2限(社会学基礎講義)、3限(社会学研究9)の授業の後、4限・5限・6限は研究室で二文の基礎演習の学生の個人面談。ただし、来客が一人混じっている。半年前に来日して、現在は新聞配達の仕事をしながら語学学校で日本語を勉強中の中国人青年Y君である。先日、彼から、大学院を受験して私のところで勉強がしたいというメールをもらったので、とりあえず一度話を聞きましょうということで、今日の面談となった。なぜ私のところで勉強がしたいのという質問に対するY君の回答。「先生の文章が素晴らしいからです」(!)。Y君は私の「フィールドノート」の愛読者で、日本語の教材(!)として毎日読んでいるのだとのこと。し、知らなかった、そんな読まれ方をされているとは。これでは「しょぼぼーん」なんて辞書に載っていない言葉(いま卒論ゼミで流行っている言葉で、私からだめ出しされたときなどに使用)はうっかり使えない。日本語の威信にかかわるから。で、参考までに伺いたいが、私の文章のどんなところが素晴らしいのかという質問に対するY君の回答。「日本人離れしているところです」(!)。Y君によれば私の文章は、ユーモアとはっきりした物言いという点において非日本人的であり、「先生は本当に日本人ですか」と聞かれてしまった。う~ん、日本人だと思うけど、そう正面切って聞かれると、ちょっと自信がない。学生からも「先生はトルコ人に似ています」とか言われているし…。私が考え込んでいると、Y君は先日の「フィールドノート」に書いた「見た目のさえない男ときれいな女」の話を持ち出して、「先生は決して『見た目がさえない男』ではありません」と言った。あのね、あれは一種の謙遜表現というやつで、真面目にフォローされるとかえって凹みますから…(しょぼぼーん
)。Y君が帰った後、私は文カフェに行き、日中友好の気持を込めて冷やし中華を食べた。
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