ニュージーランド移住記録:日記「さいらん日和」

2004年に香港からニュージーランドに移住した西蘭(さいらん)一家。子育て終了、仕事もリタイア。好きに生きる記録です。

悲喜こもごも

2009-04-24 | 移住生活
昨日はジャムを作ったり、夫と善(12歳)と3人で彼らの靴を買いに行ったり、学校休みの終盤らしく比較的のんびり過ごしていました。

「さぁ、夜ご飯の用意でも。」
という頃に、89歳の友人ベットから電話が入り、
「体調が悪いの。ちょっと来てくれない?」
と弱々しい声。のんびりムードは一転しました。

ちょうど夫が外出先から戻ったところだったので後を頼み、彼女の住む老人ホームに駆けつけました。独立棟の入り口には車椅子が用意されていて、顔見知りのインド人の看護士も来ていました。


(小高い丘の上に立つ老人ホーム。ビルの周りに独立棟が点在しています→)

ベッドルームに行くと別の看護士が血圧を測っているところでした。
「上が180台、下が90台」
と聞き、とっさに90近い老人の血圧としてそれが高すぎるのかどうか判断に迷いましたが、普段はもっと低いそうです。彼女は数年前に軽い心臓発作を起こしており、かなり動揺していました。

看護士は、
「入院した方がいい。」
と勧めます。ベットは老人ホームといってもコテージと呼ばれる独立棟で独り暮らしをしているので、敷地内にある特別養護(特養)棟の病院を利用するには外来のように料金を支払う必要があります。
「それだったら無料の公立病院へ行った方がいい。」
という話なのです。

しかし、今はあちこちの総合病院で院内感染が問題になっており、
「これぐらいの血圧で(と思われました)送る込むのはどうだろう?」
と感じました。

しかし、看護士はこれ以上の責任も負えず、救急車を呼んで病院へ行くことを勧めます。

(救急車で行けば緊急扱いなので、常に満杯の公立病院でも追い返されはしないようです。緊急のつもりで自家用車で行っても、場合によっては断られることもあります。ちなみにNZの救急車は有料)

入院できてもこの症状ではせいぜい1泊では?
だったら自宅で静かにしていて経過を見たらどうだろうと思い、
「気持ちが高ぶっているみたいだから、1時間後にもう一度血圧を測って、それでも下がっていなかったら入院しては?」
と提案すると、ベットも看護士も納得してくれました。

ワタクシはベットの手をとり軽くマッサージをしながら、いつものようにたわいもない話を始めました。親指と人差し指の付け根を触っても凝っている様子もなく、
「ほんとうに健康な人なんだなぁ。」
と思いつつ、甲の骨に沿ってマッサージを続けました。

「今夜はここに泊まるから、血圧が下がっていたらここにいたら?」
とも言ってみました。医療知識のないワタクシが言うのは無責任かもしれませんが、
「年も年だし。」
と、とりあえず入院させてしまうのも、本人の心身の負担を考えると、これまた無責任のように感じました。

ベットは「行きたくない」と言いながらも、入院用の荷物をまとめていました。20年来の未亡人暮らしと元来の気丈な性格とが、
「人に迷惑をかけたくない。」
という強い思いになり、どうなっても対応できるよう彼女を駆り立てているようでした。(つづく)