旅行プランは、Mrチャンナがよく使う旅行会社に依頼したものだ。日本語ドライバーつきのプランだった。息子の態度の変化は、この旅のプランが決まってから顕著になった。スリランカ航空のホームページでE-Ticket(イー・チケット)を使って座席の予約をしたり、スリランカの情報をネットで収集したりとかなり意欲的な面を見せていた。こちらは大いに助かったのは言うまでもない。
チェックインのあと出発ロビーの大きな窓からは、到着便への細々とした作業が見える。JALが定位置に駐機した。まるで草原の鹿がライオンに襲われて食われ、その食べ残しに群がるカラスのようにジェット燃料補給のトラック、荷物の取出しや積み込みのトラック、機内食のケータリング会社のトラック、トイレに溜まったものの処理の太いホースのセット、そのほか主な部分の点検をする人たちに囲まれた。それらをなんとなく眺めながら時間が過ぎていった。
体調不安を抱えながら、ようやくエアバスA343に乗り込んだ。この頃になって何とか体調が戻ったようだった。A343は、約30分遅れで成田国際空港を離陸した。
家族三人だから右側の二列席では隣が他人になる。私の隣には茨城に住むというスリランカ人の男だった。日本語は流暢でよく喋る。
途中で息子と席を交代したが、後で聞くとスリランカ人の男はやくざも知っているしスリランカで女を紹介するとも言ったらしい。息子はその男を無視して寝たふりを続けた。
エコノミーに乗る外国人には注意が必要かもしれない。帰国便には外国人の姿はなかった。外国人はビジネスクラスを選択しているようだった。エコノミーの狭い座席を敬遠しているのかもしれない。
空の旅というと楽しみは機内食になるだろう。朝7時半頃の朝食だったので午後の2時を過ぎると空腹に襲われる。機内食が配られてきた。東京→コロンボの一食目のメニューには、オードブル(マリネシーフードとマッシュルームと人参のサラダ、サンフラワー・ヌードル)、メインディッシュ(牛肉の諸味ソース、ミックス野菜ソテーときしめん)(オリエンタル風・チキンカレー、お豆のトマトのカレーとご飯)、デザート(マンゴーケーキのイチゴソース添え)。
お腹も空いていたのか美味しかった。あとは本を読んだり、うとうとしながら夕食となる。前の座席の背面についているモニターの表示があと二時間を指した頃、夕食が配られる。二食目のメニューは、サラダ(新鮮な野菜サラダ、柚子ドレッシング)メインディッシュ(ホット・セイボリー、スパイシービーフの串焼き、チーズとインディアンサルサのアラビア・パン、アーモンド海老団子)(グリル・チキン和風ソース、ミックス野菜のソテーとバターヌードル)(ほうれん草とチーズトリッテリーニ、トマトのクリームソース、椎茸のソテー)デザート(どら焼き)という献立だった。
エアバスA343は、定刻19時10分にコロンボのバンダラナイク国際空港に着陸した。(つづく)