河出書房新社 2003年6月30日 初版
この妖艶な美少年の表紙にフラフラと釣られて・・・この本を買ってしまったのはア・タ・シです。漫画ブログの中では有名な 漫棚通信さん → 漫棚通信ブログ版の過去記事でこれが載ってまして・・・。
中村 圭子さんとは、東京文京区の弥生美術館 → 弥生美術館・竹久夢二美術館 の学芸員の方です。これは中村さんが編んだ昭和の美少年の挿絵などを集めた本です。弥生美術館は昔から好きなところで、この本に出ている 高畠 華宵の 「さらば故郷(ふるさと)」 という丁稚奉公にあがるらしい少年と別れを惜しむ犬の絵は以前こちらで見ました。
この本の写真の部分には、他に 伊藤 彦造、山口 将吉郎、山川 惣治、石原 豪人(ごうじん)らの小説挿絵が並んでいます。
「文学に描かれた美少年」 や 「昭和の少女まんがに登場した美少年」、「美少年の時代による顔の比較」 などの読み物等も有りますが、まずはじっくりと昭和初期の挿絵画家の絵に見入る・・・。
私はやっぱり華宵の頬がふっくらして赤く染まった少年が好みかしら、いやいや山口 将吉郎の 「木村 長門守重成の奮戦」 の馬上の木村 重成もよいわ~~(よ・よだれが・・・) 木村重成は豊臣氏滅亡の折の大阪冬の陣・夏の陣の際の大阪方の武将です。年若く美丈夫であったということで、私は司馬 遼太郎氏の 「城塞」 (新潮文庫 上・中・下3巻) で彼の奮戦をうっとり読んだものだ。滅びの美学でした。
それにしても、表紙の少年はエ・エロイ。これを描いた高畠 華宵には男色の好みがあったということで、弟子の美少年に囲まれて暮らしたということですが、それでなくてはこんな絵は描けませんねー。
明治中期には、 「美少年」 という言葉は単に 「良い少年 心清き優秀な少年」 という意味で、頻繁に使われたという記述にもびっくり。
教育的な性格を持つ少年雑誌の中に 「美少年」 という言葉があふれていたと言うのですから、今読むと仰天するかも。当時は容貌の美しさはおまけのようなものだったのですね。それが大正末期に華宵の描く両性具有的美少年の怪しい魅力の挿絵が爆発的人気を得ると、ニュアンスが変わってきたものなのでしょう。
「昭和の少女まんがに登場した美少年」の中に、「風と木の詩」 のセルジュや、「草迷宮・草空間」 の草、「月の子」 のショナ、などが絵入りで。「日出処の天子」 の厩戸の王子、「夢見る惑星」 のイリス王子、「摩利と新吾」 の摩利と新吾、「化粧曼荼羅」 の白貴、ボーイフレンド系として 「ホットロード」 の春山などたくさんの我々になじみのある名前 (これらは名前のみ) も載ってましたよ。
この妖艶な美少年の表紙にフラフラと釣られて・・・この本を買ってしまったのはア・タ・シです。漫画ブログの中では有名な 漫棚通信さん → 漫棚通信ブログ版の過去記事でこれが載ってまして・・・。
中村 圭子さんとは、東京文京区の弥生美術館 → 弥生美術館・竹久夢二美術館 の学芸員の方です。これは中村さんが編んだ昭和の美少年の挿絵などを集めた本です。弥生美術館は昔から好きなところで、この本に出ている 高畠 華宵の 「さらば故郷(ふるさと)」 という丁稚奉公にあがるらしい少年と別れを惜しむ犬の絵は以前こちらで見ました。
この本の写真の部分には、他に 伊藤 彦造、山口 将吉郎、山川 惣治、石原 豪人(ごうじん)らの小説挿絵が並んでいます。
「文学に描かれた美少年」 や 「昭和の少女まんがに登場した美少年」、「美少年の時代による顔の比較」 などの読み物等も有りますが、まずはじっくりと昭和初期の挿絵画家の絵に見入る・・・。
私はやっぱり華宵の頬がふっくらして赤く染まった少年が好みかしら、いやいや山口 将吉郎の 「木村 長門守重成の奮戦」 の馬上の木村 重成もよいわ~~(よ・よだれが・・・) 木村重成は豊臣氏滅亡の折の大阪冬の陣・夏の陣の際の大阪方の武将です。年若く美丈夫であったということで、私は司馬 遼太郎氏の 「城塞」 (新潮文庫 上・中・下3巻) で彼の奮戦をうっとり読んだものだ。滅びの美学でした。
それにしても、表紙の少年はエ・エロイ。これを描いた高畠 華宵には男色の好みがあったということで、弟子の美少年に囲まれて暮らしたということですが、それでなくてはこんな絵は描けませんねー。
明治中期には、 「美少年」 という言葉は単に 「良い少年 心清き優秀な少年」 という意味で、頻繁に使われたという記述にもびっくり。
教育的な性格を持つ少年雑誌の中に 「美少年」 という言葉があふれていたと言うのですから、今読むと仰天するかも。当時は容貌の美しさはおまけのようなものだったのですね。それが大正末期に華宵の描く両性具有的美少年の怪しい魅力の挿絵が爆発的人気を得ると、ニュアンスが変わってきたものなのでしょう。
「昭和の少女まんがに登場した美少年」の中に、「風と木の詩」 のセルジュや、「草迷宮・草空間」 の草、「月の子」 のショナ、などが絵入りで。「日出処の天子」 の厩戸の王子、「夢見る惑星」 のイリス王子、「摩利と新吾」 の摩利と新吾、「化粧曼荼羅」 の白貴、ボーイフレンド系として 「ホットロード」 の春山などたくさんの我々になじみのある名前 (これらは名前のみ) も載ってましたよ。
弥生美術館は、以前住んでいたところの近くだったんですよー。
すごい学芸員さんがいらっしゃるんですね!
この近くには、小さいですけど浮世絵美術館もあったりして、面白いところですよね。
また行ってみようかなあ。
主人公をやたらに「美少年」っと明記するのがありまして
閉口した思い出があります(笑)
な~るほど…美少年ってのはそういう意味で捉えられていたのですね~そういう意味に置き換えると話は通じます
意味を知らなかったので…よくもまあ~自分のコトを美少年っと言い切るもんだわっと思ってしまいました~(笑)
トミーさん…ふっくら紅顔の美少年好きですか~?
摩利と新吾はホッソリ紅顔の美少年のような~(アハハハ
私もちょっとそそられたけど
早速、買ってくるところがトミーさんだわ~
高畠華宵の絵は三越のポスター等でよく見かけますが
○モだったのねぇ
確かに少年の絵の方が、そこはかとなく色っぽい~
晩年はかなりお金に困ったとか。。。
この方の華やかでデカダンな雰囲気が、
当時の軍部にお気に召すわけは無いから
戦争中は苦労されたのでしょうね
ん?でも
華宵が活躍した時代はどっちかって言うと
大正じゃないの~?
>イリス王子
確かに美少年、絶世の美貌つ~設定なのよ!
でも、美少年の系譜の中に入れられると、何か違和感が。。。
今そちらへ伺って読んで来ましたよ~。仁徳天皇って複雑な心を持っていたのですね。いつの時代も親と子って・・・というところでしょうか。第2弾も楽しみにしています。
弥生美術館のあるあたりは弥生式土器が発見された由緒正しい土地柄で、道を挟んで東大の広大な敷地も広がり風情のあるところですよね。隣にできた夢二美術館の方は行ったことないので、今度行きたいと思ってます。
満点様
高畠 華宵の描く少年はどんなかっこうしていてもなーんかエロイんですよ。貧しい田舎の少年が奉公に出る場面や、苛められて泣いているところなんかも他の人が描くものよりずっと色気があるのです。夢二の少年なんか自分の子供を手本にしているせいか、そんなものは露も感じられない子供向きイラストになってます。女性は清潔な色気があるように思いますが。
華宵の絵は、その際どさが今も昔も人の心をつかむんでしょうか。
>摩利と新吾はホッソリ紅顔の美少年のような~
そうなんですが、木原先生の絵は 乾いていて (ここんとこわかってくれるかなー) 逆にセックスアピールを感じないのは私だけ ? 摩利と夢殿さんがベットインしてても生々しく感じないんですよ。よしなが ふみさんなんか湿ってる感じするんですけど。この話すると長くなりそう。
華宵の絵はそういえば 大正ロマン の女性の絵って感じしますよねー。まあ、昭和も戦前までのご活躍なんでしょうけど。又弥生美術館へ行って華宵の絵を見たくなって来ましたよ。
イリス王子はもう美青年の部類よね。盛装した白い衣装のイリスを映画化したら誰がやれるだろうなんて想像して、今は誰もおらんと考え直す私です。
キラキラの美少年はみているただけで良いわ~
でもあくまで観賞用ね
近くに居たら女より綺麗だと妬けるし(笑)
あっそうそうトミーさんんにお借りした「陽の草原」読み終わりました~
なんか1冊で終わるのが勿体無い感じですね
続きとか書かれないのかしら?
塔野藻裳氏のブログに伺って、催促してみてくださいよー。私はコメ欄に仁徳天皇について描いてくれってずうずうしくお願いしてしまいましたー。
ほんと、ほんと!
確かに木原さんのはキラめいていて光過ぎて
乾いているかも…(ハハハハ)
片袖を脱いでいても色気は感じないですもんね~(笑)
たれさ~ん!
「衆道」って言葉…久しぶりに聞いたワ~(アハハハ)
漫画家さんの中でも、乾いた色気の絵の方と湿った色気を描かれる方の区別をやってみたいですね。でも、感じ方は人それぞれだし微妙に違うかも。なんとなーく感じてます。
乾いてる派 手塚大先生・水野先生・山岸先生・今一子先生
湿ってる派 竹宮先生(一部作品のみ)・萩尾先生・青柳裕介先生
うーん、わかんなくなってきたぞ。
西洋の思想が入ってくる以前の日本では衆道はさほど珍しくなかったように聞いていますが。
男X男が罪深い、って話はそもそもキリスト教(男色を罪としたから)的な考えで、日本ではさほど罪深い考えではなかったとか…聞きましたけど。でなければ衆道という言葉もなかったんでは。。。
それはともかく「乾いてる」派はトミー。さんとはまるで逆の印象ですわ、私。
湿ってる派は山岸さん、諸星さん、今さん、、、、あっ、スミマセン、「乾いてる派」がないわ!私!いやん!