白泉社刊 1巻 1992年12月2日 2巻 2001年12月4日
たれぞ~さんにお借りしています。 → たれぞ~さんのブログ
作者があとがきで言っていますが、実に1巻と2巻のあいだに9年の歳月が流れています。初出は1巻が1991年 花曜日 サマーの号~1992年スプリングの号まで、2巻が メロディー 2001年1月~7月号まで。
この作品も特に作者に愛されていた作品だったのね。
修道院が舞台のこととて、西洋的まったり感が漂って、この雰囲気は私も覚えがある。小学校だけ通ったミッションスクールの学校内にあった教会、土曜日の午後ロザリオを数えながら (お祈り一つするごとにロザリオの玉を一つ数えるのです) 過ごしたあのしっとりとした空気。
なんたって主人公は14世紀後半、俗世で名高い剣客の騎士であったファルコ (鷹の意) という名の修道士なのだ。
したがって舞台となるのは中世の教会の中とか、尼僧院だったり、町に出ても遊ぶわけじゃなし、女人はご法度だし、という具合。僧の頭をそるトンスラという当時の習慣のために美形の僧がいてもカッパ頭で出演美男子少数。
↓ トンスラとはこういう頭ね
ただ、ファルコはある事情があってトンスラをそれず、俗体のままなので青池流馬面美男子さんなのだが、なにせ周りが地味~~一応教会を助けるために昔の騎士の姿に扮した姿もりりしく、活劇部分もあってファルコのカッコイイ姿も見られます。
私読む前は 惣領 冬実氏 「チェーザレ」 のような実録物かと思ったのですが、全部ではなく一部史実に基づいているようなところが有ります。
詳しくは貸していただいたたれぞ~さんの記事 → 「修道士ファルコ」のネタバレ含む舞台裏 をご覧下さい。
この作品は、はじめにも愛された作品と言ったけど、作者が描きたくて描いている趣味の作品のような気がする。ヨーロッパ中世とかキリスト教とかお好きなんでしょうね~。「アルカサル-王城-」 も読みたくなって来ましたよ~~。
くわしくはまたまた たれぞ~さんの アルカサル-王城-ネタバレ含む舞台裏 などにとても詳しく書かれています。
さて、歴史についてはたれぞ~さんの方がくわしいのでお任せするとして、(笑)
私は宗教評論家 (そんなのがあるのか?) でも何でもないですが、感じた事を少し。
仏教もキリスト教イスラーム教も始めは新興宗教の一つに過ぎなかったし、ゆえに迫害されたりしているが、長く広く世界三大宗教として世界中にここまで広まったのはあまたある宗教の中でもなにか特別なものがあったのでしょうね。詳しくは私も知りませんが、中興の祖とか殉教者もいっぱい居そうだし、各宗教の中でも枝分かれが凄そうです。
個人的な意見ですが、宗教が人に安心感を与えてくれるのが布教の大きな原動力になっていると思います。この作品やあとがきに出てくる尼さんたちのなんと無邪気でゆるぎない信念を持っていること。全て神の教えに従っていれば安心して暮らしていけると信じています。実際そうです。どんな理不尽な事があっても神がお与えになった試練だと思えば何でも耐えられる・・・のです。強いのです。
今現在日本の新興宗教と言われているものに入会している人の気持ちもほんのちょっぴりですが分かる気がします。迷いが無くなるのですもの、本人は幸せですよ。でも他人には薦めないでよいですからね。(ここが言いたい)
一方この作品の男性の修道士の方はちょっと生臭いところもあって、こんな世界の中でも出世したいと思っているものが居るのは笑えます。ずっと前に見たヴァチカンを舞台にしたヨーロッパ映画で教皇になりたがる修道士の話があったけども、どこに行っても人間てそういう煩悩からは逃げられないのね。(笑) 人間が社会的な動物だという証拠でもあるのでしょうか。
もちろん現実の修道女、修道士の方々は立派な方がいっぱいいらっしゃいますよ。私が小学校の頃お会いした方々は皆さんそういった人たちでした。
ひねくれ者の私には、宗教をこんな見方しかできないのですが、でも待ってよ、数の原理で便宜上西暦を使ってはいるものの、日本人のいったい何人が2007年前に本当にイエス・キリストが生まれたなんて信じているのだろうか。
なにか取り留めなくなってしまいました。宗教は深いからね~。こういうところで無知な自分が何か書くのはちょっと怖いかも。このくらいにしておこ。クワバラクワバラ・・・。
たれぞ~さんにお借りしています。 → たれぞ~さんのブログ
作者があとがきで言っていますが、実に1巻と2巻のあいだに9年の歳月が流れています。初出は1巻が1991年 花曜日 サマーの号~1992年スプリングの号まで、2巻が メロディー 2001年1月~7月号まで。
この作品も特に作者に愛されていた作品だったのね。
修道院が舞台のこととて、西洋的まったり感が漂って、この雰囲気は私も覚えがある。小学校だけ通ったミッションスクールの学校内にあった教会、土曜日の午後ロザリオを数えながら (お祈り一つするごとにロザリオの玉を一つ数えるのです) 過ごしたあのしっとりとした空気。
なんたって主人公は14世紀後半、俗世で名高い剣客の騎士であったファルコ (鷹の意) という名の修道士なのだ。
したがって舞台となるのは中世の教会の中とか、尼僧院だったり、町に出ても遊ぶわけじゃなし、女人はご法度だし、という具合。僧の頭をそるトンスラという当時の習慣のために美形の僧がいてもカッパ頭で出演美男子少数。
↓ トンスラとはこういう頭ね
ただ、ファルコはある事情があってトンスラをそれず、俗体のままなので青池流馬面美男子さんなのだが、なにせ周りが地味~~一応教会を助けるために昔の騎士の姿に扮した姿もりりしく、活劇部分もあってファルコのカッコイイ姿も見られます。
私読む前は 惣領 冬実氏 「チェーザレ」 のような実録物かと思ったのですが、全部ではなく一部史実に基づいているようなところが有ります。
詳しくは貸していただいたたれぞ~さんの記事 → 「修道士ファルコ」のネタバレ含む舞台裏 をご覧下さい。
この作品は、はじめにも愛された作品と言ったけど、作者が描きたくて描いている趣味の作品のような気がする。ヨーロッパ中世とかキリスト教とかお好きなんでしょうね~。「アルカサル-王城-」 も読みたくなって来ましたよ~~。
くわしくはまたまた たれぞ~さんの アルカサル-王城-ネタバレ含む舞台裏 などにとても詳しく書かれています。
さて、歴史についてはたれぞ~さんの方がくわしいのでお任せするとして、(笑)
私は宗教評論家 (そんなのがあるのか?) でも何でもないですが、感じた事を少し。
仏教もキリスト教イスラーム教も始めは新興宗教の一つに過ぎなかったし、ゆえに迫害されたりしているが、長く広く世界三大宗教として世界中にここまで広まったのはあまたある宗教の中でもなにか特別なものがあったのでしょうね。詳しくは私も知りませんが、中興の祖とか殉教者もいっぱい居そうだし、各宗教の中でも枝分かれが凄そうです。
個人的な意見ですが、宗教が人に安心感を与えてくれるのが布教の大きな原動力になっていると思います。この作品やあとがきに出てくる尼さんたちのなんと無邪気でゆるぎない信念を持っていること。全て神の教えに従っていれば安心して暮らしていけると信じています。実際そうです。どんな理不尽な事があっても神がお与えになった試練だと思えば何でも耐えられる・・・のです。強いのです。
今現在日本の新興宗教と言われているものに入会している人の気持ちもほんのちょっぴりですが分かる気がします。迷いが無くなるのですもの、本人は幸せですよ。でも他人には薦めないでよいですからね。(ここが言いたい)
一方この作品の男性の修道士の方はちょっと生臭いところもあって、こんな世界の中でも出世したいと思っているものが居るのは笑えます。ずっと前に見たヴァチカンを舞台にしたヨーロッパ映画で教皇になりたがる修道士の話があったけども、どこに行っても人間てそういう煩悩からは逃げられないのね。(笑) 人間が社会的な動物だという証拠でもあるのでしょうか。
もちろん現実の修道女、修道士の方々は立派な方がいっぱいいらっしゃいますよ。私が小学校の頃お会いした方々は皆さんそういった人たちでした。
ひねくれ者の私には、宗教をこんな見方しかできないのですが、でも待ってよ、数の原理で便宜上西暦を使ってはいるものの、日本人のいったい何人が2007年前に本当にイエス・キリストが生まれたなんて信じているのだろうか。
なにか取り留めなくなってしまいました。宗教は深いからね~。こういうところで無知な自分が何か書くのはちょっと怖いかも。このくらいにしておこ。クワバラクワバラ・・・。
青池ファンの私ですが、中でもこの「ファルコ」シリーズは大好き!!
トミーさんがおっしゃられる様にに作者自身が楽しんで描いていると感じられる作品です。
ご自身でも「西洋の坊さんが大好き」と公言している先生ですから(笑)
シリアスあり、アクションあり、おとぼけあり・・・と代表作の「エロイカ」や「イブ」にも共通するものがあるなぁと
さて「ファルコ」のモデルとなったと思われる「セビリアの伝承と伝説」という本ですが、史実性からいうと(?)の部分が多いらしい(苦笑)
なので「ファルコ」も実在の人物でない可能性が強いのです
古い本からこういうキャラを作り上げてしまうのは青池さんの力量だとおもいますね~
そうそう「アルカサル-王城」ですが、ファドリケに子供がいたとか、エル・レビが王様に殺されていたとか、色んな驚愕の事実が判り始め、ここの「ネタバレ含む舞台裏」をリニューアル予定です
といっても情報があまりに膨大なのでまで整理すら出来ていません。
トミーさんトコへ「アルカサル」が届いたら、是非こちらの2007/6/19のコメント欄も読んでみてくださいね
http://blog.goo.ne.jp/tarezoh_s/d/20070619
長々と失礼致しました(苦笑)
実は分からないのにもう読んでたりして・・・。凄いコメント数ですよね。好きな方多いんだな~。これは絶対読んでからもう一度じっくり読まなければ意味不明のところも有り・・・。
たれぞ~さんのHPの方も読まなければと思いつつ、日々の自分のブログに忙殺されまして。お借りしたまんがの記事とか、面白そうなまんが記事いっぱいあるんですけど。ううっ少しづつ読みますね。
修道士のでてくるお話って、あんまり知らないんですが、映画「薔薇の名前」は大変面白かったのを憶えています。
残念ながら?主役のショーン・コネリーはトンスラではなかったように記憶していますが。(笑)
そういえば「薔薇の名前」はウンベルト・エーコの原作がさらに面白い!と知人に薦められたことがあります。
不覚なことにまだ未読ですが…
私もたれぞ~さんのアルカサルのコメント欄、実は朝からず~っと読ませていただいてました。(まだ半分くらいですが)
私にも難しくていっぱい分からないところがあったんですが、分かるところだけ読ませて頂いてても、歴史が色んなところで絡み合ってるようで、面白いんですね~…
それにしても皆さんの博学と情熱に脱帽です。
ファルコもいたって大真面目な修道士なのに
なんか笑える。。。
青池さんの遊び心満載のマンガですね
でも、中世キリスト教的精神て言うと
十字軍とか魔女狩りとか狂信的なマイナスイメージが付きまとうんだけど
この話を読むと
ちょっと生臭い修道士とか、宗教心に燃えた修道女とか
結構人間味に溢れてて、
宗教心からほど遠い日本人でも、
妙に納得する説得力がありますね~
私は残念ながら1巻しか持ってないので
2巻目を早く探さねば~
くまさんの言う「薔薇の名前」も連想しましたよ~
作品の雰囲気は全く逆ですけどね。。。
確かこれのモデルというか撮影に使われたのがドイツのエーベルバッハ(エバーバッハ)修道院だったような???
http://www.monodukuri-net.com/new/3rd/1-Deutsch/eberbach/eberbach.html
名前でもお解かりの様に青池先生もこの修道院へは取材に行かれていたはずなので、「ファルコ」の作中でも参考にされているかも?
ドイツのエーベルバッハ市と同じ名前ですが、場所は全然違うトコになるんだよね~
映画と同じくワインの醸造で有名な修道院らしいです
なんか樽とかみていると映画を思い出しませんか?
(って殺人が行われていたけど・汗)
ってことで、豆知識でした~(苦笑)
名前は有名な「薔薇の名前」、私は見ていないのですが、綺麗な題名に反して難しそうな映画だったと思ってました。ですが、面白いのですね。
>たれぞ~さんとこの アルカサルのコメント欄
凄いですよね~。またコメつける方々の博識なこと!歴史の授業より面白いですわ~。アルカサルを読んだ後でじっくり私も見てみなくては。
なんかこんな記事では、このまんがの面白さが伝わりませんでしたが、普通にまんがとして読んでも面白い修道士さんのお話として子供でも面白いですよね。一生懸命やってるのになぜか可笑しい、でもファルコカッコイイみたいな。
>作品の雰囲気は薔薇の名前と真逆
うーん、どんなのだろう。見たくなってきた。
ミステリーなんだけど
時代考証や俳優陣のすばらしさに感動しますよ!
一回見ただけでは良くわからないところもあるので
DVDを借りてじっくり見ることをお奨めします~
映画好きには堪らん作品でした。夜様の仰るとうり、あの難解な原作を見事に映像化した事にまず感動し、ラストの磔にされた少女が生き残るまでの、畳み掛けるような展開に感動し(ずっと心の内でアヴェマリアを歌っていました)知識の塔の無数の本たちが炎上する様に泣き、エンドロールが流れる頃には、疲れ果てて呆然としてしまいました(笑)
私は、この作品当時のショーン・コネリーが一番好きで、「インディジョーンズ3」も好い味だしてるわ~と、にやにやして観ていたものです。
映画好きな方々がみなさんお奨めなんですね。最近ツ○ヤカラ借りるのがめんどくさくて、見ていなかったんですが、やっぱり重い腰を上げなければいけないかな。