「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和三年(2021) 2月11日(紀元節、木曜日)
通巻第6794号
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イスラエル、テロリストを援護するバイデンへ急激な不信感増大
革命防衛隊が新たに340隻の攻撃ボートにドローンを搭載
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バイデン政権はイエーメンの反政府武装集団でイランの支援を受けた「フーシ」をテロリスト・リストから外した。フーシは歓迎声明を発表した。
サウジアラビアは激怒、イスラエルは「やっぱりか」と失望と疑念が混ざったバイデン政権への不信感を拡げる。
フーシはスンニ派からの蔑称で、かれら自身は「アンサール・アッラー」(神の支持者)と呼称し、スローガンは「アメリカに死を、イスラエルに死を、ユダヤ教徒に呪いを、そしてイララムの勝利を」。中東の政治地図ではスンニ派とも敵対している。
フーシをイランが背後で支援したと米国が認定したのは、サウジ攻撃に遣われたミサイルがイランのミサイルの部品だったからで、当時、ニッキー・ヘイリー米国連大使は、証拠を提示して国連に制裁を訴えた。
さてイスラエル国防省諜報部門は「ナタンズ核施設はウラン濃縮施設であり、その責任者のファクリダデ博士は殺害された(おそらくモサッド)が、おそらく二年以内に核武装するだろう」と予測する報告書を作成した(『エルサレム・ポスト』、2月9日)。
イランの脅威は増大しており、バイデンが進めるイランとの核合意復帰などもってのほかだとするのである。
イランの革命防衛隊は沿岸警備隊的役割を持つボート部隊をもつが、最近、340隻を増強し、ロケット・ランチャーに加えて一部がドローンを搭載していることが判明した。
革命防衛隊はすでに北朝鮮の魚雷搭載の簡易型潜水艦のTAEDONG(B)、ならびに中国から「チャイナ・キャット」C14(ミサイル装備の小型船)を導入している。これらは高速でペルシア湾を遊弋している。
中東はまたまた地域戦争の発火点になりそうだ。
◎☆◎◎み☆◎□☆や□◎◎☆ざ◎◎□☆き◎☆◎◎