猫とマンガとゴルフの日々

好きな物を題名に↑ 最近はゴルフとグルメお出かけ主体に。以前は1960年~70代マンガを紹介していました。ネタバレ有り。

萩尾 望都 「銀の三角」 何で知名度低いの?

2006年10月23日 09時46分20秒 | マンガ家名 は行
 やっと記事UP出来そうです~。ぜぇぜぇ。予告なんかしなけりゃ良かった。

 写真は私の持っている ㈱白泉社 の白泉社文庫版 「銀の三角」 1994年9月21日 初版のもの。新しいものだと思っていたけれど、既に12年経っているのですね。

 裏表紙に書いてある内容説明から、ちらちら引用すると、

6年に一度の朝を迎える惑星 「銀の三角」。そこに住む民人(たみびと)は長い金虹彩(きんこうさい)の瞳を持ち、近未来を予言する音楽を奏でる事が出来た。だが、特殊な能力を持つがゆえに、惑星戦争に巻き込まれ、絶滅したと思われていた。しかし、3万年後再びなぜか姿を現す。時空人マーリーの謎解きの旅が始まる・・・。

 とかなんとか。でもこのお話、読んだ方はわかると思うけど、あらすじはほんの取っ掛かりというか、はっきり言うと意味ないんだな。

 初出は 「SFマガジン」 早出書房 1980年12月号~1982年6月号までの連載、300ページ程です。この文庫の解説は、SF作家の 野阿 梓氏 ですが、中で

 SFマガジンはSFを書く人間にとって特別な場所である。その頃はSF専門誌も他に数誌あったのだが、その中でも SFマガジンは特殊な位置を占めていた。小説であれマンガであれ、そこに書く事はなんというか別格なのだった。

 と書いている。私はレイ・ブラッドベリは好きだったが、他のSFには興味がなく、この雑誌も買った事は無い。でもその世界では有名な雑誌だという事は知っていた。(今も ?) 始めに読んだ時は ふ~ん、あれに載っていたんじゃ、凝りに凝ってて当然かしら、なんて思ったものだ。生意気にも。

 とにかく、複雑難解な作品で、発表雑誌を選ぶというか、SFマガジンだから萩尾先生もここまでやったのよね、と言う感じか。今回、何度目かの読み直しをしたが、未だに3つか4つのポイントを、私は理解していないんじゃないかと・・・。うー。
 萩尾先生がこれ以前に描いた作品のアイデアや、SFの古典的なエピソードなども登場する。6年に一度の周期で来る婚礼 (繁殖期) の話は、「ハーバル・ビューティー」 の中で7年ごとの革命の季節という (本当は繁殖期) ことで、出てくるし、1980年のイラスト集 「金銀砂岸」 に初出している 「酔夢」 の中でも、同じ夢を繰り返し見る、実は生まれ変わって同じ出来事を繰り返している、という設定も出てくる。ただ、同じ時間を違う設定で何パターンも繰り返す、という話は、いろいろなSFで見た(読んだ)ことがある。

 「金銀砂岸」 の中で登場人物に 「時空間のトラウマの傷を治癒しようとしているとも・・・」 と言わせているが、それはまさしく、「銀の三角」 のモチーフなのだ。こちらの作品を発展させて、「銀の三角」 が出来たのかも知れない。とにかく、萩尾 望都のSF的なものがてんこ盛りなのだ。絵柄も、個人的にはこの頃のものが好きで、どのページを開いてもそのままイラスト集になりそうな美麗な描線で、私の一番好きな作品です。

 ところが、世間的には 「ポーの一族」 とか、「11人いる!」 とか、他の萩尾作品よりちょっと知名度が落ちるのはなぜ ? 掲載誌がマンガ雑誌でなかったから、当時のマンガ少女達の目には触れにくかったのか。そんなところでしょうね。

 1992年9月の雑誌 「CREA」 の大アンケートによると、「永遠の少女マンガベスト100」 の中で58位に入っている。結構健闘していると言うべきか ? 
 ちなみに、そのときのベスト10は、

1位 ポーの一族
2位 日出処の天子
3位 ベルサイユのばら
4位 ガラスの仮面
5位 リボンの騎士
6位 エースをねらえ
7位 動物のお医者さん
8位 はいからさんが通る
9位 つる姫じゃ~
10位 トーマの心臓

となっていますが、なにしろ14年前のアンケートなので、今やったら何が残って何が入るんでしょうね。

 しかし、同じ「CREA」の 私だけのベスト10 というコーナーには、吉野 朔実先生が、ダントツの一位に 「銀の三角」 を押していた。好きな人は大好きな作品なのだなぁ~。

  未読の方はぜひ一読、と言わずに多分難読になる いや 何度読みでもして下さい。
 
コメント (17)
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