矢代 まさこ氏は、COMの女性作家の中でも作品数が多いので他の女性作家と別枠にしました。
始めに、矢代 まさこ氏のCOM掲載作品は以下の通り 参考 矢代 まさこ 掲載雑誌別作品リスト
短編シリーズ 1
蝶々の泣いた夜 16ページ 昭和43年(1968) 6月号
短編シリーズ 2
笑いかわせみにいえない話 20ページ 昭和43年(1968) 7月号
短編シリーズ 3
歌うたう里子 20ページ 昭和43年(1968) 8月号
短編シリーズ 4
わが名はボケ猫 20ページ 昭和43年(1968) 9月号
ノアとシャボン玉
短編シリーズ 5
クモの糸 3話 22ページ 昭和43年(1968) 10月号
短編シリーズ 6
ここちゃん 16ページ 昭和43年(1968) 11月号
短編シリーズ 7
5匹と2人の物語 24ページ 昭和43年(1968) 12月号
短編シリーズ 8の1
シャボン玉 23ページ 昭和44年(1969) 1月号
短編シリーズ 8の2
シャボン玉 24ページ 昭和44年(1969) 2月号
短編シリーズ 8の3
シャボン玉 24ページ 昭和44年(1969) 3月号
短編シリーズNo.9
影を落とした・・・・・・ 20ページ 昭和44年(1969) 4月号
短編シリーズNo.10
セント・レニの街 20ページ 昭和44年(1969) 5月号
短編シリーズNo.11
熱・すすき・白い闇 20ページ 昭和44年(1969) 6月号
短編シリーズ 最終回
まり子の涙 20ページ 昭和44年(1969) 7月号
ノアをさがして 48ページ 昭和44年(1969) 11月号
風のある絵 24ページ 昭和45年(1970) 3月号
ひろ子が待つ人 40ページ 昭和45年(1970) 7月号 『なかよし』掲載作品再掲
矢代まさこのおもいつ記 3ページ 昭和45年(1970) 5月増刊号
ノミの歌 24ページ 昭和45年(1970) 7月号 42年「別冊マーガレット」掲載作品の再掲 ※タイトルを変更
駄犬の目 24ページ 昭和45年(1970) 8月号
ひいらぎ 24ページ 昭和46年(1971) 1月号
エミのストールのこと 24ページ 昭和46年(1971) 4月号
うそつき鏡 24ページ 昭和46年(1971) 10月号
COM 昭和43年(1968)6月号掲載 短編シリーズ① 「蝶々の泣いた夜」
アラスジ
森のはずれに裸の少女の古い人形が捨てられています。女の子達は金髪のトップモードのお人形に目を奪われるものですから・・・。
人形はあんなに可愛がってくれていた女の子が急に変わってしまったのがわかりません。もうお友達は出来ないのかしら・・。
そこへバリバリと葉っぱを食べながらイモムシ君登場。イモムシを大きなハチから守ってあげて人形のミミとイモムシのゴロゴロ (ミミが歌からつけた) は友達になります。ゴロゴロがミミのベッドを葉っぱで作ってあげたりして楽しく時は過ぎ・・・。
秋が来るとゴロゴロはあんなにバリバリ食べていた葉っぱを食べなくなり、ついに神様からのような、抗えない命令が聞こえる・・・苦しい・・・と言いながら、サナギになって動かなくなります。大丈夫、僕死にはしないから、というゴロゴロの言葉を信じて人形は木枯らしの中、吹雪にもめげず、花が咲いても鳥が鳴いてもわき目も振らずにゴロゴロのそばで待ったのです。
そして―初夏。見事な蝶になってサナギを脱ぎ捨てるゴロゴロ。でもミミにはゴロゴロが蝶になったのが分からない。からっぽのサナギを抱きしめて泣き叫びます。あなたったらゴロゴロの中にいたくせにゴロゴロをほおって行ってしまうんだわ。成長すると言うことを、抜け殻を捨てると言うことを人形は知らないのです。カサカサの醜い抜け殻は女の子に飽きられて捨てられた自分の姿にも見えるのです。
人形は泣いて、泣いて小さな川が出来ました。それでもどんどん泣いたので、人形はおぼれて流れて行きました。このとき人形は死んだのでした。
ゴロゴロは考えます。知らなかったの ? 生きているものならどんなものでも時間がたつに従ってかわっていくものなんだ。僕も今やっとそれを知ったところなのに、ミミは附いてこられなかった・・・ミミ・・・。
川に流される死んだ人形の上をゆっくりとついて行く大きな蝶々。
夜釣りの男が死んだ人形の流れてくるのを見ました。それをあやすように水面を飛ぶ蝶を見ました。そしてすぐ忘れました。蝶はなんだか涙ぐんでいるように見えたのですけれど。
変わることを恐れるなというメッセージを伝えたかったのか ? でも人に作られた人形はどう変わればよかったのか ?
マンガではあるけれど、言いたい事は大体文章で説明しています。少女向けの甘いマンガでないことは分かるけれど、これからC0Mで何をどのように描こうか模索中に見える作品。
この号では、矢代 まさこ氏と 山上 たつひこ氏が初登場しています。矢代氏は読みきり連載の形です。山上氏は表紙では新連載となっていますが、作品は 「破局への招待」 という短編SFもの。凶暴な地球外生物が宇宙を護送中に逃げ出し、地球に降り立ち生まれる寸前の女性のお腹の中にいた赤ん坊に取り付いた。かれの名は アドルフ・ヒットラーと言った、というもの。次号の1968年7月号より 「人類戦記」 という長編連載の第1回が始まっています。
又、この号の ぐらこん 児童まんがコースのトップは 安達 みつる氏 (あだち 充) (当時17歳) の 「友の影」 絵は達者ですね~。
始めに、矢代 まさこ氏のCOM掲載作品は以下の通り 参考 矢代 まさこ 掲載雑誌別作品リスト
短編シリーズ 1
蝶々の泣いた夜 16ページ 昭和43年(1968) 6月号
短編シリーズ 2
笑いかわせみにいえない話 20ページ 昭和43年(1968) 7月号
短編シリーズ 3
歌うたう里子 20ページ 昭和43年(1968) 8月号
短編シリーズ 4
わが名はボケ猫 20ページ 昭和43年(1968) 9月号
ノアとシャボン玉
短編シリーズ 5
クモの糸 3話 22ページ 昭和43年(1968) 10月号
短編シリーズ 6
ここちゃん 16ページ 昭和43年(1968) 11月号
短編シリーズ 7
5匹と2人の物語 24ページ 昭和43年(1968) 12月号
短編シリーズ 8の1
シャボン玉 23ページ 昭和44年(1969) 1月号
短編シリーズ 8の2
シャボン玉 24ページ 昭和44年(1969) 2月号
短編シリーズ 8の3
シャボン玉 24ページ 昭和44年(1969) 3月号
短編シリーズNo.9
影を落とした・・・・・・ 20ページ 昭和44年(1969) 4月号
短編シリーズNo.10
セント・レニの街 20ページ 昭和44年(1969) 5月号
短編シリーズNo.11
熱・すすき・白い闇 20ページ 昭和44年(1969) 6月号
短編シリーズ 最終回
まり子の涙 20ページ 昭和44年(1969) 7月号
ノアをさがして 48ページ 昭和44年(1969) 11月号
風のある絵 24ページ 昭和45年(1970) 3月号
ひろ子が待つ人 40ページ 昭和45年(1970) 7月号 『なかよし』掲載作品再掲
矢代まさこのおもいつ記 3ページ 昭和45年(1970) 5月増刊号
ノミの歌 24ページ 昭和45年(1970) 7月号 42年「別冊マーガレット」掲載作品の再掲 ※タイトルを変更
駄犬の目 24ページ 昭和45年(1970) 8月号
ひいらぎ 24ページ 昭和46年(1971) 1月号
エミのストールのこと 24ページ 昭和46年(1971) 4月号
うそつき鏡 24ページ 昭和46年(1971) 10月号
COM 昭和43年(1968)6月号掲載 短編シリーズ① 「蝶々の泣いた夜」
アラスジ
森のはずれに裸の少女の古い人形が捨てられています。女の子達は金髪のトップモードのお人形に目を奪われるものですから・・・。
人形はあんなに可愛がってくれていた女の子が急に変わってしまったのがわかりません。もうお友達は出来ないのかしら・・。
そこへバリバリと葉っぱを食べながらイモムシ君登場。イモムシを大きなハチから守ってあげて人形のミミとイモムシのゴロゴロ (ミミが歌からつけた) は友達になります。ゴロゴロがミミのベッドを葉っぱで作ってあげたりして楽しく時は過ぎ・・・。
秋が来るとゴロゴロはあんなにバリバリ食べていた葉っぱを食べなくなり、ついに神様からのような、抗えない命令が聞こえる・・・苦しい・・・と言いながら、サナギになって動かなくなります。大丈夫、僕死にはしないから、というゴロゴロの言葉を信じて人形は木枯らしの中、吹雪にもめげず、花が咲いても鳥が鳴いてもわき目も振らずにゴロゴロのそばで待ったのです。
そして―初夏。見事な蝶になってサナギを脱ぎ捨てるゴロゴロ。でもミミにはゴロゴロが蝶になったのが分からない。からっぽのサナギを抱きしめて泣き叫びます。あなたったらゴロゴロの中にいたくせにゴロゴロをほおって行ってしまうんだわ。成長すると言うことを、抜け殻を捨てると言うことを人形は知らないのです。カサカサの醜い抜け殻は女の子に飽きられて捨てられた自分の姿にも見えるのです。
人形は泣いて、泣いて小さな川が出来ました。それでもどんどん泣いたので、人形はおぼれて流れて行きました。このとき人形は死んだのでした。
ゴロゴロは考えます。知らなかったの ? 生きているものならどんなものでも時間がたつに従ってかわっていくものなんだ。僕も今やっとそれを知ったところなのに、ミミは附いてこられなかった・・・ミミ・・・。
川に流される死んだ人形の上をゆっくりとついて行く大きな蝶々。
夜釣りの男が死んだ人形の流れてくるのを見ました。それをあやすように水面を飛ぶ蝶を見ました。そしてすぐ忘れました。蝶はなんだか涙ぐんでいるように見えたのですけれど。
変わることを恐れるなというメッセージを伝えたかったのか ? でも人に作られた人形はどう変わればよかったのか ?
マンガではあるけれど、言いたい事は大体文章で説明しています。少女向けの甘いマンガでないことは分かるけれど、これからC0Mで何をどのように描こうか模索中に見える作品。
この号では、矢代 まさこ氏と 山上 たつひこ氏が初登場しています。矢代氏は読みきり連載の形です。山上氏は表紙では新連載となっていますが、作品は 「破局への招待」 という短編SFもの。凶暴な地球外生物が宇宙を護送中に逃げ出し、地球に降り立ち生まれる寸前の女性のお腹の中にいた赤ん坊に取り付いた。かれの名は アドルフ・ヒットラーと言った、というもの。次号の1968年7月号より 「人類戦記」 という長編連載の第1回が始まっています。
又、この号の ぐらこん 児童まんがコースのトップは 安達 みつる氏 (あだち 充) (当時17歳) の 「友の影」 絵は達者ですね~。
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