猫とマンガとゴルフの日々

好きな物を題名に↑ 最近はゴルフとグルメお出かけ主体に。以前は1960年~70代マンガを紹介していました。ネタバレ有り。

COMの中の女性作家 ⑤ もりた じゅん 「雪の夜」

2007年08月15日 16時40分16秒 | まんがエリートのための雑誌 COM
 COM 1968年1月新年特別号 ぐら・こん まんが予備校の中の青春実験まんがコース 

 以前記事を書いた → もりた じゅん先生について話しましょうよ。 もりた じゅん氏 19歳の時のCOMへの投稿作品 600点満点のうち325点を取っています。佳作の中の次点。雪の夜(よ)という題名で20ページの作品。

 あらすじ

 貧しい恋人同士の一人の青年はショーウィンドーの中のマネキンが着ているコートを彼女に着せてあげたいと思う。しかしお金のない青年は毎日のようにマネキンが着ているコートをショーウィンドーの前で眺めるだけだった。
 
 雪の夜外出から帰った青年は部屋に見知らぬ少女がいるのを見つけて問いただす。あっその洋服は ! 少女はウィンドーの中のマネキン人形だった。マネキンは青年が毎日見に来てくれるのを、自分に対する愛情と錯覚し、自分も青年を愛するようになっていたのだ。しかし片思いだと知ったマネキンは泣きながら走ってくる自動車に身を躍らせてしまう。


 選者の 峠あかね氏 は (以下同本より引用させていただきます。)

 貧しい青年が店頭のコートを欲しがる前半から、青年に対するマネキンの恋へと発展する後半に、見事な盛り上がりがあるし、結末もいい。
 画面が全体に白っぽくなりすぎているのがさみしい


 と評しています。

 3Pしか載っていないのですが、ラストは恋人たちのほのぼのタッチで終わっているようです。マネキンが自殺 (?) してからの展開はどうなって行ったのでしょうか ? 。ちょっと気になるところ。
 絵柄はいろいろな人が混ざり、いまだ自分の絵柄は確立されていない時期のようですが、中でも一番 もりた氏 らしいラインが出ているのが上の写真で、青年の顔は もりた氏の 線ですね~。
 それにこの頃からひらがなの もりた じゅん 名で投稿していて、ペンネームを決めているのですね。この年の春には りぼん でデビューされてます。

 なお、この時の佳作1番は600点満点中330点を取った 神江(こうえ) 里見氏 (作品 弐十手物語、虎視眈々、下苅り半次郎、他多数) の 「ある日の十七才」 。高校生の淡い恋愛ものですが、絵は達者で後年のタッチがそこここに出ています。

 又、ステップコースというテーマが決まって、それに沿って膨らませて作品を描くコースの (この回は えんとつ) 佳作の中には 阿部 律子 の文字が。絵が小さくてはっきりしないのですが、あべ りつこ さんだと思うのですが。
 最近COMの投稿作品の中に後のまんが家さんのお名前を探すのが楽しくて。そうよね~、当時は皆さんアマチュア、どなたが後にまんが家になるかなんて皆目分かりませんでしたが、今見直すといっぱいいらっしゃいます。
 
 流石にそういう方々は当時から上手くて、そして皆さん絵柄が新しいのです。私も見ていて、良いお話でも絵柄が古臭いとそれだけで面白み半減でしたね。まんがはやはりお話だけじゃないですよね
コメント (8)
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