いつ見てもわくわくするのが、すっきりと晴れた水平線あるいは地平線から昇る太陽だ。特にほんの少し頭をもたげる瞬間は、まるで豪華な舞台でスポットライトを浴びるような華やかな瞬間だ。無神論者の私が思わず「神様、ありがとう」という敬虔な気持ちになる。
前夜の天気予報が、夜は冷えて明日は快晴だと言う。それではデジカメ撮影にうってつけと言うわけで、早起きをして出かけた。日中なら目的地の千葉県いすみ市岬町和泉まで二時間はみなくてはならない。
しかし、この師走の時期(海水浴客やサーファーが少ない)や早朝ということもあって一時間足らずで着いてしまった。日の出までいま少し待つ必要がある。車が一台停まった。降りてきたのは釣り人だった。慣れた足取りで階段を下りて、海に突き出ているかなり大きな岩に上っていった。
しばらくすると、一眼レフカメラを三脚に取り付けて担いだ人が通り過ぎた。午前六時四十分、水平線から太陽が昇ってきた。瞬く間にすべてをあらわにした。
一眼レフの人が声をかけてきた。「水平線まですっきりと見えたのは初めてですよ。何回もきているんですが、いつも雲がかかっていましたから」嬉しそうに言う。地元の人で、私とあまり年は違わない感じだった。「家に帰ってパソコンで補正します」と言い残して去っていった。
考えてみれば、空気中に湿気が多いと雲が出やすいので、すっきりとした水平線は期待できない。したがって、冬の時期が撮影には最適と言える。わたしはラッキーだった。

海は穏やかといっても、打ちつける波は
高くしぶきを上げる

日の出前の静寂

太陽が「お早う」と言っているよう

瞬く間に水平線の上に

そして、すべてをあらわにした