猫とマンガとゴルフの日々

好きな物を題名に↑ 最近はゴルフとグルメお出かけ主体に。以前は1960年~70代マンガを紹介していました。ネタバレ有り。

萩尾 望都 「恐るべき子どもたち」

2007年04月12日 10時51分36秒 | マンガ家名 は行
 私の読んだのは ㈱小学館 の1997年5月10日初版、これは1997年8月 2版の文庫。

 たまには少し新しい作品の記事でもと、書棚から引き出してパラパラ読み終えたのが1時間前。 (出典 山田 ユギ氏 ピクニック ←BLボーイズラブなので興味ない方無視して可) 
 でもこれ、初出が1979年の『月刊セブンティーン』なのよね、新しいとも言えません。私の時空間って・・・。でもでも、私が始めて読んだのは1997年頃なのよ~。これでも10年前。

          ネタバレ有ります。
 
 この、まったく救いのない悲劇的な結末はどうなんでしょ。ジャン・コクトーの小説詩を元にしてはいるが、読み終わってしばし呆然・唖然。こっこれで終わり ? 
 しかし、この話は女流漫画家たちのお気に入りらしい。竹宮 惠子氏は ペーパームーン 少女漫画ファンタジー 「少女漫画妖精国の住人たち」 というムック本の中で登場人物の一人 「ダルジェロ」 のイラストを描いて彼のまぶしさを讃えています。
 だが彼は主人公ではないのです。他の脇役人物よりも登場場面の少ない、学校の問題児として1回、この話が終わる頃に1回づつちょっと出てくるに過ぎません。
 だが印象度は抜群でこのお話の主人公、姉と弟の二人兄弟のうち、弟は死ぬまで彼の影を引きずっています。子供の時から大人になってもずっと恋してたんじゃないだろうかと疑うほど。あっぜんぜんBLではないです、念の為。「ポーの一族」 ぐらいのそこはかとしたもの。
 
 ちなみに、萩尾氏は同誌の中のアンケートで好きな作家としてヘッセ、サリンジャー、トゥエイン、フレッド・ホイル、オスカー・ワイルド、モーム、ロマン・ロラン、クリスティーなどと一緒にジャン・コクトーをあげています。

 萩尾氏は、ダンジェロス (こちらの漫画ではこう表記) を限りなく魅力的な悪魔顔で表現しているが、弟のポールにとっては憧れの闇のイメージそのもの。最後は彼に取り憑かれるように死んでいます。
 ダンジェロスってなんなの  何度読んでも分からない。でも読むほどに余計気になる ああダンジェロスさま 

 おっとっと、私まで取り憑かれそう。姉は弟が死ぬと同時に自殺するのだが、さるBBSで聞いたところによると、主人公が自殺する話は少女漫画界では長い間ご法度だったらしい。そうよね、感受性豊かな年頃にそんな漫画を読んだら青少年の自殺が増えます。『月刊セブンティーン』 だからかろうじて発表出来たのか。「月セ」 には他に池田理代子氏の 「オルフェウスの窓」 とか 大島弓子氏の 「バナナブレッドのプディング」、しらいしあい氏の 「ばあじんおんど」 等、「週間セブンティーン」 では水野英子氏の 「ファイアー!」、西谷祥子氏の 「花びら日記」、津雲むつみ氏 「おれは男だ!」 を載せるなど、比較的問題作・話題作を読めるちょっと大人な雑誌群でした。「月セ」は今はファッション誌になっていて、まんがの部分は違う雑誌に引き継がれているらしいです。

 この作品は、好きな人とそうでもない人と評価が分かれるかも。萩尾 望都氏好きな女の子はみんな好きかなー読んだ事ある方、コメントお寄せください。
コメント (11)
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