「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和弐年(2020)2月1日(土曜日)
通巻6354号
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三日後にせまったアイオワ党員集会で、バイデンは二位に転落か
社会主義者バニー・サンダーズが緒線をリード、
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世論調査会社のニールセンが各テレビ局の視聴率増減を調べたところ、フォックスが32%増、MSCBは1%減、トランプ批判の先端局CNNは2%減だったことが判明した(ワシントンタイムズ、1月29日)。フォックスは過去18年にわたって視聴率を増やし続けてきた。ウエブのフォックスは年間195億人が見たという。
この数次は貴重なデータである。つまりフォックスはトランプ支持であり、その視聴率が抜群に増加している事態は何を意味するのか。
ニュージャージー州は2016年にトランプがヒラリーに負けた選挙区だが、各種アンケート調査では、若者の民主党離れが顕著で、トランプ支持が増えているという。
2月3日にアイオワ州における民主党コーカス(党員集会)で、ダントツのリードを見せたいバイデン元副大統領(77歳)の支持率が23%、サンダース(78歳)が18%、ついで三位に急上昇したのがブルームバーグ(元NY市長。77歳)で12%と四位のウォーレン(70歳)を引き離していたことが分かった。
「後出しジャンケンで闖入してきたブルームバーグだが、個人の財力にモノを言わせ、400人のスタッフを投入し、邦貨換算で270億円をテレビCMに投じた結果である。
サンダース支持は労働組合、とくに米国郵便の20万労組が支持を表明しているため、ヒラリーが痛烈に批判した。「彼と仕事を一緒にしたいとは誰も思っていない」。
小誌でも何回か指摘したようにバイデンが失速した場合、民主党候補はブルームバーグを選ぶ可能性が日々高くなった。理由はサンダースが社会主義者、ウォーレンが極左過激派だから、この二人のうちの誰からが民主党候補に選ばれると、トランプが圧勝するのは目に見えている。
弾劾裁判は上院で進んではいるものの、証人喚問でジョン・ボルトン前補佐官の出廷を要求した民主党に対し、「ならばバイデン親子の出廷も」と譲らず、共和党53名のうち、ニューヨークタイムズが四名が脱落すると予想したが、共和党で証人喚問に賛成したのはスーザン・コリンズ(メイン州)とミット・ロムニー上院議員(ユタ州)の二人だった。
ロムニーは2012年の共和党大統領候補だが、オバマに大敗し、その後トランプ批判を繰り返してきた。私怨があると噂される。むしろ民主党側からは共和党案への賛成を投じる議員の動きもあった。
コリンズは共和党リベラルに所属し、ロックフェラー・リパブリカンと言われるがローマカソリック信者なのに、同性愛などには寛大な姿勢をみせてきた。
1月31日、結局のところ、51vs49で新証人喚問は「否決」された。これで態勢が固まり、2月5日の上院本会議で、トランプ大統領弾劾そのものが否決される予定である。
左翼リベラルの議員やメディアが批判していたのは、3月に出版予定のボルトン回想録である。ところが年末からすでに、新本の原稿コピィが出回っていたのだ。
正式には国家機密漏洩にあたるか、あたらないかをホワイトハウスの弁護士が仔細に検討するためだったが、原稿のコピィがニューヨークタイムズにも流出していた。