都会的な洒落たコメディに仕上がっている。マリン(アマンダ・ピート)は、ヒップホップ系のレコード会社を経営するプレイ・ボーイのハリー(ジャック・ニコルソン)とともに、ハンプトンにある母の別荘で大いにデートを楽しもうという魂胆だった。が、母エリカと母の妹ゾーイがひょっこり現れる。ハリーは帰ろうとするが引き止められ、夕食を共にする。食後ハリーが心臓発作を起こして入院、退院後エリカの別荘で療養することになり、ぎこちなかった関係が徐々にお互いを意識し始め、ついにハリーとエリカは恋をする。そしてハッピーエンド。
舞台設定が、マンハッタンから東へ約160キロにある、美しい自然とビーチに囲まれたニューヨーカー憧れの高級リゾート地といわれるハンプトン。その地の住人にふさわしく劇作家のエリカ、娘マリンはクリスティーズの競売人というニューヨーカーにふさわしい職業が選択されている。別荘や衣装は、白を基調にしたすっきりとした高級感あふれる雰囲気に満たされている。また、黒が効果的に使われていて、エリカが医師のジュリアンとディナーに出かけるときの黒のワンピース、マリンが競売会場での黒のワンピースは引き締まってインパクトが強い。
ハンプトンという高級リゾート地は、ハリーを含めお金持ちでないと維持できない家や車がさりげなく出てくる。特にこの家は、女性が見るとただ見とれて、ため息が出るだろうと思う。別に女性に限らない、私ですら見とれてしまったくらいだから。とにかくエリカの部屋は、日本の3LDKがすっぽり入るのではないかと思うほど広い。適当に片付けられ、適当に生活感も漂わせている。
それに、セリフに魅了された。たくさんあるので一例として、エリカが葉巻の臭いに気づきハリーに禁煙を宣言、戻ろうとしたとき、ハリーが声をかける。
ハリー「一つ聞いてもいいかな。なぜ、タートルネックを?真夏なのに」
エリカ「気になる?私の着るものが」
ハリー「不思議でね」
エリカ「昔から好きなの、それに似合うし」
ハリー「アツくならない?」
エリカ「いいえ」
ハリー「全然?」
エリカ「最近はね」
活字にすると雰囲気が出ないが、表情や身振り、声のイントネーションなどを加える画面では思わずにやりとしている。「アツくならない?」という性的な匂いを発散するハリーという人物の一端を表現している。
ちなみにこのハンプトンでは、家の値段はいくらか。インターネットで調べると、中古物件 築後30~40年 敷地320坪 建坪88坪 ベッドルーム5、バス3キッチン、リビング、ガレージが含まれ日本円で約4千万円。分かりきったことだけど、如何に日本の土地が高いか、これもため息が出る。
さて、ジャック・ニコルソン、ダイアン・キートン、キートンの妹役フランシス・マクドーマンド、娘マリンをアマンダ・ピート、医師キアヌ・リーヴスという配役。アカデミー賞受賞俳優3人に囲まれてアマンダ・ピートはかなり緊張したそうだが、のびのびと演じているように見えた。そして、こんなうるさ型を使った女性監督のナンシー・マイヤーズも気苦労が絶えなかっただろう。劇中のハリーは、63歳、2003年当時ジャック・ニコルソンの実年齢は66歳。エリカ54歳、ダイアン・キートンの実年齢は57歳。ダイアンのほうは時に年を思わせる皺が見えたが、ジャックはくたびれたところが無く若々しい。医師から階段を登って何でもなければセックスも出来るといわれ、海岸の階段を登ろうとする。鬼気迫るセックスへの執念はよくわかる。
老年のセックス・シーンは頻繁に見られないが、ここではいやらしくなくややコミカルに表現していて、終わったあとダイアンがセックスできたことを大声で喜ぶ場面は同年代として分かりすぎるほど分かる。心から「よかったね」と言いたくなる。
ジャック・ニコルソンのこだわりは、部屋に入るという単純な行為でも、何通りか考えるというから恐れ入る。この映画で無かったものといえば、卓上電話とテレビと高齢者の昔話。高齢者の昔話が無いということは、この二人がまだ現役で過去を振り返る必要が無く、将来を見つめているということなのだろう。年を忘れさせてくれる二人のやり取りと、バックの音楽が、心に残る映画として記憶のコレクションに加わった。
未公開シーンで、ジャック・ニコルソンがダイアン・キートンを伴ってカラオケバーに出かけ「ばら色の人生」を歌う場面がある。本編にはカットされているが、あればよかったのにと思う。なかなか声もいいし歌いっぷりも味があっていい。ジャックの尻やダイアンの一瞬のヌードは、監督のサービス精神の表れなのだろう。
舞台設定が、マンハッタンから東へ約160キロにある、美しい自然とビーチに囲まれたニューヨーカー憧れの高級リゾート地といわれるハンプトン。その地の住人にふさわしく劇作家のエリカ、娘マリンはクリスティーズの競売人というニューヨーカーにふさわしい職業が選択されている。別荘や衣装は、白を基調にしたすっきりとした高級感あふれる雰囲気に満たされている。また、黒が効果的に使われていて、エリカが医師のジュリアンとディナーに出かけるときの黒のワンピース、マリンが競売会場での黒のワンピースは引き締まってインパクトが強い。
ハンプトンという高級リゾート地は、ハリーを含めお金持ちでないと維持できない家や車がさりげなく出てくる。特にこの家は、女性が見るとただ見とれて、ため息が出るだろうと思う。別に女性に限らない、私ですら見とれてしまったくらいだから。とにかくエリカの部屋は、日本の3LDKがすっぽり入るのではないかと思うほど広い。適当に片付けられ、適当に生活感も漂わせている。
それに、セリフに魅了された。たくさんあるので一例として、エリカが葉巻の臭いに気づきハリーに禁煙を宣言、戻ろうとしたとき、ハリーが声をかける。
ハリー「一つ聞いてもいいかな。なぜ、タートルネックを?真夏なのに」
エリカ「気になる?私の着るものが」
ハリー「不思議でね」
エリカ「昔から好きなの、それに似合うし」
ハリー「アツくならない?」
エリカ「いいえ」
ハリー「全然?」
エリカ「最近はね」
活字にすると雰囲気が出ないが、表情や身振り、声のイントネーションなどを加える画面では思わずにやりとしている。「アツくならない?」という性的な匂いを発散するハリーという人物の一端を表現している。
ちなみにこのハンプトンでは、家の値段はいくらか。インターネットで調べると、中古物件 築後30~40年 敷地320坪 建坪88坪 ベッドルーム5、バス3キッチン、リビング、ガレージが含まれ日本円で約4千万円。分かりきったことだけど、如何に日本の土地が高いか、これもため息が出る。
さて、ジャック・ニコルソン、ダイアン・キートン、キートンの妹役フランシス・マクドーマンド、娘マリンをアマンダ・ピート、医師キアヌ・リーヴスという配役。アカデミー賞受賞俳優3人に囲まれてアマンダ・ピートはかなり緊張したそうだが、のびのびと演じているように見えた。そして、こんなうるさ型を使った女性監督のナンシー・マイヤーズも気苦労が絶えなかっただろう。劇中のハリーは、63歳、2003年当時ジャック・ニコルソンの実年齢は66歳。エリカ54歳、ダイアン・キートンの実年齢は57歳。ダイアンのほうは時に年を思わせる皺が見えたが、ジャックはくたびれたところが無く若々しい。医師から階段を登って何でもなければセックスも出来るといわれ、海岸の階段を登ろうとする。鬼気迫るセックスへの執念はよくわかる。
老年のセックス・シーンは頻繁に見られないが、ここではいやらしくなくややコミカルに表現していて、終わったあとダイアンがセックスできたことを大声で喜ぶ場面は同年代として分かりすぎるほど分かる。心から「よかったね」と言いたくなる。
ジャック・ニコルソンのこだわりは、部屋に入るという単純な行為でも、何通りか考えるというから恐れ入る。この映画で無かったものといえば、卓上電話とテレビと高齢者の昔話。高齢者の昔話が無いということは、この二人がまだ現役で過去を振り返る必要が無く、将来を見つめているということなのだろう。年を忘れさせてくれる二人のやり取りと、バックの音楽が、心に残る映画として記憶のコレクションに加わった。
未公開シーンで、ジャック・ニコルソンがダイアン・キートンを伴ってカラオケバーに出かけ「ばら色の人生」を歌う場面がある。本編にはカットされているが、あればよかったのにと思う。なかなか声もいいし歌いっぷりも味があっていい。ジャックの尻やダイアンの一瞬のヌードは、監督のサービス精神の表れなのだろう。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます