猫とマンガとゴルフの日々

好きな物を題名に↑ 最近はゴルフとグルメお出かけ主体に。以前は1960年~70代マンガを紹介していました。ネタバレ有り。

青池 保子 「修道士ファルコ」 

2007年08月23日 11時46分42秒 | マンガ家名 あ行
              白泉社刊 1巻 1992年12月2日 2巻 2001年12月4日

 たれぞ~さんにお借りしています。 → たれぞ~さんのブログ


 作者があとがきで言っていますが、実に1巻と2巻のあいだに9年の歳月が流れています。初出は1巻が1991年 花曜日 サマーの号~1992年スプリングの号まで、2巻が メロディー 2001年1月~7月号まで。
 この作品も特に作者に愛されていた作品だったのね。

 修道院が舞台のこととて、西洋的まったり感が漂って、この雰囲気は私も覚えがある。小学校だけ通ったミッションスクールの学校内にあった教会、土曜日の午後ロザリオを数えながら (お祈り一つするごとにロザリオの玉を一つ数えるのです) 過ごしたあのしっとりとした空気。
 なんたって主人公は14世紀後半、俗世で名高い剣客の騎士であったファルコ (鷹の意) という名の修道士なのだ。
 したがって舞台となるのは中世の教会の中とか、尼僧院だったり、町に出ても遊ぶわけじゃなし、女人はご法度だし、という具合。僧の頭をそるトンスラという当時の習慣のために美形の僧がいてもカッパ頭で出演美男子少数。

 
                     ↓ トンスラとはこういう頭ね
   
                    

 ただ、ファルコはある事情があってトンスラをそれず、俗体のままなので青池流馬面美男子さんなのだが、なにせ周りが地味~~一応教会を助けるために昔の騎士の姿に扮した姿もりりしく、活劇部分もあってファルコのカッコイイ姿も見られます。

 私読む前は 惣領 冬実氏 「チェーザレ」 のような実録物かと思ったのですが、全部ではなく一部史実に基づいているようなところが有ります。
           
 詳しくは貸していただいたたれぞ~さんの記事 → 「修道士ファルコ」のネタバレ含む舞台裏 をご覧下さい。

 この作品は、はじめにも愛された作品と言ったけど、作者が描きたくて描いている趣味の作品のような気がする。ヨーロッパ中世とかキリスト教とかお好きなんでしょうね~。「アルカサル-王城-」 も読みたくなって来ましたよ~~。

くわしくはまたまた たれぞ~さんの アルカサル-王城-ネタバレ含む舞台裏 などにとても詳しく書かれています。


 さて、歴史についてはたれぞ~さんの方がくわしいのでお任せするとして、(笑)
 
 私は宗教評論家 (そんなのがあるのか?) でも何でもないですが、感じた事を少し。
 
 仏教もキリスト教イスラーム教も始めは新興宗教の一つに過ぎなかったし、ゆえに迫害されたりしているが、長く広く世界三大宗教として世界中にここまで広まったのはあまたある宗教の中でもなにか特別なものがあったのでしょうね。詳しくは私も知りませんが、中興の祖とか殉教者もいっぱい居そうだし、各宗教の中でも枝分かれが凄そうです。
 
 個人的な意見ですが、宗教が人に安心感を与えてくれるのが布教の大きな原動力になっていると思います。この作品やあとがきに出てくる尼さんたちのなんと無邪気でゆるぎない信念を持っていること。全て神の教えに従っていれば安心して暮らしていけると信じています。実際そうです。どんな理不尽な事があっても神がお与えになった試練だと思えば何でも耐えられる・・・のです。強いのです。
 今現在日本の新興宗教と言われているものに入会している人の気持ちもほんのちょっぴりですが分かる気がします。迷いが無くなるのですもの、本人は幸せですよ。でも他人には薦めないでよいですからね。(ここが言いたい)
 
 一方この作品の男性の修道士の方はちょっと生臭いところもあって、こんな世界の中でも出世したいと思っているものが居るのは笑えます。ずっと前に見たヴァチカンを舞台にしたヨーロッパ映画で教皇になりたがる修道士の話があったけども、どこに行っても人間てそういう煩悩からは逃げられないのね。(笑) 人間が社会的な動物だという証拠でもあるのでしょうか。
 
 もちろん現実の修道女、修道士の方々は立派な方がいっぱいいらっしゃいますよ。私が小学校の頃お会いした方々は皆さんそういった人たちでした。

 ひねくれ者の私には、宗教をこんな見方しかできないのですが、でも待ってよ、数の原理で便宜上西暦を使ってはいるものの、日本人のいったい何人が2007年前に本当にイエス・キリストが生まれたなんて信じているのだろうか。

 なにか取り留めなくなってしまいました。宗教は深いからね~。こういうところで無知な自分が何か書くのはちょっと怖いかも。このくらいにしておこ。クワバラクワバラ・・・。
コメント (11)
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