年収49億円といわれたジョーダン・ベルフォート。映画はオープニングからジョーダン・ベルフォート役のレオナルド・ディカプリオのナレーションで余すことなく紹介される。
「クイーンズの小さなアパートで会計士夫婦の中流家庭に育った。26歳のとき自分の証券会社で4900万ドル(約49億円)稼いだが、週100万ドルの目標に3週分欠けてた。
<ベッドに裸の女>俺の妻ナオミ。“ブルックリンの公爵夫人”。元モデルでキャンペーン・ガール。妻とかわいい子供が2人。豪邸、ジェット機、車6台、馬3頭、別荘2軒、170フィートのクルーザー。ギャンブルはやるし大酒喰らい。商売女と週5~6回はファック。3っの連邦政府から目をつけられている。そしてドラッグを愛している」
週100万ドルといえば、円にすると1億円だ。まともな仕事や商売で1億円は土台無理な話。勿論、トヨタ自動車となれば週126億円の純利益ではあるが。まあ、従業員1000人未満では不可能だろう。
結局、詐欺的な株の売買で売り抜けていた。要するに顧客に損をさせていた。カリスマ性のある株式ブローカーのハチャメチャ・ビジネスを3時間の長い映画に収めてある。過激なセリフが横溢しているが、なかなか楽しめた。
このセールトークの真髄ともいえる「私にペンを売れ」と言って差し出す。セールス教室では、「これは素晴らしいペンでプロ用です」「いいペンです。このペンで人生の思い出を書き留めれば……」「このペンは書きやすく私は大好きです」しかし、どれも正解ではない。
ジョーダンがドニー(ジョナ・ヒル)とガレージでビジネスをはじめたとき従業員をピックアップ。どうしても欲しい男だが街のドラッグの元締めブラッド(ジョン・バーンサル)の返事が正鵠を得ていた。
ブラッド「このナプキンに名前を書け」
ジョーダン「それはどうしてだ?」
ブラッド「需要と供給だ」
ジョーダン「見ろ必要性を作った。買わねばと相手に思わせる」
抜群のセールス技術を持っていたジョーダンでもFBIとは司法取引で仲間を売り自身刑務所に入った。おかげでドラッグが体から抜けいまや酒もノンアルコールのビールしか飲まない。
有罪判決とともに賠償金が1億1千万ドル(約百十一億円)で年49億円稼いでいたころなら問題ないだろうが、もうその手は使えない。従って、支払いも遅れがちとのこと。
この映画の完成プレミアショーに夫婦で出席したときの写真があるが、普通の男で奥さんも美人ではない。
マシュー・マコノヒーも初めの頃ちょっと出るが、かなり痩せた感じがある。多分、同時期に「ダラス・バイヤーズ・クラブ」を撮っていて役柄上体重を落としたらしいから、その影響だろう。
観て飽きる映画ではないが、印象に残る映画でもない。一時の気分転換用。劇場公開2014年1月
監督
マーティン・スコセッシ1942年11月ニューヨーク市クイーンズ生まれ。
キャスト
レオナルド・デカプリオ1974年11月カリフォルニア州ハリウッド生まれ。
ジョナ・ヒル1983年12月カリフォルニア州ロサンジェルス生まれ。
マーゴット・ロビー1990年7月オーストラリア、ゴールドコースト生まれ。
マシュー・マコノヒー1969年11月テキサス州ウバルデ生まれ。
ロブ・ライナー1947年3月ニューヨーク市ブロンクス生まれ。
ジョン・バーンサル1977年9月ワシントンDC生まれ。
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