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多極化は歴史の必然の流れであり・意図して出来るものではない

2015年08月03日 04時49分50秒 | 時代・歴史
★ http://www.mag2.com/p/news/23353


見捨てられたウクライナ。なぜ米国は、宿敵ロシアに譲歩したのか?

アメリカが仕掛けたとされるウクライナ危機ですが、ここに来てアメリカは内戦を急いで集結させる動きを見せています。この「ロシアに対しての大幅譲歩」は何を意味するのでしょうか。国際情勢解説者の田中宇さんがメルマガ『田中宇の国際ニュース解説』の中で詳しく解説しています。

ウクライナ危機の終わり

ウクライナ危機は、米国が、ロシア敵視策の一環として扇動して起こしたものだ。昨年初め、ビクトリア・ヌーランド国務次官補ら米国の外交官たちが、親露的だった当時のヤヌコビッチ政権を倒す極右勢力の政治運動を加勢してウクライナの政権を親露から反露に転換した。反露新政権がウクライナ東部のロシア系国民を抑圧し始めたので、ロシア系住民はウクライナからの分離独立を要求して内戦になったが、米国はそれをロシアのせいにした。

ウクライナの反露政権が、セバストポリ軍港のロシアへの貸与をやめると表明し、ロシアがもともと自国領だったセバストポリを含むクリミア自治州の分離独立・回収に動くと、米国はそれをロシアの侵略行為と非難し、欧州を巻き込んでロシア制裁を開始した。米国は最初から、ウクライナの政権を親露から反露に転覆すれば、ロシアがクリミアを回収し、米国がロシアを非難する格好の口実になると考えていたのだろう。

今年初め、露独仏の努力でウクライナ東部の停戦協定(ミンスク2)が締結された後も、米国は、停戦違反を繰り返すウクライナの反露的なポロシェンコ政権を支援し続けている。米国は、NATOや、欧州の対米従属状態など、自国の覇権体制を守るため、ウクライナの内戦を起こしてロシア敵視を強化し、米国が欧州を引き連れてロシアと恒久対立する新冷戦体制を作ろうとしており、危機はまだまだ続くというのが、これまで多い分析だった。

ところが今、米国は突然、ウクライナの内戦を急いで終わらせようとする動きを始めている。7月16日、米国の圧力を受けて、ウクライナのポロシェンコ大統領が、東部地域に自治を与える憲法改定の法案を議会に提出した。同日、米国からヌーランド国務次官補がウクライナ議会に乗り込み、議会の3分の2の賛成が必要な憲法改定の法案が間違いなく可決されるよう、圧力をかけた。

これまでウクライナ危機をさんざん扇動してきたヌーランドが(おそらくオバマの命を受け)危機を沈静化する憲法改定をしろとウクライナに圧力をかけるのは皮肉だ。圧力の効果で、東部の親露派を敵視して自治付与の憲法改定に反対してきた議員たちもしぶしぶ賛成し、法案は288対57で可決され、憲法裁判所の判断を経て正式決定することになった。

東部に自治を与える憲法改定は、ミンスク2の停戦協定に盛り込まれた、ウクライナにとっての義務だった。ロシアは以前からウクライナに憲法改定を求めてきたが、ウクライナは拒否していた。憲法で東部に自治が与えられれば、内戦は終結し、ロシアとウクライナの対立も下火になり、ウクライナ危機が解決に向けて大きく動く。これは、ロシアが切望し、米ウクライナが拒否してきた展開だ。

米国がウクライナ問題で急にロシアに譲歩するようになったのは、米国がイラン核問題やシリア内戦、ISISなどの中東の諸問題でロシアに頼らねばならなくなったため、中東諸問題の解決の主導役をロシアにやってもらう代わりに、ウクライナ問題で米国がロシアに譲歩することにしたからだ、と解説されている。だからイラン核問題が解決された直後のタイミングで、米国がウクライナに自治付与の憲法改定をやらせたのだという。米欧は、中東の問題解決をロシアにお願いするため、ウクライナを見捨てたとも評されている。

しかし、イランやシリアの問題解決との交換という筋書きは、よく考えるとおかしい。ロシアは、米国が何も譲歩しなくても、独自の国益に沿ってイランやシリアの問題解決を進めていたからだ。米国はロシアに譲歩する必要などなかった。

米国がウクライナ問題でロシアに譲歩した理由の1つは、イラン核合意の締結にロシアの協力が必要で、イランと核協約を結ぶ前に、米露が交換条件について談合していたと報じられている。しかし、イラン核合意は少し前まで、米国よりロシアが推進を希望し、米国はむしろ推進を邪魔する方だった。ロシアは、米欧に制裁されたイランが最も頼りにしてきた国だ。米国がロシアに譲歩したのは、ロシアがイランをけしかけてISISを潰す戦いをやらせてほしいから、とも言われているが、ロシアは米国に頼まれなくても、ISISと戦うイランを支援してきた。

米国は、ロシアがシリアのアサド政権と反政府派を交渉させ、シリア内戦を終わらせてほしい。その際、アサド大統領をやめさせてほしいので、米国はウクライナ問題で譲歩したという説もある。ロシアはずっとアサドを支援してきたが、最近、米国に頼まれ、プーチンらロシア高官がアサドを見放すような言動をしているとも報じられている。

しかし、今のシリアには、アサド政権以外に、シリアの国家としての統合を維持できる勢力がない。アサドを辞めさせたら、シリアはリビアのように国家崩壊し恒久内戦化する。サウジやトルコは「(親イランである)アサドを辞めさせるなら、ロシアと一緒にシリア内戦終結に協力しても良い」と言っているので、ロシアはアサドを見放すかのようなそぶりを見せているが、実のところロシアはアサドを辞めさせるつもりなどない。

米国はまた、ロシアがシリア内戦の終結を主導する際、サウジアラビアなどアラブ諸国とイランの間を取り持ってほしい、とも要請している。これまた、米国に頼まれなくてもロシアがやろうとしてきたことだ。米国のロシア敵視は、今や「ふりだけ」だ。米国は、中東とウクライナの両方で、ロシアを有利にし、強化している。米国によって強化されたロシアやイランは、米国の単独覇権体制を崩し、多極型の覇権構造に転換する動きを強めている。

今思うと、米国の隠然としたロシア強化策の始まりは今年5月、ケリー国務長官が2年ぶりにロシアを訪問してプーチンに会った時からだった。この時、ウクライナ問題で米国とロシアが直接交渉する連絡ルートが初めて作られた。ウクライナ危機の当初から、ロシアは危機の黒幕である米国と直接交渉することを切望したが、米国はずっと拒否してきた。

それが5月に大転換し、米露が直接ウクライナ危機について話し始めた。米国のヌーランド国務次官補と、ロシアのカラシン外務次官が双方の交渉担当となった。ウクライナ危機を起こした張本人であるヌーランドが、危機を収拾する担当者もやるという皮肉な事態の始まりだった。これ以来、中東とウクライナの両方の問題について、米露間の連絡が密になった。最近では6月25日と7月15日に、オバマとプーチンが長時間、電話で話をしている。

7月のイラン協約後、米国が中東の諸問題でロシアに頼る傾向がさらに強まっているが、米露双方は「新世界秩序」とも言うべきこの新たな事態を、なるべく目立たないよう運営している。たとえば、米国がウクライナに圧力をかけて東部に自治を認める憲法改定をやらせたことは、ロシアにとって大喜びのはずだが、ロシア側は「東部の勢力と相談して自治を与えるのがミンスク2の合意だったが、ウクライナ政府は東部に相談せず憲法を改定しており、合意違反でけしからん」と怒る演技をしている。

米国中枢で軍産複合体がクーデター的な戦略乗っ取りをやらない限り、ウクライナ危機は今後もう再燃せず、下火になるだろう(報道だけで、対立が激化しているかのような幻影が流布し続けるかもしれないが)。9.11やイラク侵攻あたりから続いてきた多極化のプロセスは、山場を迎えつつある感じだ

image by: Wikimedia Commons



『田中宇の国際ニュース解説』
国際情勢解説者の田中宇(たなか・さかい)が、独自の視点で世界を斬る時事問題の解説記事。新聞やテレビを見ても分からないニュースの背景を説明します。

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● 上記の主張は、まるで歴史の流れは、一部のUSAの勢力の方針=多極化の陰謀が
  それを動かしている
かのような主張である。この主張を認めるという事は、
  歴史はある特定の人間の意志で動かされているという妄想を
  認める事
になります。

● つまり、歴史の流れ=左右激突、人種差別の戦い、国家間の戦争・体制間の争い等あらゆるものが
  一部の人間の意図で動かされているという事を認める事につながり、人間の恣意性の
  勝利・歴史に於ける全面的勝利を認める事
になります。

● 人間の恣意性だけで歴史が動くなら、何の苦労もありません。この考えは、平家物語の
  冒頭の有名な言葉に反する、歴史の流れの定めに対する否定であり、
  盛者必衰の理”に反します。


● 歴史を見れば、浮世に流されるのは庶民のみでなく、時の権力者も庶民同様に歴史の
  流れに飲み込まれることを物語っています。宇宙を作っている万物には全て
  寿命がある
事を見つけたのは、近代科学の勝利のひとつでもあるのです。

● 永遠の様に見える宇宙でさえも寿命はあり、我々の地球でさえも誕生から、燃え盛る太陽の様に
  灼熱の地獄になったり、地球が凍り付く全球凍結を起こしたりと、ひと時も休むことなく
  変転してきているのです。我々の意志に関係なく宇宙や地球や歴史は動いているのです。

● 平和を望めは平和が得られるような、左翼の妄想に似た考えが見られるのが、田中宇の世界である。
  人間の意志は無限の妄想を持つことは出来るが、現実の有限性は我々の無限の妄想を
  押しとどめて、我々を現実に目覚めた一人前の人間にしてくれます。

● 一部の人間の意志が多極化を齎すことが出来るなら、その逆も真なりです。つまり、一極化の
  貫徹による世界統一政府の確立です。それでは漫画や映画のような、全知全能の神を
  認める事にもなります。

● 一極化による世界政府の樹立などは、ある種の願望でもありますが、それは今は出来ないのが
  歴史の定めなのです
地球統一のためには、多大な歴史の時間が必要でしょう。
  生命も40億年余の流れの中で、哺乳類の誕生や人間の誕生があるのです。

● それには、幾多の生命の大量絶滅を経なくてはいけなかったのです。人類も大量虐殺を経ないと
  統一出来ないのでしょう。第二次大戦後にEUが出来たようにです。


● 一足飛びに単細胞が哺乳類になる事は出来ないのです。魚類から手足のある両生類、爬虫類と進化して、
  最後に哺乳類の天下になるのは、その考古学的・地球歴史的理由があるのです。

● 物事が転換するのは、量的発展が質的発展に転換するのは、ある程度の時間と空間的な
  蓄積・流れが必要
なのです。人間の短い一生はその流れの中で、己の生きざまを
  決断せざるを得ない時が来るのです。あらゆる組織とて同様です。

● USAの権力者は己の短い権力保持の期間の中で、あらゆる決断をせざるを得ないのです。だから
  大統領が変わるたびに、政策もコロコロ変わるのです。あのブッシュ大統領でさえ、
  人気の末期には、北朝鮮を悪の枢軸から外したのです。

● つまり、テロ支援国家のレッテルをはがしたのです。全く支離滅裂は政策でした。クリントン氏も
  徹底して日本を無視して、中共を優遇して、日本人の神経を逆なでしました。それは共産主義者の
  陰謀もありますが、中共で儲けようとする単なる資本主義的欲望のなせる業で十分に説明できます

  自分の首を絞める縄を敵に売る、商売人の商売根性です

● それは自分の利益の為でもあり、次回の政権の為の足慣らしであり、支配階級の欲ボケの為でも
  あります。又、USAを凌駕する勢いの日本を抑えて、USAの復権を図る意図でもあるのです。
  一石二鳥を狙ったのでしょう。つまり、中共を下請けの企業として使い、更に巨大な
  市場にして、USAの回復と日本の抑制を同時に狙ったのです


● その後、歴史は彼らの意図通りに動くかのように進みましたが、しかし今は逆の流れが生じています。
  つまり、欲ボケで見えなかった中共の野心と侵略性が欲ボケUSAでも良く分かるようになったのです。
  飼いならすつもりの中共の共産主義者は彼ら自らの意志を持った陰謀家という事が分かったのです。

● むしろ彼らの発展の為に、歴代のUSAの政権は使われてきて、彼らの掌で踊っていたのです。
  しかし中共のその陰謀も、日本の政権の努力もあり、最近だんだんとばれつつあり、
  世界は警戒しつつあるのです。何事も一方の意図だけが通る事はないのです。

● この様に競争や争いや陰謀の渦巻く結果として、今の現実的な政策が決まるのです。ウクライナの
  政策も正にその通りでしょう。ロシアいじめをしようとしたが、うまくいかなかっただけです。
  ロシアが核大国であり、再生した新しい国であることを忘れていたのです。

● また大統領選が近づいていることもあり、何らかの外交的成果を示す必要があるのです。大統領引退後の
  こともあるし、次の民主党の大統領候補者の事も考えなくてはいけないし、再び台頭する日本への
  配慮もしなくてはいけないし、中共の横暴も抑制する必要もあるし、いろいろあるのです。

● 世界中を混乱させたままでは、大統領選を戦えないのです。民主党の圧力もあるでしょう。
  実際ロシアは手ごわく、ウクライナの戦いでは得るものよりも失うことのほうが多いと
  悟ったのでしょう。単なる力関係の結果でしょう。現実にウクライナでは
  うまくいってはいないし、今後もその可能性はないでしょう。

● 現実を追認した結果が、ロシアとの妥協なのです。したがって情勢が変化すれば、政策もコロコロ
  変わる事は、今までのUSAの政策が示しています。現実への対応が結果をもたらすのです。

● 波動的に言えば、資本主義体制の末期が近付いているUSAの力の低下が、世界の多極化を
  もたらしているのであり、日本の回復がUSAの、再びの日本重視を齎しているのみです


● 今までの資本主義崩壊の予測がもたらす結果が、多極化なのです。一部のUSAの多極化勢力
  等を考える必要はありません。むしろ共産主義勢力の陰謀等を含めた、他の権力亡者
  集団等との間の争いを考慮するのが現実的と言うものです


  
コメント
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