この作品は、‘09アカデミー賞作品賞にノミネートされ、主演のキャリー・マリガンも主演女優賞にノミネートされている。
オクスフォードを目指す成績優秀なジェニー(キャリー・マリガン)も一皮向けばフランスに憧れる普通の少女。その彼女の前に倍ほど年齢の違うハンサムなデイヴィッド(ピーター・サースガード)が現われ、音楽会や絵画のオークション、ジャズ、美味しい食べ物に誘われる。退屈な受験勉強に意義を見出せなかったジェニーは、それらに没入していく。
しかもデイヴィッドの仕事は何なのか? 金回りはよさそうだがハッキリしない。両親もデイヴィッドを気に入っている。そうこうするうちに、結婚を申し込まれて応諾するジェニー、しかも学校を退学する。
車のダッシュボードから見つけた手紙の宛先。デイヴィッド夫妻とあった。裏切られたジェニーであるが、スタップス先生(オリヴィア・ウィリアムズ)の助けで、オクスフォードに合格する。思春期の心の動きを巧みに描出してあるが、結末は平凡。
それに辻褄が合わないところや、理解に苦しむところもある。車のダッシュボードにバレてはいけない手紙なんか入れて置くだろうか。もっと不可解なのは、17歳の誕生日まで処女は捨てないと言っていたジェニーのその誕生日に、ベッドでデイヴィッドがバナナを取り出して、これで予行演習云々には恐れ入った。
デイヴィッドの品性下劣を表現しているのか。あるいは、それに続くジェニーのセリフにつながるのか。ジェニーは言う「私を大人として扱って欲しい」 現代の女子高校生、どこの国でもあまり変わらないんだなあ。 というのが感想だった。
それにスタップス先生役のオリヴィア・ウィリアムズ。ジェニーに教師という職業を悪罵されていたにも拘らず、ジェニーに助けを求められて「その言葉を待ってたわ」と言う。広いロフトで40代の独身女性の雰囲気を漂わせていたのが印象的だった。
監督ロネ・シェルフィグ1959年5月デンマーク コペンハーゲン生まれ。
キャリー・マリガン1985年5月イギリス生まれ。
ピーター・サースガード1971年3月イリノイ州生まれ。
オリヴィア・ウィリアムズ1968年7月ロンドン生まれ。
エマ・トンプソン1959年4月生まれ。ベテラン女優。