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「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和2年(2020)6月17日(水曜日)
通巻第6539号
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米国、5G開発でファーウェイ排斥より、共同開発へ路線変更
独自開発はとき既に遅く、開発費用が天文学的になる
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米商務省のELリスト(ブラックリスト)によって米国のハイテク企業の中国企業との取引、連携、部品調達などが「国家安全保障」に重大な懸念があるとして、商務省の許可のない製品や技術を米国企業から調達することを禁止してきた。
6月16日、商務省は、この規定を突如「改訂」し、新規則を適用するとした。ファーウェイとの「共同開発」を続行しているインテル、クアルコムなど「米国企業が参加する幾つかの国際標準化プロジェクト(典型は3GPP)には引き続き参画できる」ことになる。
商務省は「国際標準の制定は開発の基本であり、新製品の機能性や相互運用性、安全性の確保に資する」とし、「米国基準案が十分検討されることを確実にするために米企業がこれらの機関で活動することは、技術的優位性にとって重要である」と理由をのべた。
回りくどい表現だが、つまり「いまごろファーウェイを排斥しても遅いし、まったくの新規開発となると研究開発費は膨大になる」からである。
もっと分かりやすく言えば、5G開発競争で、米国は中国の頭ひとつのリードを認めたのである。しかも現在の開発プロジェクトの多くが3GPP(第三世代パートナー・プログラム)を基礎としているため、この協同プロジェクトに米国企業が残った方が有利と判断したのだ。
現在の5G基本特許状況を、ドイツのシンクタンク「IPLYTIC」の調査によれば、ファーウェイが15%、米国勢が13%を保有している。そのうえ英国も5Gの一部を排除したが、独仏は躊躇い、EU全体でもエリクソン、ノキアの全面支援には至っておらず、モナコに到っては全てをファーウェイで一本化しているという状況にある。
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