのだ。』
『とつぜん変わったのは植草さんではなく社会の側だった。』

という事で、僕がJAZZを聞き始めた頃に、とても自由な心で、ジャズや映画や美術、などを山のように仕入れては排出していた老人がいたのです。
年譜を見ると私が入れ込んだのは1968年から1974年の6年ぐらいですが、でも青春でした。
溜まった本を処分するときに、福永武彦とか辻邦生とか田村隆一、開高健、村上春樹、山田太一、倉本聡、山藤章二の本を残して植草甚一は本をすべて処分してしまいました。
今blogなどを書くようになって、ふらふらした散歩の途中で、いろいろなことを考えているような文体のそれが、なんとも懐かしく、また見習いたく急激に思っています。

どのようにしてあの、植草甚一ができあがったか、とても近い人がその甚一の文体もふまえて語ってくれると、甚一が書いてるような雰囲気が重なってくるです。






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自信に満ちて  LONGIN' / Luca Mannutza

2010-02-01 22:53:29 | 聞いてますCDおすすめ


ルカ・マヌッツァ気にしないうちに随分身近なピアニストになってきました。
最初がどれだか解りませんが、はっきり意識したのがハイ・ファイブ、そしてブルーノートで会いました。結構いいねぐらいで、でも日本で出ているローマ・トリオは無視していましたから、AlboleからのMax Iomnataの「Inspiration」でかなり驚き、同じレーベルのRobert Gattoの「Remembering Shelly」でまた吃驚、ハード・バップを引き倒す力、凄いです。若いのにそれが出来るのですね。
そしてこのアルバムですが、こちらはまた一つ違う魅力です。(ローマ・トリオはそうかどうか)

ハード・バップ系を引き倒すと言うよりか、オリジナリティが漂いながら、曲によってポイントを聴かせる余裕たっぷりな演奏です。
2曲目まどろむようなアンニュイな感じはこれまで知らなかったところ、とても深く落ち着いていく演奏、この曲の雰囲気だけを抽出しても、一枚のアルバムが出来るのでではと思う奥行きです。
3曲目がスタンダード“Whisper Not”、変拍子のウイスパーは初めてで、長まわしのピアノソロを弾き切るあたり、自信に満ち溢れています。
4曲目オリジナルは、少し淡い色彩の風景を描くよう、オリジナルの淡さと、スタンダードのリズムを変えた色彩が上手く組み合わさります。
ドラムスとベースはローマ・トリオと同じ、かなり一緒に演奏するメンバーでしょう、ドラムスがちょっと私的にはオーソドックス、もう少しおしゃれにして欲しいと思うのは批判うけますか。
5曲目目、“”ピアノをシングルラインで弾く凄さ、ベースソロの後に最後に出すテーマのカッコよさ、唸るほどの演出と音楽を表現することの力強さ、自信があるのです。
6曲目はスティングの曲ですが、散文詩のようにこれ、ベースの優しい歌と相まって(いい音ですね)、それこそ前の曲“Airegin”とは違う、こんなに色彩かえるピアニストもめずらしい、そして素晴らしい。
7曲目がタイトルと名なっている曲で、ドラムスのNicolaとLucaの曲、モーダルなピアノの流れが美しい、今夜東京も雪が降っていますが、その風景にグルーッと俯瞰するような、雪の降る町を見たいな(今日聴くと)感じ受けました。
8曲目はちょっと全体の雰囲気から外れるかも、アレンジもいまいち、オリジナル曲を入れたほうがいいと思う。
だからその後の9曲目のオリジナル、そしてドラマーの曲10強目が美しい、ピアニストのデビュー作としてはとてもバランスの良い出来、そしてオリジナルの素晴らしさが、スタンダードの上手い演奏を凌駕しています。
9曲目のこの曲、そう2曲目、4曲目と抽出して聴くと、これこの人の凄さが解ると思います。
ありゃ、ついこの間も FORMAT A'3で同じような事を言った気がします。

Luca Mannutza / LONGIN'

Luca Mannutza(p)
Gianluca Renzi(double b)
Nicola Angelucci(ds)

1. Message In A Bottle
2.Pingoli
3.Whisper Not
4.Sarasong
5.Airegin
6.Tea In The Sahara
7.Longin'
8.Tea For Two
9.Clowns
10.Heartly

コメント (6)
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