二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

おじいさんの背中みたいな(ポエムNO.4-20)

2020年09月08日 | 俳句・短歌・詩集
   (2019年4月 藤岡市) 愛ってなあに と赤い帽子をがぶった幼い女の子が 無邪気な表情でたずねる。 三温糖500gとかレモン1ダースとかならわかるよね。 だけど愛ってなんだろう。 なんだと思う? 反問してみたけど答えはない。 文字の書いてない本があるとしたら そういうものかもしれないね。 きみがそこに書き込むための。 でっかい背中を向けたおじいさんみたいに 愛はふだんはあっちを向 . . . 本文を読む
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クルマの窓から

2020年09月07日 | シャッフル/photos
お隣のクルマから・・・ああ、この得意顔(^^♪  信号待ちなので、ご主人が運転席の窓を全開にしてくれたのだ。 愛されているねぇ、ワンコ。 ご覧の通り、いうことなし! . . . 本文を読む
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大岡信「うたげと孤心 大和歌篇」(同時代ライブラリー31 岩波書店)を読む

2020年09月07日 | エッセイ(国内)
   (岩波文庫ではなく、同時代ライブラリー版で読んだ) ごく大雑把にいえば、前半が「万葉集」「古今和歌集」論、後半が「梁塵秘抄」論である。 大岡さんの古典論の中核をなす、力のこもった一冊。 しばしば原典が原文で引用されているため、たいへん読み応えのある、こってりした内容になっている。わたしは古文を十分読みこなすことができない軟弱者なので、読みおえるのに苦労した。以前も一度挫折を味わっている . . . 本文を読む
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この子は何者?

2020年09月06日 | シャッフル/photos
この虫がなにさまか、同定できる方いますか?  玄関ドアをあけ、一歩二歩の草むらにいらっしゃいました(*゚ー゚)  うーむ、クツワムシさんだと思ったけど、他にウマオイ、ツユムシさん等、まぎらわしいのがたくさんいる!  家のなかまで入ってくることも。 立派なおひげに降参です。 それにしても、何者だろう? ※その後の調べで、セスジツユムシであることが判明しました。 . . . 本文を読む
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星のように美しいなにか(ポエムNO.4-19)

2020年09月06日 | 俳句・短歌・詩集
   (2013年10月 前橋市) 遠くからやってきたものが ぼくらの袖口をかすめ ふたたび遠ざかってゆく。 流星のように 火の玉のように。 すでに年寄りとなった きみだとかぼくだとか そういう現象をかすめて消える。 恋であり 夢であり。 隕石となって地球の裏側へ落下したというなら 名づけたって仕方ないから 名づけずにすまそう。 名づけずにすますことができるなら。 そのままそっと 手を . . . 本文を読む
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私詩論 ~自問自答ふうに(1)

2020年09月05日 | 俳句・短歌・詩集
   (2015年11月 前橋市) 詩人は自分がなしたこと、なそうとしたことのすべてを把握しているわけではない。ことばは指からしたたり落ちる。その最初の読者が、書いた詩人本人なのである。 「おや、こんな詩ができたぞ」 「こんな詩ができてしまったぞ」 セルフ・コントロールということがいわれる。たしかに日常生活においては、自分の行動の8割9割を制御しているといえるかもしれない。それは「意志の力 . . . 本文を読む
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天地有情(ポエムNO.4-18)

2020年09月03日 | 俳句・短歌・詩集
   (2014年8月 高崎市) 猫が道端で大あくびしている。 生きているのに飽きた というわけでもあるまいに。 天地有情の夕まぐれ。 だれかさんのマスクのひんまがった白が チョウとなってひらひら飛んでゆく。 と思ったら なあんだ なんだ ゴーヤの花にやってきたモンシロチョウ。 お尻の大きいおばちゃんたちのお悩み相談会も開催中。 ああ 天地有情というやつか? ※ 不要かもしれな . . . 本文を読む
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バッテリーが上がって考えたこと

2020年09月02日 | シャッフル/photos
ニッサンという会社もとろいぜ、刺身じゃないけど大トロ(`×´)  クルマのエンジンがかからないと電話したら、いまレッカーが出払っているから保険屋に連絡しろと。 レッカー車?  バッテリーが上がったくらいでバカいうな。 ケーブルつないで自分で充電したよ、軽トラあるしさいわい補充液もあった。 ビジネスチャンスを失ったなあ、金にならないと思ったのか、バッテリー以外の故障だったらムダ足になると思ったの . . . 本文を読む
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一人の道が暮れて来た ~つづいて放哉を読む

2020年09月02日 | 俳句・短歌・詩集
種田山頭火のつぎは、尾崎放哉を読んでみようと決めていた。 はじめに印象に残った俳句を引用しよう。 ■定型句 鯉幟を下して居るやにはか雨 炬燵ありと障子に書きし茶店哉 冬の山神社に遠き鳥居哉 ■自由律 あらしがすつかり青空にしてしまつた 一日物云はず蝶の影さす 鐘ついて去る鐘の余韻の中 こんなよい月を一人で見て寝る 咳をしても一人 つくづく淋しい我が影よ動かして見る 考えごとをしている田螺が歩い . . . 本文を読む
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月の船と星の林 ~柿本人麻呂を追尾しよう

2020年09月01日 | 俳句・短歌・詩集
天(あめ)の海に雲の波立ち月の船星の林に漕ぎ隠る見ゆ 「万葉集」(古典を読む21 岩波書店)で、大岡信さんは《さて巻の七を開いて巻初にこの歌を見出したときの新鮮な驚きは忘れがたい》と述べている。 わたしも同じである。 月の船ですよ、 星の林ですよ。 これを書いたのは柿本人麻呂! これまで「万葉集」は、ぱらりぱらりと必要なところだけを、虫が食うように読んできただけなので、この歌は視野には入ってこ . . . 本文を読む
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