ヘルムート・ヤーンが日本郵政東京中央郵便局の建替えのデザインとある。もともと派手な設計の方でブルースブザーズが逃げ惑うシカゴで金魚蜂のような旧イリノイ州センターのデザインを思い出す。ハイテク・レトロな方ではないか。 <o:p></o:p>
http://en.wikipedia.org/wiki/James_R._Thompson_Center<o:p></o:p>
さて、保存の方式だ。「袴のような保存」として低層部の(一部を含めた)保存を表現される方もあると聞く。そのまま外壁のみ残すは京都方式(中京郵便局、みずほ銀行三条 等)としてある。低層部保存建物の上に今回のような「ガラス」のタワーを建てるのはどうか<o:p></o:p>
容積移転は歴史的建物を守ると言うもと、ニューヨークなどのランドマーク保存法から出たはずだ。ランドマークの上に建てるという事例は無かった。しかしこのような「袴方式」は丸の内に多い。これ自体が独自である。更に復元保存する東京駅の容積は売買するというのはニューヨークに倣っている。丸の内はランドマーク保存と「袴方式」の混在する、独自の保存手法である。100尺ラインも保たれているので、新たな東京駅前「様式」という感じだ。(御堂筋には100尺ラインも定かではない)<o:p></o:p>
さて、今回の保存議論は「袴方式」の限界やデザインを考えるということとなり大変良いことだ。本来は、残すものはそのまま残す、建てる物は容積を貰う(買う)がよろしいのだろう。<o:p></o:p>
しかし、仮に、東京中央郵便局がそのまま保存されたとしたら、そこだけ低層で空虚な感じがするのではないか。ニューヨークでも保存されるべき建物は公益性高く、建替えなど考えらない建築・施設等を対象としている。保存すべきなら工業倶楽部であっただろう。結局、保存部分を拡大することで設計を見直すらしいが「袴方式」は変わらないらしい。<o:p></o:p>
ここで歴史物の近傍に立つ面白い事例のご紹介を。それはジョン・ハンコック・タワー ボストンでI.M.Pei の設計だ。<o:p></o:p>
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:John_Hancock_Tower.jpg<o:p></o:p>
近傍の歴史的建物の多いコプリー・スクエアがあるのであえて無機質なガラスのオブジェのようなハーフミラーのタワーとした。写り込でその存在を消そうとした。近くには再開発の元祖といわれる「昔のモダン」のデザインのプルーデンシャル・センターもある。(実際にジョン・ハンコック・タワーはとても綺麗で違和感のないこれこそ記念すべき建築であろう)「袴方式」ではなく、前の低層部分の例えばアトリウム活用と後ろの高層タワーとの対比など建築のあり方を考えて欲しい。<o:p></o:p>
大阪の中央郵便局についても保存を含め再検討するらしいのでまた今度。<o:p></o:p>