朝、大学の事務所から、麻疹による休講措置の解除し明日30日から授業等を再開するという連絡のメールが届く。巷の状況から休講措置の延長も十分ありえると思っていただけに、ちょっと拍子抜け。ただ、気になったのは、解除の理由に「事態が沈静化に向かっていますので」とあるだけで具体的なデータ(感染者数の増減)が示されていないこと。なんだか大本営発表みたいじゃないか。とにかく明日から日常に戻るわけだ。ちなみに娘は今日ようやく近所の内科医院で麻疹の予防接種(麻疹単体が品切れで、二種混合)を受けた。料金は一万円(ワォ!)。
昼から大学へ。二文の社会・人間系専修委員会。いつものことながら出席者が少ない。1時間ほどで終了。志乃原に昼食をとりに行く。このところ五郎八がご家族の事情でずっと店を閉めているので、蕎麦を食べるにはちょっと足をのばさないとならないのだ。志乃原では野菜天せいろと決まっている。この店には新聞・雑誌の他に本が十数冊置かれていて、蕎麦を待ちながら山本健吉『現代俳句』をパラパラと読む。これは本当に名著である。初めて手にしたのは高校生の頃だったが、以来、折りにふれて読み返している。今日は、パット開いたところが篠田悌二郎の頁だった。平易で味わい深い句が並んでいる。
春蝉や多摩の横山深からず
鮎釣や野ばらは花の散りやすく
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天ぷらは椎茸、人参、茄子、薩摩芋、獅子唐
中央図書館に寄ってみたが休館だった。学生は利用禁止でも教員は使えるものだとばかり思っていた。明日の授業の資料をコピーしようと思っていたのだが、あてが外れてしまった。研究室に戻り、雑用を片付ける。教員ロビーのメールボックスに本が二冊入っていた。英文学の水谷先生からだ。
ソートン・ワイルダー『わが町』(ハヤカワ演劇文庫)
ジェームズ・バーダマン『黒人差別とアメリカ公民権運動』(集英社新書)
前者は鳴海四郎の訳で、水谷先生が訳注と解題を書いている。後者は英文学のバーダマン先生(お祖父様はミシシッピ州知事だった)が書かれた本だが、水谷先生が訳されている。
「ハヤカワ演劇文庫」というものの存在を初めて知った。すでにアーサー・ミラー『セールスマンの死』、ニール・サイモン『おかしな二人』、エドワード・オールビー『動物園物語/ヴァージニア・ウルフなんてこわくない』、テネシー・ウィリアムズ『しらみとり夫人/財産没収ほか』が出ている。それだけでなく清水邦夫、坂手洋二、平田オリザら日本人の作品も入っている。「本を読んだら劇場へ、舞台を観たら本を手に」は帯に印刷された宣伝文句だが、名作シナリオの文庫本化とはずいぶんと思い切った企画である。注目していきたい。
帰宅の途中、飯田橋ギンレイホールに寄って、オリヴィエ・マルシャン監督の『あるいは裏切りという名の犬』(2004年)を観る。パリ警視庁の2人の警部、レオ(ダニエル・オートゥイユ)とドニ(ジェラール・ドバルデュー)の確執を軸にしたサンペンス。主人公レオは「フランス版高倉健」である。しかし、あのラストは読めなかった。残り1分まで、まったく違うラストを予想し、覚悟もしていたのだが、これがフランス流か。なるほどね。
昼から大学へ。二文の社会・人間系専修委員会。いつものことながら出席者が少ない。1時間ほどで終了。志乃原に昼食をとりに行く。このところ五郎八がご家族の事情でずっと店を閉めているので、蕎麦を食べるにはちょっと足をのばさないとならないのだ。志乃原では野菜天せいろと決まっている。この店には新聞・雑誌の他に本が十数冊置かれていて、蕎麦を待ちながら山本健吉『現代俳句』をパラパラと読む。これは本当に名著である。初めて手にしたのは高校生の頃だったが、以来、折りにふれて読み返している。今日は、パット開いたところが篠田悌二郎の頁だった。平易で味わい深い句が並んでいる。
春蝉や多摩の横山深からず
鮎釣や野ばらは花の散りやすく
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天ぷらは椎茸、人参、茄子、薩摩芋、獅子唐
中央図書館に寄ってみたが休館だった。学生は利用禁止でも教員は使えるものだとばかり思っていた。明日の授業の資料をコピーしようと思っていたのだが、あてが外れてしまった。研究室に戻り、雑用を片付ける。教員ロビーのメールボックスに本が二冊入っていた。英文学の水谷先生からだ。
ソートン・ワイルダー『わが町』(ハヤカワ演劇文庫)
ジェームズ・バーダマン『黒人差別とアメリカ公民権運動』(集英社新書)
前者は鳴海四郎の訳で、水谷先生が訳注と解題を書いている。後者は英文学のバーダマン先生(お祖父様はミシシッピ州知事だった)が書かれた本だが、水谷先生が訳されている。
「ハヤカワ演劇文庫」というものの存在を初めて知った。すでにアーサー・ミラー『セールスマンの死』、ニール・サイモン『おかしな二人』、エドワード・オールビー『動物園物語/ヴァージニア・ウルフなんてこわくない』、テネシー・ウィリアムズ『しらみとり夫人/財産没収ほか』が出ている。それだけでなく清水邦夫、坂手洋二、平田オリザら日本人の作品も入っている。「本を読んだら劇場へ、舞台を観たら本を手に」は帯に印刷された宣伝文句だが、名作シナリオの文庫本化とはずいぶんと思い切った企画である。注目していきたい。
帰宅の途中、飯田橋ギンレイホールに寄って、オリヴィエ・マルシャン監督の『あるいは裏切りという名の犬』(2004年)を観る。パリ警視庁の2人の警部、レオ(ダニエル・オートゥイユ)とドニ(ジェラール・ドバルデュー)の確執を軸にしたサンペンス。主人公レオは「フランス版高倉健」である。しかし、あのラストは読めなかった。残り1分まで、まったく違うラストを予想し、覚悟もしていたのだが、これがフランス流か。なるほどね。