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英少女1400人性的暴行―訴え続けた女性の闘い
英サウスヨークシャー州ロザラムで1997年から2013年半ばまでの間に少なくとも1400人の少女が性的暴行を受けていた Alex Masi for The Wall Street Journal
【ロザラム(英サウスヨークシャー州)】かつて鉄鋼業で栄えた英中部のロザラムで、ジェーン・シニアさんは10年以上、大勢の少女が性的暴行を受けていたことを訴える活動を行ってきた。だが、❶当局の反応はほとんどが無関心と冷笑だった。
若者を対象にした慈善活動で責任者を務めるシニアさんは、地元であるロザラムで、小児性愛者が❷組織的に2000人近くの少女たちを性的に暴行してきた証拠を集めた。小児性愛者らは❸性的暴行に及ぶ前に、少女たちと感情的なつながりを築いていた。警察当局はシニアさんの訴えをほとんど聞き入れなかった。❹2011年には行政当局がシニアさんの活動への資金援助を停止した。
だが昨年8月、事態は急展開した。独立した調査が行われ、シニアさんの訴え通りに、性的暴行が広く行われていた実態が確認されたのだ。その調査は、1997年から2013年半ばまでの間に、少なくとも❺1400人の少女がパキスタン系コミュニティー出身のギャングから性的暴行を受けていたと結論づけた。これを受けて❻警察と行政当局のトップ、さらに児童福祉担当の責任者が辞任した。❼英国政府は独自調査後の2月、外部の行政官に町の運営を任せる措置をとった。
現在、この問題は❽英国の国家犯罪対策庁(NCA)が捜査している。ロザラムとその周辺を管轄する警察当局の少なくとも42人の関係者が、職務違反で調査を受けている。警察当局は職務違反の容疑についてコメントを控えた。
だが、ロザラムが全国的に注目を集めたにもかかわらず、容疑者として特定された数十人のギャング構成員のうち、昨秋以降に逮捕されたのは3人だけだ。シニアさんが事件の報告を開始した1999年以降でもわずか5人に過ぎない。
シニアさんは「ロザラムで何が起きているのか、今は誰もが知っている。(それでも)男たちはまだ野放しのままだ」と話す。ロザラムの事件の告発者であるシニアさんが自らの名前を公にするのはこれが初めてだ。
こうした長年にわたる性的暴行を社会や当局がなぜ見過ごしてきたのか。ロザラムはその背景を探る国家的な取り組みの中心となっている。メイ内相は❾児童の性的暴行が「英国社会の中にひそかに織り込まれている」と表現した。
昨年8月に公開された調査報告書「ジェイ・リポート」は、警察や行政当局が性的暴行の訴えを取り合わなかったのは、彼らが被害者の少女たちを自らの意思でそうなった「スラグ」だとみていたことも一因だと結論づけている。スラグとはふしだらな女性を指す俗語だ。
報告書の執筆者で社会福祉専門家のアレクシス・ジェイ氏は100人以上から話を聞き、町の公文書と電子メールを確認して報告書をまとめた。ジェイ氏は「(警察は)少女たちを保護に値しないとしてはねつけた」と話す。
❿ロザラムのパキスタン系英国人のギャングが性的暴行に関与したといわれている
また、ジェイ氏はリポートにこう記している。地元の警察・行政当局がパキスタン系コミュニティーの性的暴行者らと対決してこなかったのは、⓫人種差別者とのレッテルを貼られるのを恐れていたためであると。「インタビューを行った数人の議員は、これらの事件を公にすることで、人種差別的な見方に『酸素を与える』ことになり、その結果、過激的な政治団体を引き寄せ、コミュニティーのまとまりが脅かされる可能性があると考えていた」。だがジェイ氏は、問題は警察が差別的にならぬようプレッシャーを受けていたことではなく、⓬警察が性的暴行を捜査の優先事項にしてこなかったことにあると指摘する。
ロザラムの人口の約3%を占めるパキスタン系コミュニティーは鉄鋼業の労働の担い手として数十年間にわたり町に根を下ろしてきた。警察当局によると、2000年代初頭までに⓭パキスタン系のギャングが地域の麻薬取引を支配するようになった。
シニアさんが性的暴行の記録をとり始めたのは1999年のことだった。専業主婦で退屈さを感じていたシニアさんはこの年、町の支援を受けて若者向けの活動組織を設立した。シニアさんは団体を「リスキー・ビジネス」と名付けた。面倒をみていた数人の少女の好きな映画がトム・クルーズ主演の「卒業白書(原題:リスキー・ビジネス)」だったからだ。
少女たちとまず仲良くなる
多くの少女がシニアさんにパキスタン系英国人の男たちのことを話した。男たちは学校帰りの少女たちとゲームセンターやファストフード店、公園などで仲良くなるという。高級車で迎えに来たり、携帯電話のプリベイドカードを買い与えたり、酒をすすめたりする。少女たちによると、最終的に男たちは性的暴行に及び、ときには売春をさせることもあったという。
少女たちが話す内容は、しばしば「グルーミング」と呼ばれる行為だ。性的暴行にいたる前に、少女たちとまず信頼関係を築く心理プロセスのことだ。だが、シニアさんがこの訴えを報告しようとしたところ、警察や行政当局は取り合わなかった。
その後の数年間に、シニアさんが記録・報告した性的暴行の件数は年間100件を超えるまでになった。検察当局の記録によると、シニアさんが警察に通報していたにもかかわらず、2009年になるまで警察はどのケースも検察当局に上げていなかった。
中には12歳の少女が繰り返し暴行を受け、妊娠したケースもあった。だが警察は少女が性行為に合意していたと判断し、捜査を行わなかった。
英国で法的に性行為の同意能力があると認められている年齢は16歳だ。だが、シニアさんが助けようとしていた少女たちの大半は12歳から16歳だったという。
⓮無視された証拠
この10年間にロザラムの警察が証拠を無視したと結論づけたのはシニアさんだけではなかった。2002年に警察は地域で拡大している麻薬取引の実態を把握するため、麻薬分析官のアンジー・ヒールさんを雇った。ヒールさんは仕事をする上で最も役立つ情報をシニアさんが持っていることを認識した。
ヒールさんは性的暴行の犠牲者情報と、麻薬取引を牛耳っている新興勢力のパキスタン系英国人ギャングとの間につながりを見つけた。ヒールさんは06年に離職するまでの間、このつながりを半年おきに報告した。だが「状況はそれ以上、明らかになることはなかった」と話す。「麻薬ギャングは市民の安全にとって明らかに危険だが、少女たちにとっても危険だった」。ヒールさんは上司が麻薬に対しても、性的暴行に対しても行動を起こさなかったこともあり、06年に警察を離れた。
ジェイ・リポートと政府による調査は、ギャング組織と小児性愛者のグループとの明白なつながりを見つけた。
一方、パキスタン系英国人のリーダーらはこうした訴え自体と、警察が地域の安全を守ることに明らかに失敗していることにあきれていると話す。非営利団体のブリティッシュ・ムスリム・ユースの創設したパキスタン系英国人のムハビーン・フセインさんは、「ロザラム出身であることに誇りを持っているが、今は公にそれを言うのは難しい」と話す。
2007年にシニアさんは変化を感じた。州外から起用された警察幹部が児童の性的暴行に関する署内の研修で、シニアさんの支援を要請した。また、町の歴史が残る中心部のクリフトンパークで被害に遭った約80人の少女たちについて、分署の巡査が捜査意欲をみせたのだ。 それまでは「まるで風の中で叫んでいるようだった」が、「聞いてくれる人がついに現れた」とシニアさんは振り返る。
2008年に警察はシニアさんが収集を手助けした証拠を使って最初の捜査を始めた。それは2010年11月の5人の有罪判決につながった。
2011年1月、警察は他の容疑者をあぶり出す作戦に着手した。ところがそれは失敗に終わった。ジェイ・リポートによると、行政当局とシニアさんの間にある強い敵意が主因だった。同年、行政当局はシニアさんが運営する慈善組織「リスキー・ビジネス」への資金援助を停止した。ここでシニアさんと少女たちの公式な関係は途絶えた。
密告
⓯2012年には、英BBCテレビの人気司会者だった故ジミー・サビル氏が長年にわたって性的暴行を繰り返していたことが発覚し、英国が大きく揺れていた。時機を感じ取ったシニアさんは英紙タイムズに情報をリークし、タイムズはロザラム当局の児童性的暴行への無策について連載記事を掲載した(タイムズはウォール・ストリート・ジャーナルの親会社ニューズ・コープの傘下にある)。
ロザラムの行政当局は情報漏洩について調査し、シニアさんによると、⓰当局はシニアさんが刑務所に送られることになると警告したという。だが、当局は何もアクションは起こさなかった。現在の行政当局は調査自体については認めたものの、シニアさんへの警告に関する質問には応じなかった。
2013年9月、ロザラムは町の評判を晴らすために、スコットランドの社会福祉専門家ジェイ氏を雇い、独立した調査を委託した。
その結果、ジェイ氏のリポートは町を非難するものになった。リポートは「控え目に見積もっても」シニアさんが特定している少なくとも1400人の少女が性的暴行を受けたと報告している。しかも、その性的暴行は現在も続いており、問題の全容は不明だと書かれていた。
⓱米国の連邦捜査局(FBI)に相当する英NCAは今月からロザラムの捜査を開始した。シニアさんは正義がすぐにもたらされないことを懸念している。
「コミュニティーは非常に苦しんでいる。関与した人間が刑務所に行かない限り、私たちは決して前には進めない」。
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● 問題が明らかとなっても、対処が出来ない・しないのが正に時代の末期・
体制というシステムの問題点です。死の床に伏したお年寄りに、
地域のギャングの性的暴行を報告しても、
ハー!?と聞き返されるだけです。
● 時代の末期とはそのようなものです。ではどうするか? もはや自警団しかありません。
右翼との中傷を跳ね返し、愛国的な若者の自警団は自己増殖を続けるのです。
死の床に伏したシステムは、無視しましょう。
● 清王朝の末期のアヘンによる退廃は、英国では王室も含めての性の醜聞で終わるのでしょうか。
さすがは清教徒の聖書の国、ソドムとゴモラで終わりそうです。清王朝は、辛亥革命で
崩壊しましたが、最後の覇者は共産党でした。英国はどうなるのでしょうか?
● 若者による自警団は、次の革命の中核となると思われます。金儲けに才能がなくて、
武人の時代に勇気と行動力で成功したいなら、今から自警団を作り、
リーダーシップを発揮して、革命で成功する事をお勧めします。
● 勿論、先進資本主義国の英米仏等の国の事です。日本は後100年は資本主義でのリーダーシップ
発揮で忙しいので、自警団は未だ、かっこ悪いものでしょうが、しかしUSAや英国などでは、
緊要なのです。武道やその精神を習い、いざ正義の見回りに出かけましょう。
● 少年探偵団は明日の革命の中核なのです。