やっと記事UP出来そうです~。ぜぇぜぇ。予告なんかしなけりゃ良かった。
写真は私の持っている ㈱白泉社 の白泉社文庫版 「銀の三角」 1994年9月21日 初版のもの。新しいものだと思っていたけれど、既に12年経っているのですね。
裏表紙に書いてある内容説明から、ちらちら引用すると、
6年に一度の朝を迎える惑星 「銀の三角」。そこに住む民人(たみびと)は長い金虹彩(きんこうさい)の瞳を持ち、近未来を予言する音楽を奏でる事が出来た。だが、特殊な能力を持つがゆえに、惑星戦争に巻き込まれ、絶滅したと思われていた。しかし、3万年後再びなぜか姿を現す。時空人マーリーの謎解きの旅が始まる・・・。
とかなんとか。でもこのお話、読んだ方はわかると思うけど、あらすじはほんの取っ掛かりというか、はっきり言うと意味ないんだな。
初出は 「SFマガジン」 早出書房 1980年12月号~1982年6月号までの連載、300ページ程です。この文庫の解説は、SF作家の 野阿 梓氏 ですが、中で
SFマガジンはSFを書く人間にとって特別な場所である。その頃はSF専門誌も他に数誌あったのだが、その中でも SFマガジンは特殊な位置を占めていた。小説であれマンガであれ、そこに書く事はなんというか別格なのだった。
と書いている。私はレイ・ブラッドベリは好きだったが、他のSFには興味がなく、この雑誌も買った事は無い。でもその世界では有名な雑誌だという事は知っていた。(今も ?) 始めに読んだ時は ふ~ん、あれに載っていたんじゃ、凝りに凝ってて当然かしら、なんて思ったものだ。生意気にも。
とにかく、複雑難解な作品で、発表雑誌を選ぶというか、SFマガジンだから萩尾先生もここまでやったのよね、と言う感じか。今回、何度目かの読み直しをしたが、未だに3つか4つのポイントを、私は理解していないんじゃないかと・・・。うー。
萩尾先生がこれ以前に描いた作品のアイデアや、SFの古典的なエピソードなども登場する。6年に一度の周期で来る婚礼 (繁殖期) の話は、「ハーバル・ビューティー」 の中で7年ごとの革命の季節という (本当は繁殖期) ことで、出てくるし、1980年のイラスト集 「金銀砂岸」 に初出している 「酔夢」 の中でも、同じ夢を繰り返し見る、実は生まれ変わって同じ出来事を繰り返している、という設定も出てくる。ただ、同じ時間を違う設定で何パターンも繰り返す、という話は、いろいろなSFで見た(読んだ)ことがある。
「金銀砂岸」 の中で登場人物に 「時空間のトラウマの傷を治癒しようとしているとも・・・」 と言わせているが、それはまさしく、「銀の三角」 のモチーフなのだ。こちらの作品を発展させて、「銀の三角」 が出来たのかも知れない。とにかく、萩尾 望都のSF的なものがてんこ盛りなのだ。絵柄も、個人的にはこの頃のものが好きで、どのページを開いてもそのままイラスト集になりそうな美麗な描線で、私の一番好きな作品です。
ところが、世間的には 「ポーの一族」 とか、「11人いる!」 とか、他の萩尾作品よりちょっと知名度が落ちるのはなぜ ? 掲載誌がマンガ雑誌でなかったから、当時のマンガ少女達の目には触れにくかったのか。そんなところでしょうね。
1992年9月の雑誌 「CREA」 の大アンケートによると、「永遠の少女マンガベスト100」 の中で58位に入っている。結構健闘していると言うべきか ?
ちなみに、そのときのベスト10は、
1位 ポーの一族
2位 日出処の天子
3位 ベルサイユのばら
4位 ガラスの仮面
5位 リボンの騎士
6位 エースをねらえ
7位 動物のお医者さん
8位 はいからさんが通る
9位 つる姫じゃ~
10位 トーマの心臓
となっていますが、なにしろ14年前のアンケートなので、今やったら何が残って何が入るんでしょうね。
しかし、同じ「CREA」の 私だけのベスト10 というコーナーには、吉野 朔実先生が、ダントツの一位に 「銀の三角」 を押していた。好きな人は大好きな作品なのだなぁ~。
未読の方はぜひ一読、と言わずに多分難読になる いや 何度読みでもして下さい。
写真は私の持っている ㈱白泉社 の白泉社文庫版 「銀の三角」 1994年9月21日 初版のもの。新しいものだと思っていたけれど、既に12年経っているのですね。
裏表紙に書いてある内容説明から、ちらちら引用すると、
6年に一度の朝を迎える惑星 「銀の三角」。そこに住む民人(たみびと)は長い金虹彩(きんこうさい)の瞳を持ち、近未来を予言する音楽を奏でる事が出来た。だが、特殊な能力を持つがゆえに、惑星戦争に巻き込まれ、絶滅したと思われていた。しかし、3万年後再びなぜか姿を現す。時空人マーリーの謎解きの旅が始まる・・・。
とかなんとか。でもこのお話、読んだ方はわかると思うけど、あらすじはほんの取っ掛かりというか、はっきり言うと意味ないんだな。
初出は 「SFマガジン」 早出書房 1980年12月号~1982年6月号までの連載、300ページ程です。この文庫の解説は、SF作家の 野阿 梓氏 ですが、中で
SFマガジンはSFを書く人間にとって特別な場所である。その頃はSF専門誌も他に数誌あったのだが、その中でも SFマガジンは特殊な位置を占めていた。小説であれマンガであれ、そこに書く事はなんというか別格なのだった。
と書いている。私はレイ・ブラッドベリは好きだったが、他のSFには興味がなく、この雑誌も買った事は無い。でもその世界では有名な雑誌だという事は知っていた。(今も ?) 始めに読んだ時は ふ~ん、あれに載っていたんじゃ、凝りに凝ってて当然かしら、なんて思ったものだ。生意気にも。
とにかく、複雑難解な作品で、発表雑誌を選ぶというか、SFマガジンだから萩尾先生もここまでやったのよね、と言う感じか。今回、何度目かの読み直しをしたが、未だに3つか4つのポイントを、私は理解していないんじゃないかと・・・。うー。
萩尾先生がこれ以前に描いた作品のアイデアや、SFの古典的なエピソードなども登場する。6年に一度の周期で来る婚礼 (繁殖期) の話は、「ハーバル・ビューティー」 の中で7年ごとの革命の季節という (本当は繁殖期) ことで、出てくるし、1980年のイラスト集 「金銀砂岸」 に初出している 「酔夢」 の中でも、同じ夢を繰り返し見る、実は生まれ変わって同じ出来事を繰り返している、という設定も出てくる。ただ、同じ時間を違う設定で何パターンも繰り返す、という話は、いろいろなSFで見た(読んだ)ことがある。
「金銀砂岸」 の中で登場人物に 「時空間のトラウマの傷を治癒しようとしているとも・・・」 と言わせているが、それはまさしく、「銀の三角」 のモチーフなのだ。こちらの作品を発展させて、「銀の三角」 が出来たのかも知れない。とにかく、萩尾 望都のSF的なものがてんこ盛りなのだ。絵柄も、個人的にはこの頃のものが好きで、どのページを開いてもそのままイラスト集になりそうな美麗な描線で、私の一番好きな作品です。
ところが、世間的には 「ポーの一族」 とか、「11人いる!」 とか、他の萩尾作品よりちょっと知名度が落ちるのはなぜ ? 掲載誌がマンガ雑誌でなかったから、当時のマンガ少女達の目には触れにくかったのか。そんなところでしょうね。
1992年9月の雑誌 「CREA」 の大アンケートによると、「永遠の少女マンガベスト100」 の中で58位に入っている。結構健闘していると言うべきか ?
ちなみに、そのときのベスト10は、
1位 ポーの一族
2位 日出処の天子
3位 ベルサイユのばら
4位 ガラスの仮面
5位 リボンの騎士
6位 エースをねらえ
7位 動物のお医者さん
8位 はいからさんが通る
9位 つる姫じゃ~
10位 トーマの心臓
となっていますが、なにしろ14年前のアンケートなので、今やったら何が残って何が入るんでしょうね。
しかし、同じ「CREA」の 私だけのベスト10 というコーナーには、吉野 朔実先生が、ダントツの一位に 「銀の三角」 を押していた。好きな人は大好きな作品なのだなぁ~。
未読の方はぜひ一読、と言わずに多分難読になる いや 何度読みでもして下さい。
最新刊の「バルバラ異界」もSF物ですが…ど~も4巻で最終のようです。「残酷な~」のように長くなるのかとビクビクしながら買っていたのに…残念と言うか(まだ、最終巻は手に入れてないのですが…)今回の萩尾SFは面白いですヨ。最終巻を手に入れねば(笑)
~うふふ(笑)。「予告」は自分の首を絞めるんですよ~♪(^o^)。
>複雑難解な作品で、発表雑誌(SFマガジン)を選ぶというか・・
~読み手も「SF好き」を選ぶんじゃないだろか?。ネット検索したら
「硬質な印象を持つ、想像力の結晶体」っていう書評を見ました。
「硬質な印象」を読者に与える為に他の萩尾作品よりちょっと知名度
が落ちるのでしょうね(^o^)。
私のように「ストーリー読み」の「直木賞作品読み」の「SF好き」も
(萩尾望都)ふぁんですが、この作品は未読のようです(昔、萩尾作品
を買い漁った事があるのですが記憶に無いのです)。
世間的には「11人いる!」とかの解かり易い作品が支持されるのは
ごく普通の事だと思いますよ。
でも、「銀の三角」を押す人は皆「最高傑作」だって言ってるので、
私も触手がぴくぴく動いて来てます(笑)。
読んだことがあるのは
ベルバラ(文庫本持ってます)
日出処の天子
(コミックス持ってます)
ガラスの仮面
(妹がコミックスを持っていたのですが
結婚して離れてしまったため最新刊は
自分で買うようにしていますが
あまりにも出るのが遅いので
前巻を買ったのかどうかも忘れて
しまっていました(笑))
エ-スをねらえ(文庫本持ってます)
動物のお医者さん
(コミックス持ってます)
はいからさんが通る
(妹が持ってました。)
つる姫じゃ~
(文庫本持ってます。実は小学生の時に
連載されていたのですが、土田よしこさんの
大ファンで、りぼんで連載されていた
「私はしじみ」も大好きでノ-トに
書き写すほどでした(笑))
萩尾先生のお話でなくてすみません
やっぱり~。何度も読みますよね。好きなんだけど、理解できないっておかしな話ですが、私もそうなので何も言えません。
「バルバラ異界」まだ1巻しかマンガ喫茶で読んでいないのですが、(2巻がなくて3・4巻がそろってる なんだよ !) 既にわけわかんないです。ちゃんと買って、何度も読まないと半分も理解できないのじゃないかと心配。どーしよーかなー。
tooru_itou様
tooru_itouさんは絶対気に入ると思いますって。文庫でもあると思うので、ぜひ、ぜひ、ご一読を。
私も 「つる姫じゃ~」 がインパクト強くて、みんなそうなのね。ベストテンに入っているとは私もびっくりしました。
「動物のお医者さん」 大好きです。でも持ってはいないの。確か友人から借りたかな。連載誌を2号続けて買って、チョビのぬいぐるみをゲットしましたよ。十分大人になってから (恥かし)
頭が悪いせいか、モー様のSFは何度か読んで「あっそうか・・・」となる事もあったり・・・。
久々に「銀の三角」を取り出して読み直してみます。あの時ちんぷんかんぷんだった部分が少し繋がるといいんだけど・・・(汗)
>「バルバラ異界」
夜さんからお借りして読みました
雑誌で連載をしているときは次に読むまで時間があるせいか、繋がらなくて訳判らなかったけど、コミックスで読むとその違和感が少し薄れました。が、壮大な話なのに、最後が急遽まとめた観があり「龍頭蛇尾」という感じ。
まさかモー様ほどの漫画家の作品を打ち切りなんて事はないとは思うけど、1読者としては消化不良な漫画でした
(ってこれも私の理解度がないためかもしれんが・・・汗)
SFマガジンは毎回買っていましたね。SFサークルにも入って長いこと物書きの真似もしてました。
元祖オタクのひとりでございます。
「銀の三角」のほか「ユニコーンの夢」でしたっけ?戦に行ってしまう恋人を思う少女の物語りもありましたね。
「A-A’」も少女誌に掲載されたものの、かなり当時は斬新なアイデアでした。
ああ、竹宮さんの「ジルベスターの星から」も大好きですね!当時どこかの高校の放送部が音楽劇にしてて全国大会で優勝してました。
質が高いと思うよ~
「A-A’」より「マージナル」より
読み応え充分なすばらしいSFだと思う
だけど、世の中必ずしも
良い物=ヒット作じゃ無いのがつらい所
SF好きの受けは良くても
一般少女の目から見たら、
ラブがあって読みやすい「11人」の方が、
面白いんじゃない?
(実は私もそう思ってる)
永遠の少女漫画ランキング
少女漫画としてなら
私は「ポー」と「11人」を入れたい
SF漫画としてのそれなら
「マージナル」と「銀三角」だわ
ちなみに
私は「つる姫じゃ~」は嫌いだったわ
あの手のギャグとあの絵がダメだったな~
SF漫画の最高峰だと思います。
あちこちで布教活動(笑)を行っているのですが……
やはり知名度が低い。
連載で一度読んだだけでは理解できない難解なストーリー、
他の萩尾作品に比べて個人レベルの精神的交流が希薄、
それと、指摘されているように、文庫本裏表紙の粗筋
程度では面白さが伝わらない……等が原因でしょうか。
(表紙がラグトーリンだったらもっと売れたかも――邪推)
過去作との比較は全然やってませんでした。
本作のジェイフといい、『11人』のアマゾンといい、
『アメリカン・パイ』のグラン・パといい、細目君は
後始末役が似合うなぁ……ぐらい。(爆)
今回読み返して、ラグトーリンのモチーフの一人として、
『百億の昼と千億の夜』の阿修羅王はいたかも、
と思いました。
トラックバックさせて頂きました!