
様々な経済サイクルが色々な本に書かれています。この中で有名なのは、一番大きな
サイクルであるコンドラチェフであろう。その他色々小さなサイクルが有るが、
米での研究では、コンピューターによる検索では、4年と10年
サイクルのみが明らかになったと言う事である。
つまりそれ以外は多分今のコンピューターでは不可能でしょう。又は入力のデータが
不十分だともいえるでしょう。そもそも歴史的データが不足しているのです。
ネット検索で、最も長期のデータは米の株価のデータのみです。

日本のデータは戦後のみで、明治以来のデータがチャート化されたものは見たことが
有りません。最近は特に10年おきに世界の何処かでバブルが崩壊していますから
10年のサイクルは直観的に分かりますし、米では大統領が変われば政策も
変わりますから4年サイクルの分かります。問題は50~60年
サイクルであるコンドラチェフサイクルである。

アメリカの実際のサイクルを列記することで、コンドラチェフの否定は簡単に出来ますし
何よりも歴史の事実を直視できます。これがコンドルチェフへの答えです。

結論から言えば、2つの30年前後のサイクルをまとめて一つのサイクルと誤解したのが
コンドラチェフです。だから最近のサイクルには合わないのです。又米の戦後の
サイクルは、それ以前のサイクルより少し延長していますから、これも
コンドラチェフが合わなくなった理由です。

図から分かるように、1920年から見ても巨大な波が3つ見つけられます。
戦後では2つの巨大な波が見られますが、最後の波、つまり現在進行形の
波は途中ですが、大体の期間は予測できます。
つまり1920~1929年は、スーパーサイクル第4波の最後のサイクル第5波
であることは図から分かります。その後の崩壊は世界恐慌に続く波なので
世界的に有名です。この調整波は1948年までと読みます。
この調整波に関しては世界の識者の意見の相違が著しいのですが、一応1948年とします。
そうするとこの波は、1920~1948=28年になります。約30年です。
次の波1949~1966の上昇波、1966~1982年の調整波は
合計33年になります。やはり略30年です。

次の波は延長が見られますが、上昇波は1982~2000年=18年、調整波は途中ですが
今までの予測から2018年前後と推測されます。つまり合計36年です。
この延長と言う概念が大切です。人間の心理に支配される市場は
完全な科学の世界では有りませんから、短縮や延長があり得ます。
ここがデジタル処理を特徴とするコンピューターの欠点です。アナログ脳で読めば、略30年
サイクルの波が見えます。この30年前後のサイクルからすると戦後の30年前後の波
は現在2つ目がその途上と言う事になります。波動理論から言えばもう一つの
波が、スーパーサイクル第5波の最後のサイクル第5波が残っていると
言う事になります。
コンドラチェフは多分この2つの波を足して一つと見たと思います。いずれにしろコンドラチェフの
概念でも、2030~40年頃に大きな調整が予想はされますが、これはあくまで2つの
大きさですから、たまたま偶然に合うと言う事です。

1776年の米の独立からの波は、サイクル波3つの後に巨大な崩壊が起こっています。
1929年の恐慌は、その二つ目の崩壊波です。2032~2046年の波は
スーパーサイクル第5波の崩壊ですから、最後の巨大な崩壊と言う事になります。
つまりスーパーサイクルの3つ目の崩壊ですから、歴史は一旦これで途切れると言う事です。
スーパーサイクル3つでグランドスーパーサイクル1つを形成します。
米の歴史が途切れるとは、どういう事でしょう? 歴史の断層とは?
グランドスーパーサイクルの崩壊ですから、1929年よりも巨大な崩壊が有ると
言う事です。これに相当する崩壊は、1990年のソビエト崩壊。
1911年の清の崩壊。1868年の徳川270年の崩壊等に
相当します。ご用心。歴史は動いています。


