6時、起床。睡眠時間は4時間ほどだが、目が覚めてしまったので、そして青空がきれいだったので、起きて、シャワーを浴びて、コンビニに食パンを買いに行く。一階のベランダに野良猫の親子が寝そべっている。仔猫は一匹だけで、3ヶ月くらいだろうか、警戒心がとても強い。まだ写真を撮れるところまでいっていないが、朝と晩のご飯をうちにもらいにいくるから(母が世話をしている)、慣れるのは時間の問題だろう。ハムとレタスのオープンサンドとオレンジジュースの朝食。レタスに岩塩を振って食べると美味しい。
午前中は『日常生活の探究』の構成を考える。12月末までの約束で書き上げることになっているのだが、勿論、まだ一枚も書いてはいない。夏休み中に半分書ければと思うのだが・・・。編集者からの注文である「震災後の日常生活」というのが、いまひとつピントこなくて困ったなと思う。震災の前後であれこれのことが変わったのは確かだと思うが、すべてが変わったわけではない。断絶している面もあれば、連続している面もある。当たり前の話なのだが、メディアで語ったり書いたりする人たちは断絶面を強調する傾向にある。彼らにとって現代はいつも危機的な時代であり、過渡的な時代なのである。そういう人たちのペースに巻き込まれないようにしなくてはならない。10年ほど前に中高生向きに『きみたちの今いる場所』(数研出版)という本を書いた。いまでもときどき「高校生のときに先生の本を読みました」と言ってくる学生がいる。『日常生活の探究』はその大人版として書いてみたい。
午後、散歩に出る。今日も猛暑日。蒲田駅の周辺は原色の街。外国人の姿もこのところ一段と増えたように思う。地域全体がアジア的な熱気に包まれている。
昼食をどこでとろうかと考えて、まず「テラス・ドルチェ」に行ったがお盆休みだった。それで東口に本店のある中華料理店の支店に入ったのだが、冷房が効きすぎていて、頼もうと思っていた冷やし中華と餃子のセットを急遽炒飯と餃子のセットに変更したのだが、それほど炒飯が食べたいわけではなかったことに加えて、炒飯が薄味でどうもいただけなかった。初めて入った店だったが、本店に遠く及ばない。
口直しに池上の「甘味あらい」へ行く。食べ物の失敗は食べ物でリカバリーしなくてはならない。それもその日のうちにだ。ちょうどスキーのジャンプで転倒した選手が、そのままにしておくと、次に飛ぶときに足がすくんでしまうので、無理にでももう一本飛んで怖さを克服しておく必要があるのと同じだ(違うかもしれない)。
「甘味あらい」では珍しい人を見た。カウンターで私の隣にいた中年の男性なのだが、カキ氷のお替りをしたのである。最初は宇治を注文し、それを食べ終わって、あずきを注文した。しかも、こしあんだったので、二度びっくりした。 男性は私より先に店を出たので、私は支払いのとき、奥さんに「驚きましたね。カキ氷のお替りをする人を初めて見ました」と言ったら、「よくいらっしゃるんですよ。カキ氷専門で」とのことだった。 う~む、世の中にはいろいろな専門家がいるものである。ちなみに私が食べたのは宇治金時ミルク。先日、初めて来店したご婦人が「レタス入り」と勘違いしたものである。
本門寺の境内を散策する。 長い階段の途中でいい風が吹いていたので、しばらく座っていた。本堂の中も涼しかったので、しばらく畳の上であぐらをかいた。
本門寺からの帰り、参道の蕎麦屋の店先でカキ氷を食べる。250円。「甘味あらい」の優雅なカキ氷とは比べものにならない素朴なカキ氷だが、縁台で食べるにはもってこいである。間隔が空いているとはいえ、私もカキ氷のお替りをしたようなものだから、さきほどの男性のことをとやかくはいえない。蒲田に戻り、「シャノアール」でしばらく読書をしてから帰宅。
同僚の先生から転居通知の葉書が届いていた。埼玉県の日高市から千葉県の佐倉市へ。お子さんが巣立って、ご夫婦ふたりだけのこじんまりとした家に引っ越されたようである。駅から近く、買物にも便利で、活気があって住み心地のよさそうな街ですと書いてある。
幸せの青い鳥、ではないけれど。